東京大学が外洋学連杯を奪還!|学生外洋クルーザーヨットの王者決定戦

2024.03.05

セーリングクルーザーで活動している大学ヨット部があることをご存じだろうか。日本学生外洋帆走連盟には、現在、全部で9校が加盟しており(慶応大学、甲南大学、神戸大学、千葉大学、東京大学、東京都市大学、日本大学、防衛大学校、明治学院大学)、レースや長距離航海など、各クラブがバラエティーに富んだ活動をおこなっている。

その日本学生外洋帆走連盟が主催する「アニオールズカップ(ANIORU'S CUP:外洋学連杯)2024」が、3/2(土)~3(日)の2日間、三河みとマリーナ(愛知県豊川市)で開催された。普段はそれぞれがいろいろな艇種で活動しているが、年に一度のアニオールズカップでは、同型艇を使ってセーリングの腕を競おうという趣旨がある。

 

今回も、三河みとマリーナが所有するJ/24をチャーターしてレースを実施。コロナ禍以降、部員減に悩まされているクラブも多いこともあって、エントリーは前年覇者の神戸大学のほか、東京大学、防衛大学校、千葉大学の4校にとどまった。

 

ところでアニオールズカップは、選手はもちろんのこと、レースの運営やそこに至るまでの準備も含めて、基本的にはすべて学生だけでおこなっている。レースには3年生以下が出場し、各校の4年生を主体とする実行委員会によってレースが企画・運営されているわけだ。

外洋ヨットは、ディンギーでのレースや練習とは異なり、洋上では学生だけでさまざまな判断をしなければならないし、当然ながら責任も負わなければならない。そういった活動があるから、この大会もほぼ学生だけで運営をおこなっており、安全なレースを実施するということも、セーリングの技量と同様に求められてくる。

レース初日は、朝から20ノットをゆうに超える北西~西の風が朝から吹きつけるコンディション。ハーバー待機ののち、安全に配慮してこの日のレースの中止が決定された。

その後、午前中はアンパイアの今津浩平氏を講師に迎え、ルール講習会を実施。しっかりと学んだあとは懇親会が催され、翌日のレースを前に各校の選手が親睦を深めた。

 

なんとか2日目にレースを・・・という願いが通じたのか、翌3/3(日)の朝は10ノット程度まで風は落ちた。レース委員会では、レースプログラムの進行を前倒しにし、三河湾でのレースが始まる。

風向は280~330度。ただ、昼前には時おり17~18ノット程度の強いブローも入り、バラエティーに富んだ風域で合計5レースが実施された。

昨年の大会の覇者で、実に3大会連続優勝中の神戸大学(上写真6号艇)と、その神戸大学の前に辛酸をなめ続けている東京大学(上写真5号艇)が今年こそリベンジを果たすのか?というのが、戦前に予想された大きな見どころ。この両チームに、普段からJ/24で活動をおこなっている防衛大学校、そして千葉大学がどこまで食いついてくるか。

 

全5レースが行われ、神戸大学からアニオールズカップを奪還した東京大学(関根佑樹スキッパー)。第4レース終了時点までの両校の成績は、東京大学が2-1-1-3、神戸大学が1-2-3-1と、まったくの互角。迎えた最終レースを制し(神戸大学は3位)、念願の優勝を手にした。

東京大学ヨット部クルーザー班は、普段からJ/24〈仰秀(ぎょうしゅう)〉で活動している。しっかりと乗り込んで練習していることがうかがえる走り、クルーワークが目に付いた。

 

惜しくも2位に終わった神戸大学(山田美桜スキッパー)。今年のチームも、さすがと思わせる走りを見せてくれた。今週末に同じ三河みとマリーナで開催される「大学対抗&U25マッチレース」にも参加するとのことで、この悔しさを糧にしての活躍を期待したい。

 

序盤の2レースは3-3という順位であったが、後半3レースはすべて2位という成績を残した防衛大学校(原田理織スキッパー)。本来の走りができれば、さらに順位を上げることも可能だろう。

 

1、2年生だけでチームを構成した千葉大学(岩本志満スキッパー)。強風コンディションに手間取っていたが、レースが進むにつれて艇に対する慣れも見えてきた。来年も同じメンバーで参加できるというのは、他校に比べて大きな強みだ。

 

優勝した東京大学のメンバー

 

昨夏は三河みとマリーナの協力を得て、泊まり込みでの合同練習をおこなうなど、日本学生外洋帆走連盟独自の取り組みも少しずつ増えている。学生だけでクルーザーを運用することは、ある意味では非常に貴重。その特徴を生かした活動に、今後も注目していきたい。

 

(文・写真=舵社/安藤 健)

 

 

●ANIORU’S CUP2024公式サイト
https://aniorugakurenn.wixsite.com/website

 


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