第91回全日本学生ヨット選手権(以下、全日本インカレ)最終日は18日、兵庫県西宮市の新西宮ヨットハーバー沖でレースを行う予定だったが、風が足らずノーレースとなり、前日までの成績で早稲田大学が470級、スナイプ級両クラスで2位以下に大差を付けて制覇。総合も2年ぶりに制して完全優勝を果たした。前年王者の日本大学は、470級3位、スナイプ級2位で総合2位。京都大学がスナイプ級と総合で3位に入った。470級の2位は同志社大学。

早稲田の総合優勝は過去19年間で13度目。完全優勝は5度目で、スナイプ級は7連覇となった。関口功志監督は在任13シーズンで10度目の総合優勝となる。

朝のブリーフィングで話をする桔川慶次郎主将(左)と関口功志監督

今大会の早稲田は他を寄せ付けない強さだった。桔川慶次郎主将は「非常に選手の層が厚い。とにかく部内の競争が激しくて、密度の濃い練習ができるチームだなと思います」と、層の厚さとレベルが高い部内の競争を強さの理由に挙げた。4日間を通して、軽風が多かったコンディション。各校の選手たちを悩ませた難しい風を早稲田の艇は攻略し、他校に差を付けていった。そのことをスナイプリーダーの向井真太郎選手に尋ねると、早稲田の強さの違う側面が見えてきた。

全日本インカレの前週の週末に同じ西宮で全日本インカレ個人戦が開催され、早稲田のスナイプは7艇が出場した。「西宮の風を研究することを目標に、チーム全体で学びを得ようと臨みました。難しい海面ではありましたけど、左右どちらに行ってもチャンスがあるような海面だったので、それを拾い切れたことが安定した成績につながったと思います。個戦が始まる前は分かっていなかったのですが、その7艇分の経験と知識をインカレ前に固めることができて、スナイプ級だけじゃなくて、470級とも共有して、チーム全体の学びにできたのがすごく良かったかなと思います」

「個戦の時に、ここの海面の特徴を把握したっていうことですか」と確認を求めると、向井選手はあっさり「そうですね」と答えた。ヨットレースが行われる海面は周囲の地形などによって、風の変化にある程度のパターンがあり、それを知ることが有利に戦う条件になる。早稲田の選手はその重要性を理解してチームで情報を収集し、西宮の海面の特徴を把握、それを全員で共有した。優秀な選手たちが切磋琢磨して技術を磨き、それに加えて、情報の重要性を理解してレースに生かす。2位以下を大きく引き離して独走した早稲田の強さには明確な理由があった。

【最終成績】
■470級(参加24校)
1位 早稲田大学 145.0点
2位 同志社大学 240.0点
3位 日本大学 281.0点
4位 明海大学 360.0点
5位 関西学院大学 365.9点
6位 京都大学 366.0点
■スナイプ級(参加24校)
1位 早稲田大学 78.7点
2位 日本大学 165.0点
3位 京都大学 245.0点
4位 関西学院大学 291.0点
5位 東京科学大学 292.6点
6位 慶応義塾大学 324.0点
■総合(参加15校)
1位 早稲田大学 223.7点
2位 日本大学 446.0点
3位 京都大学 611.0点
4位 関西学院大学 656.9点
5位 慶応義塾大学 699.0点
6位 九州大学 704.0点

(レポート=山﨑惠司 写真=森口史奈/Kazi編集部)