2馬力ボート釣行記〈マルコ〉が航く/#6シロギスねらいでマゴチゲット!?

2023.01.07

月刊『ボート倶楽部』で連載中の2馬力ボート釣行記「〈マルコ〉が航く」。
2馬力ボート〈マルコ〉(アキレスLF-297IB/スズキDF2)に乗って、筆者・丸山 剛さんが、相棒のM嬢と一緒にあちこちを釣り巡る連載だ。
舵オンラインでは、その釣行記の内容を、かいつまんで再掲したい。

今回は、2022年月11号に掲載された、千葉県の館山湾でシロギスをねらった釣行をご紹介する。
※本記事の取材は、2022年8月に取材したものです


 

出艇場所は、千葉県の船形漁港。出艇しやすいスロープを漁港が管理しているため、出艇には事前の届出書の提出が必要だ。南部漁港事務所のウェブサイトから届出書をダウンロードすることができる。

この届出書に必要事項を記入してメールすればOKだが、利用予定日の3営業日前までに送ること。また、毎週土曜日や年末年始など、漁協が休みのときはスロープも利用できないので注意したい。

 

船形漁港のスロープ。取材当日もスロープに溜まったゴミを朝から片付けている人がいた。そうして管理されているからか、いつ行ってもキレイな状態で利用できる

 

スロープが使えるのは、原則8:30~16:00までだが、多少朝が早い分にはよいと言ってくれているので、そのあたりは行ってみてほしい。早く出艇できるぶん、早めの沖上がりをすることで、漁港管理者も安心できるそうだ。

利用料は3,000円。希望すれば漁協事務所脇の水道を使うことができるので、トレーラブルボートには非常に便利だろう。スロープと事務所が少し離れているので、2馬力ボートやカートップボートの場合は、ボートを洗うための手段を考えておいたほうがいいだろう。もちろん、タンクを持って行って水を汲むことはできる。

 

スロープを管理している館山漁港協同組合の事務所。ここに行くとスロープにアクセスするためのチェーンの鍵を貸してくれる。ボートの出艇準備ができたら鍵を借りに行き、一度スロープ入り口のチェーンを開けてスロープへボートを運び入れ、また鍵を返して出艇となる。なお、スロープ前は駐車禁止なので、クルマはスロープからすぐの駐車場へ

 

船形漁港へのアクセスは館山自動車道の富浦ICからがいいのだが、そのすぐ近くに「マリンスポット釣吉」という釣具店があるので、ここでエサなどは調達できる。コンビニに隣接しているので、一気に買い出しが済んでしまうのは楽だ。

さて、早速出艇だ。港を出て、南にボートを走らせる。以前、出艇していたら、地元のセーラーから、平久里川の沖でマゴチが釣れると聞いたので、シロギスが釣れるポイントを探ってメゴチ(ネズッポ科の総称)が釣れたら、それを生きエサにしてマゴチをねらう作戦だ。

平久里川の沖に行ってみると、なにやら網が入っていたので、まずは網より陸よりを流すことに。水深8メートルを探ってみる。7号バリの2本バリ仕掛けに小片テンビン、オモリは6号だ。
1流し目にアタリがなかったため、今度は水深4メートルに移動し、パラシュートアンカーを入れて流し始める。すると、水深5メートルのところでアタリがきた。

 

キュンキュンと小気味よいシロギス特有のヒキで、美しい魚体が現れる。20センチクラスのシロギスだ。続くかと思ったが、その後は続かず

 

続いて釣れたのはメゴチ。泳がせにちょうどいいサイズだ。相棒のM嬢もメゴチをゲットしたので、エサにしてマゴチ釣りタックルを出すことに

 

メゴチのようにあまり泳がない魚をエサにするときは鋳込みテンビンを使用するといい。浅場ならば10~15号といった軽めのものを使用。ハリスは5号を1メートルくらいで、スズキバリやヒラメバリの15号くらいの大きさを結ぶ。エサのメゴチは両頬のトゲを切り落とし、下あごから上あごにハリを刺し通す

