釣り人の特権! オオモンハタとウズワの絶品料理

2023.06.30

月刊『BoatCLUB』の奇数月号では、元料理人の釣り人Mr.ツリックが釣果料理を披露しています。舵オンラインでも、絶品料理のレシピをご紹介します。

※本レシピは月刊『BoatCLUB』2022年11月号に掲載。最新号もよろしくお願いします!


 

ウズワとは、相模湾や沼津あたりの方言でソウダガツオのことである。まぁ、読者の方には常識でしょうが、ソウダガツオにはヒラソウダとマルソウダがあり、ヒラソウダのほうが断然にオイシイですナ。

見分け方は、側線上にある模様。マルソウダは胸ビレの後方から尾ビレにかけて幅広い模様が続いているのに対し、ヒラソウダは胸ビレ直後から細い線になっている。この幅は、体内の血合い肉に比例していると思う。血合いが多ければ、味は落ちるし足も早い。オイラはソウダガツオの刺身が大好物。もちろん、ヒラソウダがオススメですが、血合いを取り去ればマルソウダでも問題ナシ。しかし、釣った日限定のメニューだ。

翌日になれば、独特のモチモチ食感がなくなり食味は落ちるし、ヒスタミンが発生し食中毒の恐れも出てくる。ソウダガツオは鮮度を最優先に、釣った直後にエラと内臓を取ること。もちろん不法投棄になるので、取った内臓は持ち帰りましょうネ。

 

 


ウズワのジャージャー麺

通常は豚肉で作るジャージャー麺をウズワで作ってみた。ウズワ以外に、アジやサバなどでもOK。

 

【材料】

●ウズワ 半身(100g程度) ●下味用(しょうがチューブ 2cm、塩こしょう 少々、カレー粉 少々、かたくり粉 適量)
●ごま油(焼く用) 適量 ●戻ししいたけ 小2個 ●タケノコ 40g
●きゅうり 8cm ●長ネギ 8cm ●ニンニク 1かけ
●調味ダレ(甜麺醤 大さじ2、豆板醤 小さじ1/2、鶏がらスープの素 小さじ1、しょうゆ 小さじ1、かたくり粉 小さじ1、水 100cc、ごま油 少々)
●中華麺 1袋

 

①ウズワのおろし方は、皮の硬い背ビレ、胸ビレ、腹ビレのそれぞれ後方からエラに向けて包丁を入れて頭を落とすのがコツ。三枚おろしにしたら、皮と骨をすべて取り去り、大まかに1~2センチ角の大きさに切る

 

②血合い肉は残してもいいが、取り去るなら五枚おろしが手っ取り早いかも。水気を拭き取ったあとに塩こしょうをし、ポリ袋にかたくり粉と一緒に入れて粉をまぶす。臭み取りに、ごく少量のカレー粉を加えてもイイ

 

③野菜を切っておく。長ネギは外側を白髪ネギにし、残った芯の部分はコマ切りにする。きゅうりは千切り。戻ししいたけ(なくてもいい)はコマ切り、タケノコは細切りかコマ切り。ニンニクはスライスかみじん切り

 

④フライパンに油を引き、まずニンニクを炒めてから②を加えて焼き色を付ける。次に、すべての調味料を混ぜたソースを入れてトロミがつけばOK。麺だけでなく、ご飯にのっけてもおいしいジャージャーです

 

 


オオモンハタのトマトソースがけ

キジハタやマハタより美味とされ、漁獲量が少なく一般にはなかなか流通しないオオモンハタ。まさに釣り人の特権ともいえる魚をまたもや油で揚げてしまいました。このレシピのトマトソースはあっさりさわやかタイプなので、トマトの味が前面に出る。なので、フルーツトマトなど、できるだけいいトマトを使うのがコツ。

 

【材料】
●タマネギ 1.5個(土台用、ソース用) ●トマト 3個 ●オオモンハタ 1尾
●揚げ油 適量 ●塩こしょう 適量 ●ニンニク 1かけ ●ブロッコリー 1/4房
●ソース(しょうがチューブ 適量、オリーブオイル 適量、ブラックペッパー 適量、コンソメ 小さじ1、ローリエ 2枚、砂糖 小さじ1、塩 小さじ1、日本酒 少々)

 

①タマネギの下ゆでをする。タマネギの輪切りは半分切りの厚さがあればそのままでも煮崩れないが、厚さ1 ~2センチの薄めに切る場合はヨウジを刺しておくとよい。先端が鋭い竹ヨウジがオススメ

 

②トマトの湯むきをする。トマトの下部に十文字に切れ目を付けて熱湯に入れれば皮がツルンとむける。むいた皮は細かく切ってたたくかミキサーにかけすりつぶし、トマトの身に加えればよい

 

③トマトのタネをとりながら、ざっと1~2センチ角くらいの大きさに切る。あと、ソース用のタマネギもみじん切りにしておく。ブロッコリーは通常より小さめにカットし、下ゆでは不要。ニンニクはスライスしておく

 

④オオモンハタは、ウロコ、エラ、内臓を取り、腹腔内の血もキレイに処理したら、全身に塩を擦り付けてヌメリを洗い流す。それから、身の両面に切れ目を入れ、塩こしょうを擦り込み、中温の油でじっくりと素揚げにする

 

⑤フライパンにオリーブオイルを引き、ニンニクとしょうが、タマネギを入れて香りが立ったらいったん火を止める。日本酒か白ワインを振りかけ、刻んだトマトとローリエを入れる

 

⑥ほかの調味料を入れたら再着火し、フタをして20分煮込めば完成。トマトソースはオオモンハタ全体にかけず、どちらかといえば揚げ感を残したほうが食感はいい。ブロッコリーは完成2 ~3分前に投入

 

 

【親父の小言】

終了間際にウリンボが釣れた。アジならタタキサイズですナ、といいたい大きさですが、オイラはウリンボもタタキにしたい。むしろ、タタキはアジよりもイサキで作りたい。理由は、アジの血合い肉は空気に触れると黒く変色してしまうので、仕上がりが黒っぽい色になってしまう。しかし、イサキの血合いは変色せず、ずっと鮮やかな赤色なので仕上がりがキレイな色になるのですヨ。ちなみに今回はジャージャーとともにたたいてみた。

 

須藤恭介(すとう・きょうすけ)
愛称、Mr.ツリック。長年、月刊『ボート倶楽部』の筆者として活躍。現在、同誌に連載中の「孤高の釣り人Mr.ツリックの ふらっと貸しボートに乗りにきた」では、釣りだけでなく、釣果料理のノウハウを紹介している。 

 

(文=須藤恭介[Mr.ツリック] 写真=『BoatCLUB』編集部)

 


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