いよいよ10月29日から2021年度全日本学生ヨット個人選手権大会(インカレ個人戦)およびシングルハンドレガッタ、そして来週末は第86回全日本学生ヨット選手権大会(インカレ団体戦)と、怒涛のインカレウィークが開幕します。出場予定の選手の皆さんは、陸ではイメトレ、海では最終調整の真っ最中でしょうか。
その最終調整に役立つ、「市野直毅の470軽風特化クリニック|②ジャイビング」をお届けします。
【ジャイビング】重心を低く、バランス重視
ヘルムの切り替えで、スピネーカーの移動やジャイビングをしやすい状態を作る。また、艇を安定させるために、低い重心を意識する。
①ジャイビング前の準備
スキッパーかクルーがガイ(風上のスピンシート)のたるみをなくしておく。ロールジャイブをするために、センターボードは好みによるが、10~30cm入れておく
②逆ジブ状態を作る
クルーはジブのクリューが艇の中心にくる程度に逆ジブにして、風上のツイーカーを出す。スキッパーは立ち上がる前に、ティラーを持っていない手でスピンブロックの根元からガイをつかみ、ティラーを持っている手に持ち替える。そこからスキッパーはジャイビングするために反対舷に体重をかけて、リーヘルムに切り替える。同時にスピネーカーを風上側に移動させる
【Point】先にリーヘルムを作ることで、スピネーカーを風上に持ってくるのが容易になる。この時、スキッパーがガイを、クルーが風下のスピンシートをコントロールする
③クルーがブームを返す
メインセールのパワーがなくなったら、クルーがブームを返し、風上に移動しながら新しい風上ツイーカーを引き込む。この時、スキッパーはスピネーカーのパワーを感じながらトリムをする。スピネーカーが風下に流れないようにするため、右手でガイを直接つかんでトリムすることもある
④バランスを意識してトリム
クルーがポールセットしている間に、スキッパーは艇のバランスを安定させながら、スピネーカーをトリム。低い姿勢を心がける
⑤スピネーカーを風上に移動
スキッパーは、スピネーカーにパワーがあればすぐにガイバック(風上側に持ってくる)して、VMG(Velocity Made Good)を意識して走らせる
⑥アンヒールをつぶす
ガイバックしたことでリーヘルムがかかってアンヒールしたので、すぐに艇をフラットにしてパワーを維持。ジャイビング完了後はセンターボードも上げる。クルーはすぐにプレッシャーコールをする
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この記事は、2021年6月号『Kazi』の「市野直毅の軽風特化クリニック」を再編集したものです。
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(文=森口史奈/Kazi編集部 写真=山岸重彦/舵社 監修=市野直毅)
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