
90回の歴史を持つ「第90回 全日本学生ヨット選手権大会」(全日本インカレ)に、新たなページが加わった。
最終日、470級とスナイプ級の合計得点で競う総合部門で、前日首位を奪われた日本大学が再逆転。2011年以来、14年ぶりの総合優勝を果たした。
メインカット|総合優勝が決まり、選手から胴上げされる日本大学コーチ矢野伸一郎さん
前日の大会3日目終了時点で、首位早稲田大学と日大の差はわずか2.3点。
また、それまでに両校で各クラスの1位と2位を分け合っており(※)、最終日のレースは文字通りの頂上決戦に。
※470級 1位日大、2位早稲田/スナイプ級 1位早稲田、2位日大
この日の最初のレース、470級(第8レース)の第1風上マーク(1上)を日大の杉原 豪 /山本信之介と池田海人/末吉 源が1-2位で回航。2艇はこの後も順位を守ると、もう1艇の宇田川涼太郎/佐藤友星も12位に入り、早稲田に強力なプレッシャーをかける。
対して早稲田470はトラブルで1艇がリタイアとなり、痛恨の英語(失格)で大きな失点。ここで日大にリードを許した。

第8レースで先頭で第1マークに向かう杉原 豪 /山本信之介(日本大学)。すぐ後ろを走るのは同大学の池田海人/末吉 源
早稲田としては絶対にスナイプ級で日大を突き放したい場面。第7レースで早稲田の重松 駿/畠山 翔がトップで回航するも、日大の3艇も10-16-18とまとまって走る。
このレースの日大は最終的に9-10-11位で、早稲田に食い下がり、総合優勝を手繰り寄せた。

第7レースで独走した重松 駿/畠山 翔(早稲田大学)。個人成績1位で、早稲田のスナイプ級のクラス優勝をけん引した
池田海人主将「僕らの部活は大学入部前に活躍していた、という選手はあまり多くありません。早稲田という強い相手に勝つためには、一から何かを見直す必要があると感じていました。毎日のトレーニングに加えて練習量も増やし、本当にハードだったと思います。それに部員たちはよく着いて来てくれました。監督やコーチ、OBや保護者の支えも無くてはならなかった。このチームは勝つべくして勝ったチームだと思います」

470級個人成績1位の池田海人/末吉 源。主将の池田の圧倒的な実力と揺るぎない姿勢が、日大を14年ぶりの総合優勝に導いた
2011年時点で11回の総合優勝を果たしていた名門が、一丸となって戦った2025年。
歴代最長となる5年連続総合優勝と、インカレ史上最強の王者として君臨していた早稲田の牙城を遂に崩す年になった。
舵オンラインでは大会最終日の様子をお届けします!
(文・写真=川野純平/Kazi編集部 写真=落合明人/舵社)
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第90回全日本学生ヨット選手権大会上位成
●470級(参加24校、実施9レース)
1位 日本大学/234pt
2位 早稲田大学/395.5pt
3位 慶應義塾大学/490pt
4位 日本経済大学/506pt
5位 同志社大学/675.3pt
6位 明海大学/760pt
●スナイプ級(参加24校、実施8レース)
1位 早稲田大学/226pt
2位 日本大学/289.8pt
4位 同志社大学/436.8pt
3位 慶應義塾大学/448pt
5位 京都大学/529pt
5位 九州大学/576pt
●総合(参加20校)
1位 日本大学/523.8pt
2位 早稲田大学/621.5pt
3位 慶應義塾大学/938pt
4位 同志社大学/1112.1pt
5位 京都大学/1360.6pt
6位 日本経済大学/1542pt
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