外洋ダブルハンド世界選手権にホライズンチームが出場

2024.08.19

フランス・ロリアンで9月24日(火)~10月1日(火)に開催される「2024 外洋ダブルハンド世界選手権(the 2024 Offshore Double Handed World Championship:ODHWC)」に、JSAF外洋東海所属のホライズンチームが出場する。その壮行会が、8月4日(日)に愛知県・名古屋市で実施された。

 

ODHWCには、ホライズンチームのオーナーの邨瀬愛彦(むらせよしひこ)さんと、クルーの高原奈穂さんで挑む。ホライズンチームは50年の歴史を持ち、今年のパールレースでは5回目の総合優勝(最多記録)を遂げた。

 

本大会は、フランスのロリアングランドラージが主催、フランスヨットクラブとイギリスのロイヤルオーシャンレーシングクラブ(RORC)が共催する。もともと30ft艇による男女混合のダブルハンド外洋レースは、パリ五輪セーリング競技で外洋キールボート種目の実施を目指して誕生したもの。その前には、東京五輪でエキシビションとしてレースが行われる予定だったが、コロナ禍での延期などさまざまな要因があり、実現せず。

 

2022年には外洋ダブルス日本選手権(和歌山県・和歌山セーリングセンター~愛知県・ラグナマリーナ:200マイル)も始まった。そこで3連覇中なのが、このホライズンチームだ。

  


ホライズンチームの邨瀬愛彦オーナーと高原奈穂さん

 

今回のODHWCの参加は、16カ国22艇。12時間の予選レースは11艇ずつ2グループに分かれて走り、上位半数が48時間の決勝レースへと進む。使用艇はジャノー・サンファスト30 ODで、ワンデザインレースとなる。

 


©JEANNEAU

ジャノー・サンファスト30OD
●全長:10.4m ●全幅:2.99m ●喫水:2m

 

「外洋ダブルス日本選手権と同じような距離ですし、艇も同じ30ftなので、積み重ねたコンビネーションがありますからそれを再現していくこと。幸い、アドバンテージとしては、高原がロリアンに船を置いてるから、よく知っているんじゃないのかなっていう期待ですね」と邨瀬さん。

 

高原さんは、来年の単独大西洋横断レース「ミニトランザット」の出場と完走を目指して、ロリアンにミニ6.50を置いて活動している。外洋ダブルハンド世界選手権のコースで普段から練習することがあり、難所も理解しているという。

 

「フランスのプロフェッショナルが作ったロープとか、リグのひとつひとつにすごく感銘を受けて、『こんなに美しいものが世の中にあるんだ』と、フランスのオフショアレースの世界に行ってみたいと思い始めました」と、フランスのレース界に飛び込んだ経緯を話した高原さん。「たくさんのショートハンドのクラスで、同じ海面で経験を積んだ選手たちが出てくるので、自分たちの現在地を確認すると言いますか、冷静な気持ちかつ安全第一でレースを楽しみ、頑張っていきたいと思います」と述べた。

 

「今回はアジアから日本とインド、あとは欧米とニュージーランド、それからオーストラリアが参加します。これを五輪の種目にするためには、アジアから参加することは大変意義があるので、無理してでも行きたいなと思ってたところ、行かせていただけるということで頑張ります」と邨瀬さん。「決勝レースに残れるように2人で知恵を絞ります」と締めくくった。

 

壮行会では、外洋ダブルス日本選手権でともに戦う盟友のバディチーム、シカダイチームからも応援メッセージが送られた。

 


右がバディチームのおふたり

 

2022年初頭のサバイバルトレーニングで知り合い、国内のレースでともに活動してきた邨瀬✕高原ペア。日本から挑むホライズンチームを応援しよう!

 

【2024 外洋ダブルハンド世界選手権】

●開催場所:フランス・ロリアン沖
●日程:
9月24日(火) ボートドロー、ウェルカムパーティーなど
9月25日(水) 予選レース1スタート(オーバーナイト)
9月26日(木) フィニッシュおよび予選レース2スタート(オーバーナイト)
9月27日(金) フィニッシュおよび決勝レースのボートドロー
9月28日(土) 予備日
9月29日(日) 決勝レーススタート
9月30日(月) レース進行中
10月1日(火) 決勝レースフィニッシュおよび表彰式
●参加国数:16 ●艇数:22[アイルランド、アメリカ(2艇)、イギリス(2艇)、インド、オーストラリア、オランダ(2艇)、カナダ、ギリシャ、スウェーデン、スペイン、ドイツ、トルコ、日本、ニュージーランド(2艇)、フランス(2艇)、ベルギー(2艇)]

 

 

(文・写真=森口史奈/Kazi編集部)

 


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