奥深き結びの世界[番外編] 珈琲の話

2023.06.22

月刊『Kazi』6月号に掲載された記事を3回に分けて再録した、イラストレーター国方成一さんが紡ぐ、奥深き「結びの世界」。

国方さんのアトリエで行った取材時、すてきな珈琲をいただいた。

番外編として、国方さんがこだわる珈琲について原稿をいただきました♪(舵オンライン編集部)

メインカット | photo by Shigehiko Yamagishi | Kazi | ロープワークの取材で訪れた国方さんのアトリエの隅には、珈琲を入れるためのコーナーが設けられていた 

 

 

「奥深き結びの世界」その1で紹介した、古着を編んだ三つ撚り(三つ打ち)ロープ

 

 

同じ方法を使って、スピネーカーで編んだロープ

 

 

国方さんのアトリエにある珈琲コーナー。高価な焙煎機はつかわず 金網で出来た豆煎り器を 使用。飲む前日くらいに 焙煎し挽いて淹れる 

 

 

ネルも国方さんの自 作。「煎りたて、挽 きたて、淹れたて」に こだわる

 

 

焙煎機は安価なものを使用。焙煎の違いを楽しもう

 

 

珈琲の話

私は若いころから珈琲を飲むのが好きだ。 

学生時代にはモダンジャズ愛好家が割と多く、当時は30cmLP盤というレコードを聴かせる隠れ家的な喫茶店が都内の主な街中に在った。どういうわけか大体そういうところの店主は珈琲の味にうるさいのが普通だ。そんな店々に出入りしていた私だから、ジャズとおいしい珈琲の癖はこの頃から体に染み付いたようだ。 

十数年前から自分でもおいしい珈琲を自宅で飲みたい。ということで今では焙煎までして飲んでいる。 

私が焙煎していることをある人が知ると、必ず「凝ってますねえ」という。面と向かって反論したことはないが、自分では一杯のおいしい珈琲を廉価に飲みたいと始めたに過ぎない。 

喫茶店そのほかの珈琲ショップにより価格はいろいろだが、おおむね1杯数百円する。  

自分で生豆を購入し焙煎して飲むとその数字は一桁に変わる。凝っているわけでも何でもない。ただ廉価に一杯を飲みたいだけなのだ。 

 店舗で使用する焙煎機はとても高価で数十万円もする。私が焙煎する道具は昔からある金網で出来た豆煎り器だ。 

それに生豆を入れガスコンロの火で手を振りながら豆を転がし数分間。 

珈琲豆というのは焙煎の具合により味が微妙に変わってくる。その違いだけでも焙煎の楽しみだ。 

もちろん、生豆の種類による違いはあるが、前述したように廉価に飲みたい私としては、手軽な安い生豆を購入し焙煎の違いを楽しんでいるだけなのだ。 

少しだけ能書きを云わせてもらえば、飲む前日くらいに焙煎し挽いて淹れる。 

「煎りたて、挽きたて、淹れたて」 

これが私のおいしいと思う珈琲の飲み方だ。 


 

その1を読む

その2を読む

その3を読む

 

(文=国方成一  写真=山岸重彦/舵社)

※関連記事は、月刊『Kazi』2023年6月号に掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ

 

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国方成一
Seiichi Kunikata

東京都出身、多摩美術大学卒業。イラストレーター、造形作家。自宅のアトリエを開放し、絵画教室やロープワーク教室などを開催。ヨットを楽しんだのは、神奈川県の伝統的な小網代湾にて

 

 

『ロープワーク入門講座』(国方成一 著。舵社刊。右)、『結び 生活に美と潤いを求めて』(中沢 弘著、国方成一 画。天然社刊。左)など、結びに関する多数の書籍を上梓

 


あわせて読みたい!

●6/5発売、月刊『Kazi』7月号|特集は「雨がやんだらヨットを出して」

●ロープを撚り、ロープを編む、奥深き結びの世界(2)

●ロープを撚り、ロープを編む、奥深き結びの世界(3)

 


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