貸しボート釣行記/①みうらボートでアジ釣り

2022.08.16

月刊『BoatCLUB』の奇数月号で連載している「孤高の釣り人Mr.ツリックの ふらっと貸しボートに乗りにきた」では、料理上手な釣り人Mr.ツリックが、関東を中心に全国の貸しボート店を巡り、その地、その季節に合った釣りを楽しむ様子をお届けしています。

今回は、『BoatCLUB』2021年5月号に掲載された「東京湾でアジが大量だゾ!?」を一部再編集したダイジェスト版をお届けします。

※取材は2021年3月に実施。記事内に掲載されている写真の内容などは、取材当時のものです。

 


横須賀でアジ釣り

こんにちは、Mr.ツリックです。

連載初回の釣行は2021年3月の初旬。シャバではそろそろ暖かくなってくる時季ですが、陸上よりもひと月は季節の推移が遅い海の中はまだまだ極寒。貸しボートフィッシングにとってはキビシイ季節だけれど、スタートからツマズクことはなんとしても避けたい。なので、ターゲットは真冬でも釣果が望める東京湾は横須賀沖のアジに決定。夏のような大アジはムリにしても、オデコよりははるかにマシですゾ。

東京湾が一番タイトになる部分に近い大津港から走水の間には、多くの貸しボート屋が一年を通して営業している。かつては冬のカレイ、アイナメ釣りでにぎわっていたけれど、どちらの魚も釣れなくなってしまった。

 

親切ていねいにポイントや注意点をレクチャーしてくれる、みうらボートの受け付け風景。エサとコマセは常備しているようです。出艇が7時なのでその前には開店する

 

いそいそとボートへ荷物を運ぶ。左手に抱えているのはGPSプロッター魚探であります

 

店主がウェーダー姿で乗船をアシストしてくれるので、コチラは長靴を履いていれば濡れることはない

 

海釣図Vを片手に出艇

さて、今回の貸しボート屋はみうらボート店さん。この店でボートを借りるのは20年ぶりくらいかしら。まだ、店舗が違う場所にあったとき以来だ。店は久々でも、この海域にはチョイチョイ来ているためポイントは把握している。問題は、近年は夏ばかり来ていたので、冬に設置されるノリやワカメの養殖イカダの位置がドーなっているかだ。まぁ、なんとかなるであろう。

みうらボートで借りたのは、2馬力船外機付きボート。ここのボートは2人乗りでも広さ的に余裕があってラクチン。コマセ釣りはいつもより荷物が増えるしサ。3メートルの2馬力インフレータブルに2人乗って、コマセ釣りタックルとカメラに魚探やアンカーなどを積むとなると、ほんとにギチギチですもんねぇ。

みうらボート店のおかみさんの説明では、「黒部根より沖の水深30メートルラインがイイ」とのことでしたが、ワレワレはもう少し大津よりの水深28メートルを目指し、ホンダの2馬力エンジンをトコトコとうならせる。

そのポイントはすでにヤマダテが頭に入っているので、「海釣図V」のマップがなくても問題な・・・ハズでしたが、近くに行ってみれば目的のポイント上にノリの養殖イカダが設置してあった。仕方ないので、イカダの手前で同じ水深の場所を探してアンカーを下ろした。

ちなみに、よくアンカー投入という書き方をしていたが、アンカーとアンカーロープは投入してはいけません。アンカーが着底してもロープが弛まない速度で下ろしましょう。着底後にロープを伸ばすときも弛みが出ないようにする。ロープをまとめて投入して弛みが出ると、その部分が根に絡んだりしてアンカーが回収不能になるからですネ。

 

今回使った3本バリのアジビシ仕掛け。イカの赤タンを模したグミが付いているのでエサいらず。当日は獲物が小さかったこともあり、仕掛け交換などのトラブルはなし

 

前日に購入して溶かしておいたコマセはすぐに使い果たし、朝に買ったコマセがまったく溶けずガリガリで往生している図。タマ網に入れて海に浮かせておけばよかった

 

小アジしか釣れないし、寒いし、眠いし、イマイチ盛り上がりに欠ける。それなら、小アジをエサにヒラメなどをねらえばいいものを、その気力が出ない

 

今回の釣行マップ

※「海釣図V」(マップル・オン)より転載

 

予想外の寒さに凍える

え~と、今回の釣り方はLT(ライトタックル)アジです。タックルの進化で軽いオモリが使えるようになったため、タックルもライトになったのですナ。専用のロッドはオモリ負荷15~60号の超先調子。このロッドなら50号のオモリを使った仕掛けに小アジがヒットしても、ストレスなくアタリがロッドに伝わる。

仕掛けは3本バリのアジビシ仕掛けで、アミコマセを使う。オモリはこのへんの潮が速いので、水深30メートル弱でも念のため50号を用意した。

そして、一番のミソになるコマセワークというかサソイ方は、水深、海底の状況、タナの高さ、潮の速さでさまざま。よって、いろいろなパターンを試してみる。

結論から言うと、当日は潮がゆるく、着底後にオモリを2メートル上げてコマセを振り出し、ゆっくり1メートル下げて、しばらく待つとアタリが出た。ということは、アタリダナは海底から1メートルですナ。普段ならコマセに誘われて次第にタナが上ずってくるのでコマセ振りもサソイも変化していくのですが、この日は終始この釣り方で終わった。昼前に撤収したので、釣り時間が短かったせいもあるかナ。

さてさて、こんな感じでユルユルと釣りに行きますので、今後もヨロシクお願いいたします。もし、釣り場で見かけたらやさしい目で見守ってくださいませ。

 

最初の獲物は一荷釣りでしたが、あまりうれしそうではありませんナ。夏なら30センチクラスがアタリマエだから仕方ない

 

いつものマイポイントにノリの養殖イカダが設置されていたので、海釣図Vのマップを見ながらポイントを求めて右往左往する

 

撤収風景。体だけでボートから降りれば、あとは荷物ごとボートを重機で上げてくれる。ポイントから帰るときは何も連絡しなかったのに、乗船場所まで迎えに来てくれていた

 

当日の釣果。2人で16 ~20センチの小アジ27尾。もっと、コマセを用意して制限時間イッパイまで釣れば倍は釣れていたでしょうが、これくらいでちょうどイイのだ

 

釣った魚で作った釣果料理はコチラ

 

(文=須藤恭介[Mr.ツリック] 写真=宮崎克彦/舵社)

 

須藤恭介(すとう・きょうすけ)
愛称、Mr.ツリック。長年、月刊『BoatCLUB』の筆者として活躍。現在、同誌に連載中の「孤高の釣り人Mr.ツリックの ふらっと貸しボートに乗りにきた」では、釣りだけでなく、釣果料理のノウハウを紹介している。 

 

今回お世話になった貸しボート店

みうらボート店で、2馬力の船外機付きボートを借りた。ほかには、20馬力船外機付きの4人乗り、30馬力船外機付きの8人乗りボートを借りることができる。同じ敷地内に受け付け、駐車場、ボート乗り場、トイレがあるのでありがたい。遠浅で波が穏やかな砂浜なので安心。

 

みうらボート店
[住所]神奈川県横須賀市走水1-2-7
[連絡先]046-841-5626
[料金]4,000円~
[定休日]第2 、4 火曜日


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