絶景、温泉、グルメの町。ディスティネーション「甲府」

2021.12.30

山梨県の甲府観光課から「甲府の観光施設を巡り、湯治で有名な温泉を体験してみませんか?」という案内が届いた。ライフスタイルに特化したメディアを招待し、甲府市の魅力を知ってもらおうという趣旨だ。

このサイト「舵オンライン」をはじめ、弊社ではマリン関連の媒体を主に手掛けているのだが、海のない山梨県というのは、確かにあまり知らないことだらけである。

 

ツアーの概要は――東京・新宿駅からJR中央本線の特急「あずさ」に乗車。わずか90分で甲府駅に到着後、2021年の秋から運用が始まったオープントップバスで日本一の渓谷美と呼ばれる「昇仙峡」を巡り、名湯「武田信玄の湯 湯村温泉」に到着するというもの。

甲府市観光課の太田 大さんの案内で巡った甲府市の魅力についてお伝えしていこう。

 

昇仙峡を代表する岩山「覚円峰(かくえんぽう)」。その昔、僧侶の覚円が頂上で修行したことからその名が付けられた。花崗岩(かこうがん)が風化水食を受けた岩で、直立で180メートルの高さがある。多くの観光客の被写体となる主峰だ。

 

甲府市は、山梨県の南北に広がる市で人口は約18万7千人。甲府盆地の中央に位置する。甲府駅前には2021年に生誕500年を迎えた武将、武田信玄公の像が鎮座する。
オープントップバスの出発場所は、この武田信玄公像の目の前。ダイナミックな渓谷美を誇る昇仙峡のロープウェイ乗り場まで約50分ほどの道のりだ。

 

昇仙峡の最奥部にある「仙娥滝(せんがたき)」。日本の滝百選にも選ばれた大迫力の滝は、落差30メートルを誇る。地殻変動による断層によって生じたもので、花崗岩の岩肌を削りながら落下する。

 

国の特別名勝で、日本一美しい渓谷と称される「昇仙峡」。巨岩、奇岩が並ぶ渓谷は、水墨画の世界のようだ。紅葉の時期は特に賑わいをみせる。オープントップバスからの見晴らしは迫力があり、景色を堪能しながら、バス停車場がある昇仙峡ロープウェイの仙娥滝駅に到着した。

1964年に運行を開始した「昇仙峡ロープーウェイ」。仙娥滝駅からパノラマ台駅を結ぶロープの全長は1,015メートル。定員は46名(ガイド含む)となっている。

 

絶景の空中散歩を楽しみながら山頂のパノラマ台駅へ。紅葉の時期は特に人気で、多くの人で賑わっていた。奥に見えるのは荒川ダム(能泉湖)。堤高88メートルのロックフィルダムである。

仙娥滝駅からロープウェイに乗り込み、パノラマ台駅までは5分ほどで到着する。山頂からは富士山や南アルプスの景色が広がり、知る人ぞ知る絶景ポイントとなっている。

 

パノラマ台駅付近には、多くのパワースポットや絶景ポイントがある。ここは壮大な富士山をくっきりと望む「富士山遥拝所」。

 

絶景を楽しんだあとは再びバスに乗り込み、武田信玄の湯として有名な湯村温泉の格調高い「常磐ホテル」へと向かう。オープントップバスは常磐ホテルが往路の停車駅となっており、アクセスが容易だ。

 

甲府の迎賓館と称される老舗温泉旅館「常磐ホテル」。39の客室と11の離れの客室を持つ昭和クラシックを体験できるラグジュアリーな旅館。

 

常磐ホテルを代表する離れの客室「八雲」。100平方メートルを超える贅沢な造りだ。中庭を池越しに眺め、藤椅子の板の間でリラックスした時間をすごせる。

 

常磐ホテルの離れの客室「八雲」に備わる石造りの温泉露天風呂。各部屋には大小の今治タオルが備えつけられており、極上の部屋時間を楽しめる

離れの露天風呂付き客室に宿泊する人のみに提供される「篝火(かがりび)の膳」。甲州牛のほか、五島列島から空輸される本マグロも堪能できる。ちなみに、山梨県はマグロ消費量に関しては、なんと日本一である。

