2馬力ボート釣行記〈マルコ〉が航く/#7イイダコねらい、からの●▲✕ゲット!?

2023.05.03

月刊『ボート倶楽部』で連載中の2馬力ボート釣行記「〈マルコ〉が航く」。

2馬力ボート〈マルコ〉(アキレスLF-297IB/スズキDF2)に乗って、筆者・丸山 剛さんが、相棒のM嬢と一緒にあちこちを釣り巡る連載だ。舵オンラインでは、その釣行記の内容を、かいつまんで再掲したい。

今回は、2023年月1号に掲載された、千葉県の富津沖でイイダコをねらった釣行をご紹介する。

※本記事の取材は、2022年11月に取材したものです


 

今回の出艇場所は、千葉県の富津岬。砂でできた岬で、目の前には第一海堡、第二海堡が続き、浅い海が広がるが、潮通しがいいことから、冬にかけてノリの養殖が盛んに行われているエリアである。水深5~6メートルくらいのところに張り巡らされたノリの養殖棚の下には小魚が集まり、その小魚を目当てにシーバス(スズキ)なども集まってくるため、養殖棚が設置される10月くらいに合わせて、シーバスのフィッシングシーズンになる。

 

富津岬の北側に駐車場があり、その前の砂浜から出艇可能だ。波打ち際までは比較的距離が短く、固い砂浜のため楽にボートを運べる。駐車場は広いので停める場所には困らないが、場所取りは重要。駐車場横にはトイレがあり、外には水道もあるが、水を汲める程度で、そこで何かを洗うことはできない

 

出艇する砂浜の西側には砂州が広がっている。撮影時は満潮時なのでそれほど出ていないが、干潮時はもっと出現する。注意したい場所だが、砂州と岬の間は小型ボートであれば航行できる水深はある

 

今回ねらうのはイイダコだ。用意したのはダミーラッキョウ付きのイイダコテンヤ8号と、イイダコスッテ6号。まずは近年実績があった岬の南側へ。回り込んでみると大きなうねりが入ってきており、非常に底が取りにくいので北側へ戻ることに。

群生しているアマモを避け、水深5メートルのところに砂地を見つけて仕掛けを投入する。しかし、乗りがないので、6メートル、7メートルと水深を変えていく。またしてもポイント移動をしようと仕掛けを巻き上げるM嬢が「なんだか重い……」と言っている。巻き上げるとなんとイイダコがテンヤに掛かっていたのだ。

 

よくわからないうちに釣れちゃったイイダコ。回収しようと巻き始めたら重かったので、そのまま巻いていたら掛かっていたという。これが釣れたことで、このあたりにもっといるかもと釣り続けるも、その後は乗りがなし

 

釣れたポイントを中心に近場を移動して探ってみるも、やはり乗りはなし。そのうち北風が強くなってきて、風波も出てきた。富津岬の先端を見ると、朝のうちにあった波立ち感が消えている。南から入ってきていたうねりが収まったのかもしれない。そこで南側へ回り込んでみることに。

 

富津岬の南側を目指してフネを走らせる。南側へ回り込むと、朝のうねりは消えていて、釣りやすくなっている。そこで過去に実績のあったポイントあたりにアンカーを下ろして釣り始める

 

それから、岸よりの水深3メートル、沖側の水深7メートルといろいろと探ってみるも、一向に乗りはない。いったい富津のイイダコはどこに行ってしまったのだろう。一説によると、東日本大震災後、富津沖の砂が固くなってイイダコが減ったというが、真偽のほどはわからない。

その後、ノリ養殖ロープが入っている間で釣り始めてみると、魚探にベイトの反応が頻繁に映る。これはシーバスも回っているかもと、シーバスねらいでメタルバイブレーションをキャストしてみる。すると、いきなりバイトがきたが、ヒットはせず。それからM嬢と一緒にキャストしてみるがバイトがない。ただ、海面までルアーを追ってきたのが見えたとM嬢が言っている。

そうこうするうちに時間が押してきて、そろそろ沖上がりの目安タイムに近づいてきた。そこで、メタルタイプからプラタイプのバイブレーションに替えてキャストし、高速巻きとストップを繰り返すと、いきなりヒットした。

 

終盤間際、プラバイブレーションに替えて、高速巻き&ストップアクションでヒット! ドラグが引き出される

 

タモをM嬢に用意してもらって、ランディングに備える。海面に現れたのはグッドサイズのシーバスである。取り込もうとするが相手も必死だ。海面でバシャバシャとエラ洗いされ、ちょっとビビる……

 

ようやうランディングできたおはきれいな60センチのシーバスだった。おいしそうなのでクーラーボックスにキープして、これにて沖上がりとした

 

岬の北側は相変わらず風が強かったが、沖の浅場が波を吸収してくれるので、波打ち際はそれほど波が高くなく着艇しやすい。いやはや、イイダコは釣れなかったけれど、シーバスは面白かった。富津はシーバスをメインに釣りにきたほうが楽しそうだと思った。

 

北風が強いわりに波立たない砂浜なので、なんなく帰着できた。ボートを駐車場の空きスペースまで引き上げ、そこで洗浄・片付けをして解散となった

 

(まとめ・写真=BoatCLUB編集部/M嬢)

 

〈マルコ〉が航く、が連載されている『BoatCLUB』はコチラ

 

丸山 剛(まるやま・つよし)
1962年生まれ、神奈川県在住。海、山、川、湖とフィールドを選ばず全国を飛び回るプロのアウトドアカメラマン。可搬型のボートを各種乗り継ぎ、現在は2馬力ボートに落ち着いた。

 


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