
アジの肉詰めホイル焼き
ホイル焼きは、素材すべての栄養素を流出させることなく摂取することができる優れた料理法だ。魚の背中側から中骨と内臓を抜くさばき方はいろいろな場面で使えるので、覚えておくとレパートリーが増える。アジなら、ウロコとゼイゴを取り、頭を残したまま背ビレ両側に後頭部から尻ビレ近くまで包丁を入れ、ハサミで中骨の両端と尻ビレ付け根を切って取り除き、内臓とエラも取る。
【材料】(1人分)
●豚ひき肉 100g ●タマネギ 1/2個 ●ナツメグ 小さじ1 ●パプリカ 1/4個 ●アスパラガス 1本 ●芽キャベツ 2個 ●中アジ 1尾 ●大葉 1枚●バター、塩こしょう 少々 ●レモンスライス 3~4枚 ●白ワイン 250ml

①まず、豚ひき肉を粘りが出るまでよくこねる。タマネギ1/4をみじん切りにし、透明になるまで炒め冷ましておく。ひき肉とタマネギ、ナツメグ小さじ1、塩こしょうを混ぜ合わせて再度よくこねておく。タマネギの残りの1/4と野菜類をそれぞれカットしておく

②アジは背中から中骨と内臓を取り去り、その中に大葉と①のひき肉を詰め込む。アルミホイルにバターを塗り、タマネギの上にアジと野菜、レモンをのせ、アルミホイルを二重にして包む。フライパンに白ワインと一緒に入れて中火で15分。塩こしょうで味付け


店主のぼやき
あぶり締めアジ
故郷の定置網の漁獲はアジとサバがメインだったため、アジはガキのころから食い飽きている。アジ料理で意外とおいしいのが煮付けだ。ワシの好みは出来たてよりも、煮冷まして味の濃い身離れのいいほうかな。写真のあぶり締めアジはオイラの得意料理。塩と酢に漬ける時間はどちらも15分で身の周囲だけ白くする。ゼイゴと腹骨を切り取る前に塩と酢に漬ければ、身の薄い部分も漬かりすぎずに均等に締まる。皮を引いてからあぶるが、酢がキンキンに冷えていないと皮を引くときに銀皮まではがれてしまうので注意。
須藤恭介(すとう・きょうすけ)
愛称、Mr.ツリック。長年、月刊『ボート倶楽部』の筆者として活躍。釣りだけでなく、優れた料理の腕前で、釣果料理のノウハウを紹介している。
※本レシピは月刊『BoatCLUB』2025年5月号「さかな食堂へようこそ」に掲載されたもののダイジェスト版です。最新号もよろしくお願いします!
(文=須藤恭介[Mr.ツリック] 写真=『BoatCLUB』編集部)