〈ブルー・ゼフィール〉国内営業開始

トラディショナルな船型の〈ブルー・ゼフィール〉

エーゲ海の島々を巡り、寄港する島々の歴史や文化に触れながら“客船で、海からエーゲ海を味わう”、小型ラグジュアリー船によるクルーズが、日本で販売されることになった。

船名は〈ブルー・ゼフィール(BLUE ZEPHYR)〉。本年8月より、小型客船クルーズやチャーターヨットを日本に紹介してきた老舗、株式会社オーシャンドリームが、日本における総代理店として営業を開始した。

1991年に建造された〈ブルー・ゼフィール〉は、いわばクルーズ船の正統派ともいえるスタイルの客船だ。2025年から2026年にかけて全面的な改装が施され、船としての品格を残しながら、現代のクルーズに求められる快適性を備えたブティッククラスの客船へと生まれ変わった。

乗客定員114名、乗組員は67名。57室の客室はすべて海側のスイート。大型客船のようなスケール感とは一線を画し、少人数だからこそ生まれる落ち着いた船内の雰囲気と、きめ細かなサービスを特徴としている。

船内は、現代的な快適さを備えながらも、どこかヨットを思わせる落ち着いた空間に仕上げられている。食事の際にはワインやビール、ソフトドリンクが含まれ、カフェメニューやWi-Fiも利用できる。

また、大型船では入りにくい、小さな入り江にある景勝地を回遊したり、美しい陸地が目の前に広がる場所へ近づけたりすることも、〈ブルー・ゼフィール〉のような小型船ならではの特徴であり、乗客にとっては大きな楽しみの一つといえる。

エーゲ海の島々を7泊8日で

〈ブルー・ゼフィール〉は、2027年4月1日から11月1日まで、毎週木曜日にギリシャのラブリオを発着地とし、7泊8日でエーゲ海の島々を巡る。

アテネに近いラブリオを出港し、まずはシロス島、ミコノス島、そして古代遺跡で知られるデロス島へ。さらにエーゲ海を南東へ進み、トルコのクシャダスに寄港。ここでは古代都市エフェソスも訪れる。

その後は再びギリシャへ戻り、サモス島、ナクソス島、バロス島を巡り、ラブリオへと帰港する。

ナクソス島、紀元前6世紀の未完成の神殿の巨大な門

この航路の大きな魅力は、エーゲ海に点在する古代遺跡を、島々を結ぶ海の道の上から訪ねられることだ。

エーゲ海の島々は、単に美しいリゾート地というだけではない。古代以来、ギリシャ本土と小アジアを結ぶ海上交通の要衝であり、人や物、そして宗教や思想が行き交う文化交流の舞台でもあった。島々に残る神殿や聖域、都市遺跡を訪ねることは、個々の遺跡を見るだけでなく、古代の人々がどのように海を渡り、島と島、地域と地域を結んでいたのかを考える旅にもなる。

なかでもデロス島は、そうしたエーゲ海の歴史を象徴する場所のひとつだ。古代にはアポロンとアルテミスの聖域として知られ、宗教的に重要な聖地であると同時に、エーゲ海交易の中心としても発展した。現在、島には神殿や劇場、住宅跡などが残され、当時の都市の姿をうかがうことができる。

デロス島 photo by Hiroshi Katada

また、トルコのクシャダスから訪れるエフェソスも、古代地中海世界を理解するうえで欠かせない遺跡だ。巨大な劇場や図書館、列柱道路など、当時の都市生活を伝える遺構が広範囲に残されている。

遺跡を訪ね、そこから再び船に戻り、次の島へと航海する。その繰り返しによって、エーゲ海を「遺跡の集まる場所」としてではなく、古代から人々が行き交い、文明を育んできたひとつの海として体感できるのである。

デッキで海風を感じながら過ごす時間もあれば、夕暮れの海を眺めながらグラスを傾ける時間もある。夜になれば、光が少ない海上だからこそ見えてくる満天の星が、旅の一場面になる。「海と島をゆっくり味わう」。それが、小型船によるエーゲ海クルーズの醍醐味なのかもしれない。

なお、海のライフスタイルマガジン『Sea Dream』誌は、現在、この〈ブルー・ゼフィール〉に乗り、取材を行っています。次号(43号)では、実際の船内の様子や客室、食事、サービス、そして今回紹介したエーゲ海の寄港地を、現地での体験を交えて詳しく紹介する予定です。お楽しみに!

(文=田久保雅己(Sea Dream編集長)、写真=ブルー・ゼフィール)

株式会社オーシャンドリーム

〒252-0239 神奈川県相模原市中央区中央3-14-7
相模原セントラルビル602
TEL:042-768-7203
営業時間:月~金 10:00~18:00

株式会社オーシャンドリーム/Blue Zephyr