 

ここでようやくM嬢にも小さいながらシロギスがヒット。この日は久しぶりのシロギスねらいで、仕掛けが絡んであまり釣りになっていないM嬢。仕掛け絡みを少なくさせるには、仕掛けをキャストしたら、着水直前にスプールを指で触ってサミングさせるか、空いているほうの手でスプールを触ってラインの出を止めてもいい。すると、仕掛けが海面でターンして片テンビンの先に着水するので、そのままラインを出してやれば着底しても仕掛けが片テンビンやラインに絡みにくくなる。

さて、メゴチ仕掛けも出していい感じだと思っていた矢先、風が急に南に変わったと思ったら、真っ黒な雲の塊が迫ってきた。沖では稲光が走っている。天気の急変の早いことといったら・・・。

一度避難しようとパラシュートアンカーを引き上げて港目指して走っていたら、2馬力エンジンのスピードよりも黒雲のスピードが勝り、激しい雨粒がたたきつけてきた。海面は白くなり、あまりの雨の勢いに目を開けていられない。それでも漁港の入り口の赤灯目指して走り続ける。M嬢はパラシュートアンカーを広げてかぶっている。

 

みるみる迫ってきた雨雲から逃げて走っているところ。このあと、目が開けていられないくらいのどしゃ降りに

 

出艇したときは天気がよかったので雨具も何も持ってきていなかったので、すっかりずぶ濡れ。前があまりよく見えないので、間違って同じ港内の別のスロープを目指していることに気づいたが、一次避難だからとそのまま上陸。近くの公園のあずま屋に逃げ込んだ。
雨雲レーダーを見ると、雨が止むまで40分程度。まだ9時を回ったばかりなので待つことに。雨の合間をぬって雨具とパラソルを積んで、再出艇である。

再び同じポイントに戻って、泳がせ釣りの仕掛けを下ろす。流していくと水深5メートルくらいで良型のシロギスが釣れ上がってくるので楽しんでいたら、M嬢の泳がせ仕掛けが根掛かりしたような状態になった。そこでサオをあおってみると、魚が引くようなヒキがサオ先に出た。慌ててサオを戻すとコツンコツンとサオ先を揺らすヒキが続いている。

 

今度は多少の雨なら遮ってくれるパラソルを設置して釣り再開。泳がせ釣り用のサオとシロギス釣り用のサオを出す。シロギスは良型がポツポツと釣れ上がってきていい感じ。そうこうするうちにM嬢のサオに反応が

 

本アタリになるまで待つものの、なかなか変わらない。岸が近づいてきてしまったので、ここでアワセを入れると、スッポ抜けてしまった。魚が外れた感じのスッポ抜け方ではなかったので見てみると、PEラインが高切れしていた。マゴチが掛かっていたかもしれずガッカリ。ここでまた雨雲が迫ってきたので、沖上がりすることに。課題が残る泳がせ釣りとなってしまった。次回に期待!

 

コツコツというアタリを見ながら合わせるタイミングをはかるM嬢。本アタリにはならなかったので、アワセを入れてみたが、スッポ抜けてしまった。残念!

 

(まとめ・写真=BoatCLUB編集部/M嬢)


丸山 剛(まるやま・つよし)
1962年生まれ、神奈川県在住。海、山、川、湖とフィールドを選ばず全国を飛び回るプロのアウトドアカメラマン。可搬型のボートを各種乗り継ぎ、現在は2馬力ボートに落ち着いた。

 

※本記事は『ボート倶楽部』2022年11月号より抜粋。誌面では、筆者の視点により、より詳しい仕掛け、ポイント、釣り方などの解説が掲載しているので、気になる人は、バックナンバー電子版最新刊も、ぜひご覧ください。

 


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