人と海をつなぐフラッグシップストアが葉山に誕生|HELLY HANSEN OCEAN HAYAMA MARINA

2024.02.22

セーラーなら誰しもおなじみの「H/H」のロゴ。セーリングやマリンレジャーを楽しむ人たちはもちろん、多くの人たちに愛されるマリンウエアブランドが「HELLY HANSEN(ヘリーハンセン)」だ。

そのヘリーハンセンが昨年11月1日(水)に、葉山マリーナ(神奈川県)に新たにオープンしたのが「HELLY HANSEN OCEAN HAYAMA MARINA(ヘリーハンセン オーシャン ハヤママリーナ)」。湘南のマリンカルチャーの象徴の一つともいえる抜群のロケーションに、売り場面積114坪を誇る大規模な店舗が誕生。葉山の新たなアイコンとして、セーラーのみならず、多くの人たちから注目を集めている。

ヘリーハンセンは、原宿や鎌倉など、全国各地で直営店舗を展開している。このショップも、もともとは「葉山マリーナ HELLY HANSENショップ」として営業していたが、このたび大々的にリニューアル。装いも新たにオープンしたショップには、初めて「OCEAN」という名が冠されていることからもわかる通り、これまでとはまったく異なる位置付けのショップであることがうかがえる。

いうまでもなく、マリーナという休日のセーリングの拠点となる場所に、海やセーリングにゆかりのあるブランドのアンテナショップ/フラッグシップストアがあるというのは、セーラーにとっては待ち望んでいたニュースといえるだろう。

 

まずなんといっても最大のポイントは、広々とした店内には、ヘリーハンセンが展開している全てのカテゴリーの商品がそろっているということ。ファウルウェザーギアやドライスーツといった本格的なセーリングに対応したハイエンド製品はもちろんのこと、エントリーユーザー向けのアイテム、タウンウエアやキッズ向けの製品、さらにはライフジャケットやバッグといった関連グッズにいたるまで、その品ぞろえは"圧巻"というよりほかにない。

 

L字形のフロアの一辺に、セーリング系のアイテムがずらりと並ぶ。道路側から海側に向かって、「ヘビー → ライト」という流れでアイテムが陳列されているので、お目当てのアイテムを探しやすくなっている。こちらは、レッドやイエローの新色が登場した定番の「オーシャンフレイジャケット(価格:37,400円)&トラウザース(価格:33,000円)」(写真奥)や、スウェットなどニット系のアイテムが並ぶゾーン。

 

レディース向けのマリンウエアが、これだけそろっているショップも珍しいのではないだろうか。海着としての機能性はもちろんのこと、タウンウエアとしても映えるデザイン性の高さも見逃せない。

 

ウエットスーツやドライスーツといったディンギーセーラー向けのアイテムも充実している。葉山という場所柄もあり、ショップに足を運ぶ学生セーラーたちも増えてきたとのこと。パフォーマンスを発揮するためには重要なアイテムだけに、実際の製品を見て選べるというのはありがたい。

ちなみに、国内で販売されているほとんどのヘリーハンセンの商品は、日本人の体格に合わせて日本で企画・開発されたものなので、着心地や動きやすさには定評がある。

 

こちらは「HELLY HANSEN ANGLER」のコーナー。機能性とファッション性を兼ね備えたアイテムの数々は、アングラーのハートをしっかりとつかんでいる。葉山マリーナや周辺のエリアは、ボートフィッシングを楽しむユーザーも多く、売れ筋のアイテムの一つとなっている。

 

店内に気になったアイテムがあったのであれば、実際に手に取ったり試着したりすることができるのだというから、必ずお気に入りの一品が見つかるはず。マリンレジャーを愛する人たちが待ち望んでいた、唯一無二のショップだといえるだろう。

昨今は、スマホ一つでなんでも買えてしまう時代だからこそ、逆に対面販売型の店舗ならではの良さが見直されている。経験と知識が豊富なスタッフにあれこれ聞くこともできるし、ユーザーにはとても頼りになる存在でもある。またオンラインストアでは、各商品の店舗在庫の有無を事前に調べることも可能でとても便利。

スタッフの吉永 温さん(写真左)は、日本大学ヨット部出身。自身もセーラーだからこその適切なアドバイスをもらうことができるので、気軽になんでも聞いていただきたい。

 

大きな窓が特徴の店内は、とにかく明るく、そして開放感にあふれている。ご覧の通り、窓の外には圧巻のオーシャンビューが広がる。葉山マリーナ越しに相模湾、江の島、そして天気のいい日には富士山を望むことができる。

 

ここでしか手に入れることができない「HELLY HANSEN HAYAMA MARINA」限定アイテムは大人気。ウエアにハット、バッグ、ボトルなど、豊富なアイテムがそろう。Tシャツなど、海洋リサイクルポリエステルを使った製品が用意されていることもポイントだ。

今後、シーズンごとに新製品が随時展開される予定とのことで、ファンには見逃せない。

 

