
ここまで宮古島で暮らす池本孝徳さんのライフスタイルについて紹介してきたが、ここからは番外編。池本さんが愛する伝統和船サバニの各部名称について解説する。沖縄本島の方言は「うちなーぐち」、宮古島は「みゃーくふつ」。サバニも同様にエリアごとに用語が違う。今回は、池本孝徳さんのサバニを元に、池間島での言い方をメインとし、伊良部島の佐良浜の言葉は文頭に「佐」を、本島と糸満の言葉は「糸」と区別し解説する。まずは船体編にて。

サバニ用語の方言とは
池本孝徳さんは常々「舵オンラインや月刊『Kazi』誌に掲載されるサバニは糸満サバニの用語なので、ほかの方言もあることを書いてよ」、と言っていた。なるほど。ということで、各地方ごとのサバニ用語の勉強会。池さんが調べた池間島の方言をメインに、伊良部島(いらぶじま)佐良浜の古老漁師の見解を加味して解説していく。
たうかぬーい(1人乗り)サバニの各部
1人(たうか)で乗る(ぬーい)、小型サバニを見てみよう。







参考文献の数々
池本さんが参考にした書籍。左から『奥武島のサバニ建造技術』(坂井英伸 著)、『潮を開く舟 サバニ』(安本千夏 著)、『沖縄の舟 サバニ』(白石勝彦 著)


「えーく」が「っざく」?
有名な「えーく(櫂)」は糸満言葉で、池間島では「っざく」「うざく」「いざく」などと言う。例えば「下」のことを宮古島では「すた」と言い、サバニのほ(帆)の下の帆桁を「すたじゃん」と発音するが、池間島では「したじゃん」になる。
そもそもサバニは池間・佐良浜では「スウニ」と呼ばれる。サバニの語源はさまざまあるが、「潮舟(シオブネ)」語源説を例にすると、宮古島では潮も塩も「スウ」なので信憑性は高い。「小船(サブネ)」、「サメを獲る舟(サバ+ブニ)」という説もある。佐良浜の89歳の古老漁師から教えてもらったサバニの言葉。今のところ、宮古島では彼よりもサバニに詳しい人はいないそうだ。サバニを通した、文化人類学的な学びの境地をぜひ!
(次回①-6に続く)


池本孝徳さん Takanori Ikemoto
20 代、宮古島でダイビングとヨットに明け暮れる。本土へ渡り、『ヨッティング』誌を経て、『Kazi』誌を発行する舵社で営業を務めて2013 年退社。宮古島へ戻り、海辺のスローライフを送る。大浦漁港のスロープにて。
(文・写真=中村剛司/舵オンライン編集部)
本記事は月刊『Kazi』2026年2月号からの抜粋






















