こんなところでこんな魚が!?/京浜運河でシロギス釣り

2022.07.01

シロギスの生息地として、多くの人が思い浮かべるのは、海水浴場のような砂浜だろう。シーズンともなると、日本各地の砂浜で長いサオを振ってテンビン仕掛けを遠投する釣り人の姿を多く目にする。また、砂地のポイントが近い貸しボート店では、競うようにシロギスの釣果情報があふれだす。

だから、まさか京浜運河(東京都)のような場所でシロギスが釣れるなんて考えたこともなかった。

たしかに、京浜運河は場所によっては底は砂地で、ひどく荒れるようなことはなく、潮通しもいい。シロギスが生息しそうな場所としての条件はそろっている。

実際、京浜運河の近くのマリーナではシロギス釣り大会が開催されるなど、その地のアングラーにとっては、常連のターゲットのようだ。しかも、型がいい個体が多いとも聞く。

 

シロギスを釣りに来たはずだったが、朝イチはボートチニングからスタート。京浜運河は、クロダイやキビレの好ゲレンデでもある

 

さらにいうと、水深4~5メートルといったポイントで行うため、ジグヘッド+ワームのようなリグでねらうこともできそうだ。ジグヘッドで釣れたら、それなりにヒキを楽しむこともできるかもしれない。

というわけで、6月上旬のある日、京浜運河のポイント目指してフネを走らせた。

 

釣れた。普通のシロギス釣りと同じように簡単に釣れた。最初はとりあえず、いるかどうかを確かめたかったので、ドウヅキ仕掛けにジャリメを付けて探ってみたが、本当にすぐにアタリがあり、あっさり釣れた

 

さらに、20cm強のそれなりにいいサイズのシロギスも釣れた。入れ食い、というほどではないが、ぽつぽつと釣れ続く

 

次は、ジグヘッドにワームを付けてみる。できるだけ、ジャリメに似たストレートタイプの、アジングで使うようなものがいいだろう。2g程度のウェイトのジグヘッドを使うが、ボトムを取るのが難しい。ただ、これ以上ウェイトを重くすると、シロギスの吸い込みが悪くなるため、このくらいが限界だろう。ボトムは取りづらいので、カウントで底を取る。

しばらくやってみたが、ワームだと釣れなかったので、ジグヘッドにジャリメを付けてねばってみると、ようやくアタリがあった。

オモリも重くなく、直結したジグヘッドに魚が掛かるため、ダイレクトなヒキが楽しめるのだろうと思っていたが、そうでもなかった。ドウヅキ仕掛けとほとんど同様のヒキだ。この点に関しては、拍子抜けといった感じ。

 

ポイントの雰囲気はこんな感じ。タコ釣りの乗合船がいくつかあった。もしかしたら、ゲストで釣れるかもしれない

 

続いて、テンビン仕掛けでシロギスをねらってみるが、どうにも仕掛けが絡まりやすい。運河は流れが速いため、仕掛けが安定しないのかもしれない。近くのマリーナのスタッフさんの話でも、テンビン仕掛けは絡まりやすいから、ドウヅキでやる人が多いとのこと。納得である。

というわけで、京浜運河でシロギスを釣りたい方は、ドウヅキ仕掛けでジャリメを付けてねらうといいだろう。

東京湾湾奥のシロギスのメジャースポットといえば中ノ瀬だが、小さいボートだったり、強風などで中ノ瀬に行けない場合の選択肢として、京浜運河は十分候補になりうる。

 

ちなみに釣ったシロギスは天ぷらにしたが、臭みもなく、むしろ絶品

今回はシロギスを例に実釣を行ったが、ほかにも「こんなところに、こんな魚が!?」と思えるようなサンプルはたくさんあると思う。温暖化の影響か、南方系のハタ類を東京湾で見かけることも多くなったし、年や季節によって、魚の生息する場所も大きく変わることもある。

そもそも、ポイント探しはボート釣りの醍醐味の一つだ。固定観念やほかの人の情報に惑わされず、「もしかしたら、ここにもいるかも」という気持ちで、さまざまな場所でさまざまな釣りを楽しんでみてはいかがだろうか?

ただし、今回のように超浅場で釣りをする場合は座礁に要注意。また、他船も多く往来するので、見張り(ワッチ)も怠らないようにしよう。

 

(文・写真=BoatCLUB編集部/幸野庸平)


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