編集部員がチニングに挑戦!/②チヌの釣り方

2022.07.14

昨今、盛り上がりを見せているチニング(ルアーでクロダイやキビレをねらう釣り)に、月刊『BoatCLUB』編集部員のコーノが挑戦する本企画。第2回は、実釣編だ。

※本記事は、月刊『ボート倶楽部』2021年10月号掲載の「チニング:インポッシブル in 東京湾」の再編集、ダイジェスト版です。

 


※チニングワームの選び方、付け方の記事はコチラ

 

魅惑のチニング

突然だが、みなさんは「チニング」をご存じだろうか?

チニングは、チヌをルアーで釣ることを指す。チヌとは、通常はクロダイの呼称だが、チニングのターゲットには、キビレ(キチヌ)も含まれる。

 

セオリーでは、岸際に向かって投げるが、どこでも釣れる可能性はあるそうだ。浅場での釣りになるので水深には注意。ワッチも忘れずに

 

クロダイ釣りといえば、ベイエリアでボート釣りを楽しんでいる人々には見慣れた、あの防波堤に立ち、真下にイガイ(カラスガイ)やモエビなどを落として釣る、いわゆる落とし込みの釣り(ヘチ釣りとも)が有名だ。この落とし込みは主にエサ釣りだが、ルアーを使った落とし込み釣りもある。

クロダイやキビレをねらった釣りが、今盛り上がりを見せ始めているのは確かで、東京の運河でシーバス釣りをしていても、チヌをねらっている釣り人によく遭遇する。

その理由の一つに、個体数の増加が挙げられる。東京湾湾奥で陸っぱりシーバス釣りをしていてもよくヒットするというし、横浜の河川を上からちょっと見てみても、うじゃうじゃと泳ぐ姿を簡単に確認できる。

また、東京湾以外、大阪湾やその他の地域でも気軽にねらえる魚として、人気が再燃している。ちなみにチニングの聖地は大阪の淀川だ。

 

チニングのタックル

というわけで今回は、盛り上がりを見せ始めているチニングに挑戦することにした。タックルは、スピニングとベイトを一つずつ持ち込んだが、メインはベイト。

 

ベイトタックルは、10ポンドのフロロを巻いたリールとMパワーのロッド(バス用タックルを流用)。スピニングは、PE1号に16ポンドのリーダーを接続したC3000番のリールとMLの激安ボートシーバスロッドだ(こちらはシーバスタックルを流用)。このように、ほかの釣りからの流用もできるが、チニング専用タックルも登場しているので、そちらもオススメだ

 

ベイトタックルを使う利点はいくつかあるが、太めのモノフィララインを使えるのが大きい。フロロカーボンやナイロンといったモノフィラのラインは、ラインがたるんだときの感度がPEラインよりも高く、ボトムをネチネチと攻めるような釣りのときには都合がいい。もちろん、フロロやナイロンが、PEより擦れに強いのも、メリットに挙げられる。

そのほか、ベイトタックルのほうが操作性がいいとか、手返しが早いとか、いろいろ理由があるが、そもそもベイトタックルはキャスト(特に軽めのルアー)が難しい。最近のベイトリールはブレーキ性能が格段によくなっているので、キャスト時のライントラブル(バックラッシュなど)のリスクはかなり軽減されたが、それでも慣れないと、投げることすらおぼつかない。

投げるたびにバックラッシュしているとかなりのストレスなので、そういう人はスピニングリールを使うことをオススメする。1号のPEラインを巻いて、12~16ポンドくらいのリーダーを接続すれば、問題なくチニングが楽しめるだろうし、マゴチ釣りやほかの釣りに簡単に切り替えることもできる。

 

新しいポイントに移動して、10投くらいで、ガツンとヒット! キャストする方向は、ボートが流れていく方向。船首を前にして流れていたので、船首側にいた私がフレッシュなエリアを最初に攻められる状況だった

 

ねらい方

基本となる水深はどこであっても5メートル以浅。浅場のオープンエリアでもいいが、この日は主に岸壁沿いをずっと打ち続けた。

釣り方の基本は、まず岸際に向かって投げて、ボトムを取ったら、ルアーが底をはうようにズルズルと引いていくだけ。引くときに、ルアーが浮かないようギリギリのスピードで巻くのがポイントだ。

このズル引きのほかに、チョンチョンとロッドアクションを入れてルアーを跳ねるように動かしたり、巻いてからテンションフォールをさせたりといろいろな誘い方がある。要はザリガニの動きを意識して動かしてみればいいのだ。とはいえ、個人的にはズル引きだけで十分だと思う。

砂地が基本だが、岸際となるとやはり人工物や岩などがあり、ゴツゴツとした感触も伝わってくる。時折根掛かりしそうになるので、深く入り込む前にふわっとルアーを抜くようなイメージで障害物を避けていく

キャストする方向は、フレッシュな海面、つまりボートが流れていく方向だ。投げて、底を取って、ズル引いて回収。投げて、底を取って、ズル引いて回収。これを繰り返す。

 

ハマると一気に釣れ始めるチニング。この日はスタンダードにクロー系が当たっていた

 

ネットを使わない場合は、まずロッドを持っていないほうの手でラインをつかんで手前に引き寄せてから、フィッシュグリップで口を挟んで持ち上げる

 

魅惑のファイト

アタリがあったら即アワセせず、乗るまでそのまま巻き続けるのがベスト。

私自身のアタリの場合を説明すると、手元に違和感が伝わって、バスのようにラインが走り始めたようない記憶している。慌ててラインを巻いてスラック(フケ)を回収し、腰を使ってフッキングした。かなり即アワセ気味だったように思うが、無事に乗った。

ファイトは割と荒々しい感じ。小さくても、ガンガンと力強く暴れるので、釣り味も楽しめるだろう。

基本的にはキビレが釣れて、たまにクロダイが交じるという感じだ。バス釣り経験者であれば、この釣りはきっと楽しめるはず。

ただし、浅場での釣りになるので、操船には十分注意していただきたい。

 

手を突き出せば、ほらいいサイズ! 夏の強い日差しがウロコにギラギラと反射してかっこいい。みなさんもぜひ、チニングに挑戦してみてください

 

(文=BoatCLUB編集部/幸野庸平、写真=舵社/宮崎克彦)

 


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