決定!ヨーロピアン・ヨット・オブ・ザ・イヤー2022

2022.01.25

毎年1月のデュッセルドルフ・ボートショー(ドイツ)の期間中にウイナーが発表される「ヨーロピアン・ヨット・オブ・ザ・イヤー」。今年はコロナウイルス禍の影響で、同ボートショーは中止となってしまったが、1月21日に各部門のウィナーが発表された。

各部門のノミネート艇には、ヨーロッパのセーリング雑誌のジャーナリストたちが実際に試乗したうえで、投票によって選考がなされる。今年も魅力的なセーリングクルーザーが、見事にウイナーの栄誉を勝ち取った。

それでは各部門のウイナーを紹介していこう。

 

↑European Yacht of the Year 2022 公式動画↑

 


【Performance Cruiser 部門】

JPK39FC

ボードセーリングの世界から、2000年代にセールボート建造に参入した、フランスのJPKコンポジットが手掛けるクルーザー。外洋レーシングの世界で、早くから実績を残してきた。
このJPK39FCは、高いセーリング性能を持ちながら、クルージングも視野に入れたモデルで、居住空間も充実。「レーシングヨットの造船所が手掛けクルージングヨット」というのがウリ。モデル名の「FC」はFast Cruiserの略。

●全長:11.72m
●水線長:11.00m
●喫水:2.15m
●全幅:3.98m
●排水量:5t
セール面積:メイン44㎡、ジェノア38㎡、ジェネカー138㎡

(問)JPK Composites
https://www.jpk.fr/

 

※その他のノミネート艇
J/45Pogo 44Solaris 40

 


【Luxury Cruiser 部門】

Hallberg-Rassy 50

今さら説明不要の、ブルーウオーターセーラー憧れのブランド「Hallberg-Rassy(ハルベルグ・ラッシー)」(スウェーデン)。ジャーマン・フレール設計のこの50は、見た目は伝統のスタイルを踏襲しながらも、水面下には現代的な船型を採用。オプションではカーボンマストが用意されるなど、パフォーマンス寄りの性格が色濃く出ている。

●全長:16.34m
●ハル長:15.23m
●水線長:14.80m
●全幅:5.00m
●喫水:2.35m
●排水量:21t
●バラスト重量:7.4t
●セール面積:131.5㎡
●エンジン:ヤンマー4JH110CR

(問)海王
https://www.kaiwo.com/

 

※その他のノミネート艇
Jeanneau Yachts 60Lagoon 55Swan 58X5.6

 


【Family Cruiser 部門】

Hanse 460

ドイツの人気プロダクションヨットビルダー、Hanseの最新モデルが460。このモデルでは、デザイナーには新たにフランスのBerret-Racoupeauを起用した意欲作だ。広く、かつ洗練された船上空間は、極上の時間を届けてくれるはず。すでに150艇以上のオーダーが入っていることからも、その注目度の高さがうかがえる。

●全長:14.6m
●ハル長:13.87m
●水線長:13.05m
●全幅:4.79m
●喫水:2.25m
●排水量:12.6t
●セール面積:114㎡
●エンジン:57馬力

(問)ウインクレル
https://yacht-w.com/

 

※その他のノミネート艇
Beneteau oceanis 34.1Dufour 470Jeanneau Sun Odyssey 380Neel 43

 


【Bluewater Cruiser 部門】

Outremer 55

カタマランならではの居住性のみならず、パフォーマンスにも重きを置いたモデルをリリースしているOutremer(フランス)。最新モデルのOutremer 55は、VPLP、 Darnet Design、そしてPatrick Le Quémentというマルチハルの世界で傑出した成果を残す面々によって設計され、快適な空間で、高速なセーリングを楽しみ、なおかつロングクルージングも可能な堪航性を持つ。

●全長:16.73m
●全幅:8.29m
●喫水:1.34/2.29m
●排水量:18.5t
●セール面積:メイン104㎡、ジェノア68㎡、セルフタッキングジブ48㎡、ジェネカー140㎡、スピン220㎡
●エンジン:60馬力×2

(問)Outremer
https://catamaran-outremer.com/en/

 

※その他のノミネート艇
Allures 51.9Ovni 370Windelo 50

 


【Special Yacht 部門】

Saffier Se33 Life

オランダのSaffier Yachts(サフィア)は日本でもすっかりおなじみのデイセーラー専門ビルダー。クラシックなスタイルを踏襲しながらも、喫水下には現代的なデザインを採用し、抜群のセーリング性能を誇る。このヨーロピアン・ヨット・オブ・ザ・イヤーでも、今や常連となった感がある。
最新のSe33 lifeは、居住空間も充実。デイセーリングのみならず、週末の泊りがけクルージングにも対応する魅力的な一艇といえそうだ。

●全長:11m
●ハル長:9.75m
●水線長:9.25m
●全幅:2.85m
●喫水:1.70m
●重量:3,000kg
●セール面積:メイン33㎡、セルフタッキングジブ22㎡、コードゼロ62㎡、ジェネカー93㎡
●エンジン:ヤンマー2YM15/トルキード10kW電気モーター

(問)オカザキヨット
https://okazaki.yachts.co.jp/

 

※その他のノミネート艇
De Cesari 33Revolution 24Sunbeam 32.1Tricat 6.90

 

各部門のウイナーには、いずれも魅力的な艇が並んだ。そしてもちろん、ノミネート艇も同様だ。モデル名のところにリンクを張ってあるので、ぜひご覧ください。

また、これらウイナーやノミネート艇の中には、2022年に日本にやって来るモデルも少なくない。当サイト「舵オンライン」月刊『kazi』、舵社公式動画チャンネル「Kazi Movie」などでも、随時紹介していく予定。お楽しみに。

 

(文=舵社/安藤 健)

 


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