快晴! 極楽! 3年ぶりの座間味ヨットレース、速報

2022.06.25

実に3年ぶり! 沖縄県の宜野湾港マリーナから慶良間諸島の座間味島を目指す、座間味ヨットレースが帰ってきた。 2018年大会は台風で中止、2019年大会は辛くも開催されるも、雷雨荒天で多数の参加艇がリタイア。続く2020年、2021年はコロナ禍で中止となった。

そして、2022年大会。開催日の6月18日はこれまた大雨予報。前日から大荒れ。座間味村の役場としても、今回も中止となってしまうかもしれない・・・と弱気になっていたそうだ。 

しかし、フタを開ければまさかの晴天、中風。南から南西の風が気持ちよく入り、大きなうねりも残らず、最強にして最高のコンディションでレースが行われた。6月の中旬は沖縄の梅雨明けに微妙に絡んで、毎回やきもきするものだが、今回は本当にラッキーな天候となった。 

コロナ禍ゆえに、表彰式のみでパーティーはなし。また、参加艇の上限は40艇と定め、それを超えた場合には抽選という方式が取れらた。事実、20艇ほどが抽選からもれてしまったという。 

ファーストホームは〈エスプリ〉(ミルズ41)。普段は神奈川県のシーボニアマリーナで活動するが、与那原マリーナにも艇を置き活動するトップレーサーチーム。今回もすばらしい走りを見せたが、スケジュールの都合で座間味島に上陸せず、フィニッシュ後そのまま沖縄本島へ戻っていった。

総合優勝は〈そんごくう7〉(ヤマハIMS 9.5)。こちらも神奈川県の油壺京急マリーナと宜野湾港マリーナの2艇態勢でレースを楽しむ愉快なチーム。実は筆者もこのチームの一員である(笑)。 

ここで歴史を超えたストーリーをひとつ。〈そんごくう7〉の大河原大次オーナーは、実は若き日に松本太一さんの〈シンドバッド〉のクルーとして沖縄東京ヨットレース(現沖縄東海ヨットレース)に参加し、見事優勝を果たしている。さらに、沖縄東京ヨットレースに優勝した松本さんは、せっかく大勢のセーラーが沖縄に集まるのに、レースが一本では面白くない。前哨戦となるレースをやろう! と声をかけ発足したのが、この座間味ヨットレースなのである。今回のクラスIIIの優勝に「HONAMI シンドバッド杯」と冠が付くのも、松本さんの愛艇〈シンドバッド〉に由来する。 

大河原オーナーは「松本さん、私は沖縄東京ヨットレースで優勝した〈シンドバッド〉に乗っていたんです。覚えてらっしゃいますか? 本当に懐かしいです。今こうして、自分のフネで座間味レースに参加して、松本さんの手からシンドバッド杯をいただく。本当に万感の思いです」とコメントし、会場を大いに沸かせた。 では、レースと表彰式の模様を見ていこう。 

 

 

photo by Sou Maeda

宜野湾港マリーナ沖のスタートシーン。いやー晴れてよかったです!

 

 

photo by Sou Maeda

写真をご提供いただいた前田 崇さんが乗った〈サシバV〉(ベネトウ・ファースト45 F5)。沖縄を代表するチームの一つだ

 

 

photo by Masahiko Ookage

こちらは本部船の艇上。すばらしい運営、ありがとうございました! 写真をご提供くださった、運営の大蔭雅彦さん、ありがとうございます!

 

 

 

photo by Masahiko Ookage

ファーストホーム、クラスI 優勝、ヤンマー杯獲得の〈エスプリ〉(ミルズ41)

 

 

photo by Masahiko Ookage

総合優勝、HONAMIシンドバッド杯獲得、クラスIII優勝の〈そんごくう7〉(ヤマハIMS 9.5)

 

 

photo by Tsuyoshi Nakamura / Kazi

歓喜に沸く〈そんごくう7〉チーム。今回は、逗子マリーナの松井安男オーナー(左から2人目)の〈デイドリーム ピーシーズ〉チームとジョイントして参加した。中央で巨大な優勝カップを持つ大河原大次オーナーの第一声は「これ、どうやって持って帰ったらいいの?」だった(笑)

 

 

photo by Tsuyoshi Nakamura / Kazi

名艇〈シンドバッド〉の松本太一オーナー(左)と、かつてのクルー大河原さん

 

 

photo by Tsuyoshi Nakamura / Kazi

クラスI 2位の〈ラッキーレディVII〉(ファー30 MOD)。稲葉健太オーナー(右)のご子息(中央)は、おそらく座間味レース参加最年少!

 

 

photo by Tsuyoshi Nakamura / Kazi 

クラスI 3位の〈イレジスティブル5〉(Xp-44)。おめでとうございます!

 

 

photo by Tsuyoshi Nakamura / Kazi 

クラスII 優勝、公望杯獲得の〈リソターダ ニナ〉(シーム31)。いつもノリがよい、永松馨介オーナー

 

 

photo by Tsuyoshi Nakamura / Kazi

クラスII 2位の〈ケセラ〉(J/109)。なんとオリンピアンの外薗潤平さんが乗っていました。詳しくは月刊『Kazi』9月号で!

 

 

photo by Tsuyoshi Nakamura / Kazi

クラスIII 3位の〈トランサイドII〉(ベネトウ・ファースト31)。スタイリッシュで目立っていたチームです♪

 

 

photo by Tsuyoshi Nakamura / Kazi

古座間味ビーチ近くの海面。まじですごい。これぞケラマブルー!

 

 

photo by Tsuyoshi Nakamura / Kazi

レース参加者たちはこぞってレース後に阿真ビーチへ。ここはウミガメの観察ビーチとして超有名。多くのセーラーがウミガメと一緒に泳ぎました


 

やっと座間味ヨットレースらしいレースとなった、第45回大会。パーティーもないし、恒例の歌や踊り、エーサーがなかったのは残念だけれど、でもやっぱり慶良間の海を走れたことは最高でした。

来年はもっと多くのセーラーが参加できたらと思う。そしてなにより、6月末くらいにしてくれないかなあ。沖縄の梅雨が確実にあけるころに(笑)!

 

(文・写真=中村剛司/Kazi編集部 写真=大蔭雅彦/本部船、前田 崇/〈サシバ〉) 

※本記事は月刊『Kazi』2022年9月号にも掲載予定。バックナンバーおよび電子版をぜひ

 

座間味ヨットレース結果

 


あわせて読みたい!

●英国中部バートンSCの豊かなヨットライフ

●パイロット版、ついに公開|Web版ヨット/モーターボート用語集

●初公開! 沖縄-東海ヨットレース取材の舞台裏

 


ヨットレース

ヨットレース の記事をもっと読む