 

1,200年に開湯した湯村温泉。常磐の大浴場には源泉かけ流しの豊富な湯があふれる。併設する露天風呂は庭園の中にあり、四季折々の景色を堪能できる。

 

3,000坪の面積を誇る常磐ホテルの日本庭園は「松」を主役に構成される。庭のまわりには昭和天皇や今上天皇も宿泊された離れの客室が並ぶ。

 

常磐ホテルは「甲府の迎賓館」と称される、昭和クラシックなホテル。皇室の方々も訪れる老舗ホテルだ。3,000坪を誇る庭園は一般にも開放されており、米国の日本庭園の情報誌では常に上位にランキングされている。今日はここで一晩を過ごし、明日、甲府の観光名所をさらに巡ることになった。

常磐ホテル
TEL: 055-254-3111
https://tokiwa-hotel.co.jp/

 

甲府駅の北口から一直線に伸びる武田通り。この坂道の突き当りが「武田神社」だ。甲府の町を守るように鎮座する。武田信玄の父、信虎が築いた城跡に建てられた。

 

武田信玄をご祭神とする武田神社の拝殿。「勝運」のご利益があると言われ、多くの人で賑わう。地元からは「信玄さん」と親しみを込めて呼ばれ、郷土の英雄として誇りとされている

武田神社
TEL: 055-252-2609
http://www.takedajinja.or.jp/

 

甲府市の中心部に位置する「甲斐善光寺」。川中島合戦の際の1558年、武田信玄が信州善光寺の本尊や宝物類を避難させたことから始まった。金堂のご本尊の真下には「お戒壇廻り(かいだんめぐり)」を行う小部屋がある。これは真っ暗闇の小部屋を壁伝いに巡り、鍵に触れることでご本尊さまとご縁を結ぶ、という修行である

甲斐善光寺
TEL:055-233-7570
http://www.kai-zenkoji.or.jp/

 

フランスの画家ジャン・フランソワ=ミレーのコレクションで有名な「山梨県立美術館」
2022年の4月からは、独創的な動物彫刻で有名なフランスの彫刻家フランソワ・ポンポンの日本初となる巡回展が始まる。

 

山梨県立美術館に隣接する広場には、随所に彫刻や芸術品が配置されている。ほかにもバラ園、バルビゾンの庭、菖蒲園と四季折々の景観が楽しめる

山梨県立美術館
TEL: 055-228-3322
https://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/

 

甲府市を一望する「酒折(さかおり)」地区にワイナリーを設立した「シャトー酒折ワイナリー」。日本を代表するワインの産地であるこの地で、甲州、マスカット・ベリーAなど日本固有のブドウ品種を中心とした日本ワインを醸造している。ワイナリーツアーも随時行っており、無料のツアーからソムリエによるツアーまで、豊富に選ぶことが可能だ。

 

シャトー酒折ワイナリーでは、有料でワインの試飲を行うことが可能。その日によって、おすすめのワインを紹介してくれる。さらに直営の売店では、自社ワインをはじめ、山梨の名産、お土産、さらに自社ワインを使用して作ったオリジナルのワインケーキ、ワインジャムなどが販売されている。

シャトー酒折ワイナリー
TEL:055-227-0511
https://www.sakaoriwine.com/

 

東京のお隣の山梨県に位置する、観光の町・甲府。絶景と温泉、観光名所が駅からすぐ近くにあり、見どころにあふれている。新宿からJR中央本線特急あずさで、わずか90分。また、自動車でも中央高速を使用すると、都心から90分程度で到着する。市内には飲食店も豊富に揃う。
1泊2日の甲府市によるプレスツアー、東京に暮らす人のハイダウェイ(隠れ家)を発見するツアーとなった。

 

●甲府市観光協会
https://kofu-tourism.com/

 

(文=金川佳之 写真=山梨県甲府市観光課)

 


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