魚をおいしくする津本式①/脳締めとフリフリ

2021.10.13

自分で釣った魚はそれだけでおいしいけれど、仕立てることでもっともっとおいしくなる──。

『BoatCLUB』2019年11月号の特集「魚のうまみを引き出すひと手間」では、「究極の魚仕立て法 話題の“津本式”を大解剖」として、釣った魚をしっかり味わいたいアングラー必見のテクニック「津本式」を紹介しました。ここではその内容を一部抜粋して、津本式で魚をおいしくする方法を解説します。

 

津本式とは?
耐圧ホースや専用アイテムを用いて、魚を適切に締めたり、血を抜いたりして、長期熟成に適した状態にするためのテクニックのこと。宮崎県在住で、魚の販売などに携わる津本光弘さんが考案した。

津本式は、大きく分けて、「締め」「血抜き」「熟成」から構成されており、なかでもホースを用いる血抜きは、「究極の血抜き」と名付けられ、これをするだけでも、食味は大きく変わるという。

 


脳締め&フリフリ

津本式は魚を釣った瞬間から始まる。とはいえ、船上でするべきことはそれほど多くはないという。

「魚を締めるためにフネを出しているんじゃなくて、釣りを楽しむためにフネを出したわけですよね。ですから、釣った魚に気を取られて、時合を逃したら本末転倒です。もちろん、しっかりとていねいに処理したほうがおいしくなると思いますが、そこまで気にしなくてもいいと思います」(津本さん、以下同)

では、釣りを楽しみながらできる処理とはなんだろうか。

「釣ってすぐにできることは、脳締めです。釣った魚が暴れると血管が損傷して内出血したり、熟成に向かない魚になってしまいます。ですから、釣ったらすぐに脳締め、その後、エラ膜をざくっと裂き、あとは海水をためたバケツに魚を入れ、30秒~1分ほどフリフリしてあげてください。こうするだけで、大半の血が出ていきます。釣りに集中したい場合は、フリフリせずに水につけておくだけでもOKです」

釣りを楽しむよりも、よりおいしく魚を食べたい、という人は、脳締めのあと、尾の部分の骨を断ち切って、神経締め用のワイヤを使って神経を破壊し、それからフリフリすればいい。

脳締めの詳細は下の写真説明をご覧いただきたい。慣れないうちはなかなか成功しないとのことだが、魚のためにもできるだけ早く締めてあげたいところだ。ちなみに、平たい魚体のほうがやりやすい。

脳締めをするときは、ケガを防ぐために、手ではなく、靴を履いた足で魚を押さえるといい。強く踏みつけるのではなく、エラのあたりを軽く押さえるだけで、魚は暴れにくくなるそうだ。

 

エラ膜を刃を貫通させるようにして裂く。エラを切断してもいいが、あとでエラを外すときに面倒なので、そのままでもいい

 

写真のように魚を持つと、振りやすい

 

海水に漬けて、バシャバシャと30秒~1分ほど振り続ける。真水の中でフリフリすると赤血球が破壊されやすく、血抜きしやすいとのこと

 

エラが白っぽくなったら完了だ

 

重要!
脳の位置はココ
脳は側線(青色)の延長線と、エラブタにある縦筋(黄色)が交わるあたり(赤丸)にある。ナイフが刺さっているあたりはこめかみで、ほかの箇所より柔らかくなっているので、慣れないうちは触って確認しよう。こめかみから、斜め方向にナイフを入れて脳に達しているのがポイントだ。刺したナイフをねじることで締めが完了する。瞳孔が開いたら、脳締めは成功だ。

 

脳の位置がわかりづらい人は、一度、魚の頭部を割って確認してみるといいだろう

 

左が脳締めが成功した魚の目。右の魚に比べて白いのがわかるだろうか。脳締めに成功すると、瞳孔がカッと開く

 

教えて津本さん!
Q、どうしてエラ膜を裂いたあとに、水につけて振る必要があるの?
A、写真を見てもらうとわかるように、魚の血も人間と一緒で凝固します。ただ漬けておくだけだと、固まってしまって、血があまり出ていかなくなるんです。そのため、フリフリして血を出しやすくしてあげるんです。

 

(文=BoatCLUB編集部/幸野庸平)

 

津本光弘(つもと・みつひろ)
1973年生まれ。大阪府大阪市出身で、現在は宮崎県在住。バス釣りがメインだが、友人のフネでボートフィッシングに出かけることも
https://tsumotoshiki.com/

 


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