ヴァンデ・グローブ2020-2021/選手紹介⑨

2021.01.13

ヴァンデ・グローブ2020-2021は、スタートから65日が経過した。そして、2020年12月25〜26日に一時再びトップに立ったシャルリー・ダラン〈APIVIA〉が、17日ぶりに返り咲いた。

しかし、9位のジャン・ルカム〈Yes We Cam!〉まで127マイル(約235km)しか離れておらず、大混戦であることは変わらない。残りは全航程の約20%にあたる4,600マイル弱で、ますます熱い展開だ。

 


UTC(協定世界時)1月12日21時時点のトラッキングマップ。蛍光イエロー(中央大)が〈APIVIA〉、赤(左端)が〈MAÎTRE COQ IV〉、白(右下)が〈Yes We Cam!〉。先頭艇団はブラジル沖を走っている
©Vendée Globe

 

長らく首位を維持したヤニック・ベスタベン〈MAÎTRE COQ IV〉は、2020年11月30日に発生した〈PRB〉ケビン・エスコフィエの遭難事故の際、救助のためにコースを変更し、事故現場の海域へと向かった。その救助活動に要した時間が考慮され、フィニッシュ時に10時間15分引かれる予定だ。他の選手が優勝するには、それ以上の差をつけてフィニッシュする必要がある。

その他、救助活動にはルカム、〈SEAEXPLORER - YACHT CLUB DE MONACO〉のボリス・ハーマン、〈ARKEA PAPREC〉のセバスティアン・シモン(その後リタイア)があたった。フィニッシュ時に、ルカムは16時間15分、ハーマンは6時間、総タイムから引かれることになる。

 

さて、選手紹介第9弾は、14位のアルノ・ボワシエール、16位のジェレミ・ベユー、18位のステファン・ルディレゾンをお送りする。

 



photos by Jean Marie Liot / Alea & Jean-Louis Carli / Alea

〈LA MIE C LINE - ARTISANS ARTIPÔLE〉
Arnaud BOISSIÈRES/アルノ・ボワシエール

4大会連続で出場中のアルノ・ボワシエール。愛称はカリ(カリメロから)。他の選手たちと同じようにミニトランザット、ルートデュラム、トランザットジャックヴァーブルなどの主要レースに参加し、経験を積んできた。今大会を含め、ヴァンデ・グローブに3回以上出場している選手は6人いるが、過去の大会すべてで完走している唯一の選手である。

 


艇に降り積もった雪と写真に収まるボワシエール
photo by Arnaud Boissières / La Mie C Line - Artisans Artipôle

 

アルノ・ボワシエール
●年齢/生年月日:48歳/1972年7月20日
性別:男性
●出身地:フランス・タランス
●出場回数:4回目(08-09:7位、12-13:8位、16-17:10位)
●進水年月日:2007年8月3日
●セールナンバー:FRA 14
●フォイル:あり
●チームベース:フランス・レ・サーブル=ドロンヌ
公式サイト(フェイスブック):https://www.facebook.com/team.arnaudboissieres

 



photos by Jean Marie Liot / Alea & Jean-Louis Carli / Alea

〈CHARAL〉
Jeremiah BEYOU/ジェレミ・ベユー

初めてのセーリングは家族とのクルージングで、その後、OP級でレースを経験したジェレミ・ベユー。「外洋への情熱はとても早い段階で芽生えた」と話しており、10代の頃から外洋レースに参加する。数々のタイトルホルダーであり、2011年のトランザットジャックヴァーブル、2016年のトランザットニューヨーク・ヴァンデ、2017〜2018年のボルボ・オーシャンレース(現 ジ・オーシャンレース)、2019年のロレックスファストネットレースなどで優勝している。今大会の予選に相当するヴァンデ・アークティック・レ・サーブル=ドロンヌでも優勝し、満を持して今大会に出場。しかしスタートから3日後にトラブルによりスタート地点まで戻り、修理してから再スタートするという波乱の幕開けとなった。

 


2020年12月31日の写真。意味は「2021年、
強く生きよう」
photo by Jeremiah Beyou / Charal

 

ジェレミ・ベユー
●年齢/生年月日:44歳/1976年6月26日
性別:男性
●出身地:フランス・ランディヴィジオ
●出場回数:4回目(08-09:リタイア、12-13:リタイア、16-17:3位)
●進水年月日:2018年8月18日
●セールナンバー:FRA 08
●フォイル:あり
●チームベース:フランス・ロリアン
公式サイト:https://www.charalsailingteam.fr/

 



photos by Yvan Zedda / Alea & Bernard Le Bars / Alea

〈TIME FOR OCEANS〉
Stéphane LE DIRAISON/ステファン・ルディレゾン

ミニ6.5、クラス40で経験を積み、2016年からIMOCA60に挑戦し、今大会が2度目の出場となるステファン・ルディレゾン。幼少期より海に親しんだ。17歳の時、隣のポンツーンにヴァンデ・グローブ1992-1993のチャンピオン、アラン・ゴティエと2位のJean-Luc Van Den Heedeがおり、これがヴァンデ・グローブを目指すきっかけとなったという。

 


2020年11月21日、赤道を通過した際の1枚
photo by Stéphane Le Diraison / Time For Oceans

 

ステファン・ルディレゾン
●年齢/生年月日:44歳/1976年6月5日
●性別:男性
●出身地:フランス・エンヌボン
●出場回数:2回目(16-17:リタイア)
●進水年月日:2007年6月1日
●セールナンバー:FRA 92
●フォイル:あり
●チームベース:フランス・ロリアン
●公式サイト:https://timeforoceans.com/

 

(文=Kazi編集部/森口史奈)

 

●Vendée Globe公式サイト
https://www.vendeeglobe.org/en
●レースのトラッキングサイト(現在位置)
https://www.vendeeglobe.org/en/tracking-map
●「ヴァンデ・グローブ2020-2021選手紹介」掲載済みの記事はコチラ


ヨットレース

ヨットレース の記事をもっと読む