スタッフの吉永さんが手にしているトラウザース(LINOX Work Trousers:価格17,600円)と、その左のジャケット(LINOX Work Jacket:価格19,800円)は、ヘリーハンセン(ゴールドウイン)と近畿大学水産研究所が共同開発した、水産業就業者向けのワーキングウエア。高いデザイン性はもとより、漁労中の不快感を軽減する軽くて動きやすい機能性が特徴だ。

本来はB to B向けの製品だが、HELLY HANSEN OCEAN HAYAMA MARINAに限っては、一般のユーザーも手に入れることが可能となっている。

 

キッズ向けのアイテム(80~150cm)のラインアップも充実している。親子でおそろいのウエアを選ぶこともできるし、プレゼント用に購入される方も多いそうだ。キッズウエアをはじめとして、店内にはゴールドウインが扱うTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)などのブランドの製品も一部展開されている。

 

今年1月に行った撮影時は、ちょうど2024年春夏シーズンの新製品が展開され始めたばかりのタイミング。シーズンごとにテーマカラーが差し込まれていて、どれも目移りしてしまう。

 

こちらはアスレチック&トレーニングウエアのゾーン。ヘリーハンセンのみならず、NEUTRALWORKS.(ニュートラルワークス.)など、ゴールドウインが扱う関連ブランドの製品が、同じテーマの中で集められている。生活のさまざまな場で活躍するアイテムがトータルでそろっているのは心強い限り。

 

海を由来とするヘリーハンセンだが、その高い機能性を活かしたトレッキング向けのアイテムも用意されていることをご存じだろうか。海ばかりでなく、同じアウトドアスポーツである山登りを楽しむ人たちにも、「H/H」のロゴは愛されている。

 

ショップのコンセプトは「Ocean」、「Adventure Retreat」。国内最大のヘリーハンセンの直営店としての顔を持つ一方で、買い物客のみならず、葉山で暮らす地元の人たちにも親しまれる場所となることを目指しているのだという。

いろいろな人たちが、海辺のこの場所を通してシームレスに出会い、ライフスタイルを豊かにしていく──そんなフィールド型フラッグシップストアが、HELLY HANSEN OCEAN HAYAMA MARINAなのだ。

 

「葉山という場所柄、観光やドライブがてらに立ち寄ってくださる方も多いです。そのほとんどは、セーリングやボート釣りなど海遊びとは縁のない方でしょう。そんな方たちが、ヘリーハンセン製品を通じて海やセーリングのことを知り、興味を持ってくれたらという願いがあります。海への入り口となる存在になれたらいいですね」(ショップマネージャー/松下央樹さん)

 

「ヘリーハンセン製品がすべてそろうショップという側面がある一方で、イベントの開催にも力を入れています。例えば、ヘリーハンセンでは役目を終えたセールをアップサイクルして製品化することで海洋環境への負荷を減らす、"VINDKRAFT(ヴィンドクラフト)"という取り組みをおこなっています。こちらの店舗ではセールの回収を受け付けており、その材料を使ったバッグやクッション作りのワークショップなども、店内の一部(写真のカウンターの海側のスペース)を使って実施しました」(松下さん)

「また、マリーナ(海辺)というロケーションを活かし、正しいライフジャケットの着用方法を学ぶ体験会やセーリング体験会なども実施してきました。私たちは、ここを単にモノを売るだけの場所だとは考えてはいません。誰もが気軽に立ち寄ったり、いろいろな体験をすることができる──地元にしっかりと根付き、海というキーワードの下で、いろいろな人たちが行き交う場所になることを目指しています」(松下さん)

 

店内に入り口付近には大きなモニターが設置されていて、ヘリーハンセンが取り組んでいる「H2Oプロジェクト(HELLY HANSEN OCEAN PROJECT)」が紹介されている。これは、地球の水資源について見直し、学び、より良くしていく活動を強化するための総合的なプロジェクトで、前述のヴィンドクラフトにおけるアップサイクルや、葉山マリーナや八景島シーパラダイスの港内に海洋浮遊ゴミ収集装置「SEABIN(シービン)」を設置し、海ごみやマイクロプラスチックの回収をおこなっているのもそんな取り組みの一環だ。

店内のモニターには、H2Oプロジェクトのいろいろな活動が紹介されていて、海について考えるきっかけを与える一つとなっている。

海と共に生きる──そんなヘリーハンセンのブランドコンセプトを存分に感じられる、HELLY HANSEN OCEAN HAYAMA MARINA。ぜひ一度、実際に足を運んでいただきたい。

 

(文=舵社/安藤 健 写真=舵社/落合明人)

 


HELLY HANSEN OCEAN HAYAMA MARINA

●所在地:〒240-0112 神奈川県三浦郡葉山町堀内50-2
●営業時間:10:00~19:00(火曜定休)
●面積:総面積 121坪(売場面積114坪/ストック7坪)
https://www.goldwin.co.jp/hellyhansen/

 

 


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