ひな祭りのひし餅をイメージした色鮮やかな一品
クロダイと野菜のテリーヌ
クロダイとキャベツ、アスパラガス、たけのこなど旬の春野菜を使ったテリーヌです。夏になれば、キュウリ、オクラ、トウモロコシなどの夏野菜で作る。キュウリはピーラーでキュウリの長さいっぱいに薄くスライスして包むようにすればいい。今回は590ミリリットルの一般的な密閉容器でしたが、縦長のパスタケースを使うと高級感のある仕上がりになる。
どちらにしても、山盛りの具材とゼラチン液を入れ、液をあふれさせながらフタをしめるためキッチリとフタがしまるタイプがオススメ。フタがない場合は重しをする。
あと、フタをする前に竹串などを刺して空気抜きをすること。気泡が残ると穴になって見栄えが悪い。特に角部分ね。その点、透明な密閉容器は残った空気や隙間が見えて便利。取り出すときはラップごと引き出すが、出ない場合は容器の底を熱湯で温めればOK。残った野菜の端材はマリネやスープの具にしましょう。
【材料】(4人分)
●クロダイの背身 1本 ●キャベツの葉 3~4枚 ●パプリカ赤黄 各1個 ●たけのこ水煮 適量 ●大根 1/4本 ●アスパラガス 8本 ●ミニトマト 数個 ●ゼラチン7g ●固形コンソメ 1個
※590ミリリットルの密閉容器の場合
①クロダイはウロコと内臓を取り、三枚におろしたあと、血合い骨に沿って半分に切ってから血合い骨を切り取る。背側の身を1本使用し、皮をひいてから縦長の細切りにする。太さは1~1.5センチくらい。5%ほどの塩水に数分漬けてから水分を切っておく
②①の切り身にかたくり粉をまぶし、フライパンに大さじ1~2杯のオリーブオイルかサラダ油を入れ、十分に熱してから切り身を入れて各面に焼き色が付き、水分が抜けて表面が硬くなるまでじっくりと焼く。仕上げに5グラムのバターを加えて香り付けをしてもいい
③アスパラガスは容器の長さに合わせて切る。大根とたけのこは1センチ角の細切りにして各8本、キャベツの葉の芯は薄くなるように削ぐ。パプリカは芯とタネと白い部分を切り取り、半分に切り開き、外側の厚い部分も切って薄い板状にする
④水煮のたけのことヘタを取ったミニトマト以外の野菜をゆでる。できればそれぞれ別々にゆでて、色止めのために氷が入った冷水に入れたあと、水気を切っておく。アスパラガスとキャベツにパプリカは1分間、大根は約3分間。少ししなっとなるまでゆでる
⑤ゼラチン液を作る。量はだいたい容器の半分。今回の容器は590ミリリットルなので300ミリリットルの水を鍋で沸騰しないように沸かし、固形コンソメをひとつ(粉末タイプは小さじ山盛り1)入れて溶かす。熱いうちに標準より濃いめのゼラチン7グラムを入れて溶かしてから冷ます
⑥まず容器の底にラップを上部まで包めるように敷き、次にキャベツを底半分から上半分まで包む感じで全体に並べる。盛り付け時は底側が上になるのを想定し、野菜とゼラチン液を交互に詰め込んでいく。フタをするときに液がこぼれるくらいまで詰め込むのがコツ
須藤恭介(すとう・きょうすけ)
愛称、Mr.ツリック。長年、月刊『ボート倶楽部』の筆者として活躍。釣りだけでなく、優れた料理の腕前で、釣果料理のノウハウを紹介している。
※本レシピは月刊『BoatCLUB』2025年3月号「さかな食堂へようこそ」に掲載されたもののダイジェスト版です。最新号もよろしくお願いします!
(文=須藤恭介[Mr.ツリック] 写真=『BoatCLUB』編集部)