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ヨットレース
ヴァンデ・グローブ優勝争い/ついに今週決着の見通し!

2021.01.25

■28,000マイルの旅、大詰め

昨年11月にフランスからスタートした単独無寄港世界一周レース「ヴァンデ・グローブ」は、スタートから2カ月半が経過し、いよいよ大詰め。約28,000マイルの航程のうち27,000マイルを走破したトップ集団は、いよいよ今週フィニッシュする見通しだ。

スタート時に33艇だったフリートのうち、すでに8艇がリタイア。その中には、優勝候補筆頭だったアレックス・トムソンの〈HUGO BOSS〉や、注目されていた女性スキッパーのイザベル・ヨシュクの〈MACSF〉なども含まれる。また、〈HUGO BOSS〉と並んで有力な優勝候補艇だった〈CHARAL〉(ジェレミ・ベユー)がスタート直後のラダーとリグの重大トラブルでスタート地に引き返して大修理を行い、9日遅れで再スタートする波乱の展開もあった。やはり、世界一過酷ともいわれるヴァンデ・グローブは一筋縄ではいかない。ちなみに〈CHARAL〉は最後方から必死の追い上げをみせて、現在は14位となっている。

 

■5艇にしぼられた!? 優勝争い

1月24日現在、13位までの艇が赤道を越えて北半球に戻っており、多くの艇に優勝の可能性が残る大混戦となっている。約27,000マイルを走って、その差が100マイル、タイミングによっては数マイルというから驚きで、観戦する側からすると非常におもしろい展開となっている。

前回のレポートでも触れたように、暫定順位は出てはいるものの、それはフィニッシュ地であるレ・サーブル・ドロンヌまでの直線距離の少ない順である。高気圧を避けて大回りしたり、風や潮流の今後の展開を考えるなど各艇には思惑があり、トップ集団の暫定順位はもはや参考程度というものになってきている。

その中でも、現在位置と天気概況を照らし合わせてみると、優勝争いは以下の5艇にしぼられてきている。そして、上位艇とはいえ多くの艇はこれまでに艇の各部の補修や修理を行っており、ひとたび天候が荒れてトラブルが再発したり、セールやフォイル、キールなど重要な部分に新たなトラブルが生じれば、一気に優勝争いから脱落するシビアな状況。トップ艇のフィニッシュは1月27日と予想されている。

今大会は、過去の大会と比較して高緯度海域のサザンオーシャンが荒れなかったためリタイア艇が少ない一方、レース展開はスローペースであり、前回大会の優勝艇の所要時間記録74日はすでに超えている。

 

サザンオーシャンレグの暫定8位から追い上げること1カ月以上、1月24日時点でついに暫定トップに立ったルイ・バートンの〈BUREAU VALLEE 2〉。艇上からの動画レポートで、「気象予報の研究に多くの時間を割いて、今後のコースを検討している」と語っている。
photo by Louis Burton / Bureau Vallee 2

 

これまで10日間ほどトップを守っていたシャルリー・ダランの〈APIVIA〉はトップ陥落(暫定2位)。というより、ほとんどトップタイという状況だ。
photo by Charlie Dalin / Apivia

 

こちらもケープホーン10位通過から暫定3位まで追い上げた、ボリス・ハーマンの〈SEAEXPLORER - YACHT CLUB DE MONACO〉。写真は昨年のスタート時。
photo by  Olivier Blanchet / Alea

 

スタートからずっとトップ争いをしているトマ・ルイヤンの〈LinkedOut〉は暫定4位。トップからの差は約100マイル。ほとんど差はない。
photo by Thomas Ruyant / LinkedOut

 

バウパルピット、ヘッドセールのファーラーにトラブルを抱えながらトップを狙える位置につけるヤニック・ベスタベンの〈Maître CoQ IV〉は暫定5位。
photo Yannick Bestaven / Maitre Coq

 

■白石康次郎も残り4,300マイル

メインセールの大破やバウスプリットの亀裂など、リタイアにつながってもおかしくない大きなトラブルを乗り越えて奮闘している白石康次郎の乗る〈DMG MORI Global One〉も、1月13日に南米大陸最南端沖にあるケープホーンを通過。以後、メインセールの補修部分を気づかいながら大西洋を順調に進み、現在はブラジル・リオデジャネイロ北東沖を、赤道に向けて北上している。1月24日現在の暫定順位は19位。

 

1月24日、久しぶりのスコールに遭遇して、全身を洗い気分爽快。
photos by Kojiro Shiraishi / DMG Mori Global One

 

赤道まであと少し、アジア人初のヴァンデ・グローブ完走まで、残り4,300マイル。順調にいった場合のフィニッシュ日を予想するのはなかなか難しいが、最速で2月15日前後のフィニッシュを見越して、〈DMG MORI Global One〉のチームスタッフは受け入れの準備に入った模様だ。

 

(文=Kazi編集部/中島 淳)

 

●Vendée Globe公式サイト
https://www.vendeeglobe.org/en
●レースのトラッキングサイト(現在位置)
https://www.vendeeglobe.org/en/tracking-map


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