2馬力ボート釣行記〈マルコ〉が航く/#8カワハギねらいでトラブル続出!?

2023.06.09

月刊『BoatCLUB』で連載中の2馬力ボート釣行記「〈マルコ〉が航く」。

2馬力ボート〈マルコ〉(アキレスLF-297IB/スズキDF2)に乗って、筆者・丸山 剛さんが、相棒のM嬢と一緒にあちこちを釣り巡る連載だ。
舵オンラインでは、その釣行記の内容を、かいつまんで再掲したい。

今回は、2023年5月号に掲載された、神奈川県の三浦沖でカワハギをねらった釣行をご紹介する。

※本記事の取材は、2023年3月に取材したものです


今回の出艇場所は、神奈川県の和田長浜海岸。長浜と書いて「なはま」と読む。無料の広い駐車場があり、昔から可搬艇の出艇場所として知られているのだが、最近はシーカヤックやSUP(スタンドアップパドルボード)が増えているようだ。

以前は、砂浜まで車で入ることができたのだが、今はシーカヤックが通れるくらいのスペースが開いているだけなので、インフレータブルボートやカートップボートの場合、砂浜に近い位置に駐車して、砂浜でボートの準備をするといいだろう。砂浜が長いので、太いバルーンタイヤを付けたドーリーが必須である。トイレはあるが水場はないので、水の用意も必須。

 

膨らませたボートを通せるスペースがないため、砂浜で膨らませるのがいいだろう。駐車場からすぐに砂浜が広がっているので、砂浜での準備もそこまで大変ではない

 

海岸線までは長い砂浜が続くので、バルーンタイヤがオススメ。さらに、フロントドーリーもあると便利だ

 

取材当日は土曜日とあって、インフレータブルボートやシーカヤックでにぎわっていた。和田長浜海岸の注意点は、できるだけ潮が満ちているときに出艇・帰着すること。そうでないと砂浜といえども波打ち際すぐがドン深になっていて苦労するのだ。出艇時はなんとかなっても、帰着時、引き潮でボートを上げるときは砂の段の部分が軟らかいためにタイヤが埋まってしまい動けなくなることがある。そのために自分で枕木を用意する人もいたくらいである。

さらに南風や西風だと、砂浜に向かって波が容赦なく打ち寄せるので、波打ち際でモタモタした挙げ句に横転し、水舟にしてしまう人も多い。それゆえに一人では出しにくい場所ではある。なるべく北や東の風、弱風の日を選ぶようにしよう。

 

今回ねらうのはカワハギ。エサとなるアサリの加工は自宅で事前に準備しておくといい

 

オールで漕いでしっかりと岸から離れてからエンジンをかけて沖へ。向かうは南に突き出た黒埼の沖だ

 

一発でエンジンもかかり快調にこの日一つ目のポイントへと向かっていたのだが、突然のエンジン停止。再スタートさせると、すぐにかかるのだが、走り出すとすぐに止まってしまうように。いろいろ確認して、おそらくキャブレターの汚れ、あるいは点火プラグの不具合だと思ったが、工具を持ってくるのを忘れていたため、ここからはオールでの移動しかない。幸い風は落ち着いてくる予報だったので、GPSプロッター魚探を見ながら岩礁帯へ向かう。

ちょうど岩礁帯まで来たところでアンカーを打ち、ロープの長さでポイント調整をすることに。早速仕掛けをセットして釣りを開始。水深は12メートルで根の上に反応もある。

 

釣り始めてしばらくすると、アタリがないのにエサが取られるようになったと思ったら、最初に姿を現したのはホシササノハベラ。その後、アカササノハベラも掛かる

 

次に釣れたのはショウサイフグ。キープできる魚がこない……

 

M嬢は安定のキタマクラ。「ノースピロー(北枕=キタマクラ)クイーン」の異名を持つだけある

 

フグ類やベラ類がいるのでカワハギもいるはずなのだが、一向にカワハギのアタリがない。そのまま潮止まりを迎えたので、ポイントをさらに浅場に変えてみることに。エンジンが不調なのと、予報と違って北風が収まる気配がないので、少しでも出艇場所に近いところまで行っておきたいというのもあったのだ。

ということで、水深7メートル付近の岩礁帯を目指して移動している途中、今度は突然、魚探の電源が落ちた。バッテリー残量を確認したつもりだったが、していなかったかもしれない。ここは、M嬢がスマホアプリ「ニューペックスマート」で行きたかったポイントまで案内してくれ、アンカーを下ろした。

水深7メートルはのぞきこめば海の底が見えるくらいなのだが、潮が動き出しいい感じだ。しかし、アタリがほとんどないなと思っていたら、いきなりM嬢に強烈なヒキがきた。掛かってすぐに食いあげたのだろう、巻いていてもテンションがなく、バレたのかと思いきや急にラインが走り出した。そして。ようやく姿が見えてきたら、かなりのサイズのカワハギである。

海面までカワハギが上がったとき、M嬢が仕掛けを持ってカワハギを抜き上げようとした。その瞬間にカワハギがハリから外れてしまう。ハリから外れたカワハギは海面付近でボーッとしていたので、M嬢が手づかみしようと海面へ手を伸ばした、その一瞬、カワハギは海底に消えていった。バラした魚は大きいというが、25センチは超えていただろう。タモでのランディングが正解だった。

その後、カワハギがヒットすることはなく、沖上がりの時間を迎えた。今回はエンジン不調、魚探のバッテリーチェックミスで釣りにならなかった。次回は万全の体制で望みたい。

 

以前、和田長浜海岸から出たときに釣れたカワハギ。こんな写真が撮れるはずだったのだが……

 

和田長浜海岸へ戻ろうと向かっていたら、テントがとても増えていた。帰着後の片付けスペースを確保するのが大変そうである。週末はこの海岸でキャンプをする人が増えたようだ

 

後日談だが、不調だったエンジンは、度々見てもらっている相模川河口のリバーポートマリーナ内にある、オーシャンワークスの山岸慎吾さんに見てもらったところ、予想通り、キャブレター内にゴミが入っていたのと、点火プラグがダメになりかけていた。キャブレターを清掃し、プラグ交換ついでにエンジンオイルも交換し、20年以上使っているエンジンの調子はよくなったのだった。

 

度々お世話になっている山岸さん。いつもありがとうございます! ちゃんとキャブレター清掃もしなければ

 

(まとめ・写真=BoatCLUB編集部/M嬢)

 

丸山 剛(まるやま・つよし)
1962年生まれ、神奈川県在住。海、山、川、湖とフィールドを選ばず全国を飛び回るプロのアウトドアカメラマン。可搬型のボートを各種乗り継ぎ、現在は2馬力ボートに落ち着いた。

 

※本記事は『ボート倶楽部』2023年5月号より抜粋。誌面では、筆者の視点により、より詳しい仕掛け、ポイント、釣り方などの解説が掲載しているので、気になる人は、バックナンバー電子版最新刊も、ぜひご覧ください。


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