
仏・ブルターニュ地方の外洋を走る、クラスミニ6.50によるダブルハンド外洋レース「デュオ・コンカルノー(Duo Concarneau)」のシリーズクラスで、高原奈穂選手が優勝した。これはクラスミニ6.50のレース史上、アジア人初の優勝の快挙なのである! チームは〈Seven x Seven〉、ポール・クザンとのコンビだ。
さらには、〈DMG MORI SAILING ACADEMY 1〉で出場した遠藤航大/ダミアン・クロアレックが4位、プロトクラスで〈DMG MORI SAILING ACADEMY 2〉の澤田皓希/國米 創が2位に入るなど日本人勢の活躍が際立つ大会となった。そんななか、アジア人初、もちろんアジア人女性初のクラスミニ6.50クラス初優勝の高原奈穂さんから、貴重なレポートが届いた(舵オンライン編集部)。

寒冷前線の通過
今シーズン最後のレース、デュオ・コンカルノー(Duo Concarneau)に出場しました。300マイルのダブルハンドレースで、シリーズ39艇、プロトタイプ8艇がスタートしました。
寒冷前線の通過と、その後のリッジの通過が予想されており、出発前から天気予報は非常にはっきりしていました。
今回のチームメイトはポール・クザン。強力なセーラーで、今回一緒にレースをするのは3回目です。事前に、できるだけ最短距離を走るためのWP(ウェイポイント)を設定し、予想されるレース展開についても細かく確認しました。3回目ということもあり、準備はスムーズに進みました。
スタートは雨。最初のオフセットマークでバウスプリットにトラブルがあり、少し焦りましたが、被害を最小限に抑えて、その後はできるだけ速いダウンウインドモードへ。
南のWPを回航した後は、ファストアップウインドモード。新しい風を取りに西へ向いつつ、次のWPがある北へ向かいます。バランスを取りながら進路を選びました。
タイトリーチングレグでゲイン
その後はリッジを越えるまでの数時間。リッジを越えてからはタイトリーチングのレグが続きました。
タイトリーチングでは、ジブとジェネカーのクロスオーバーがポイントになります。ステアリングとオートパイロットを使い分けながら、休むことなくトリムを続け、できるだけ効率よく速く走らせることを意識しました。
最後はコンカルノーに向けてダウンウインド。前後の艇とは1マイルほど差があったので、手堅く走ってフィニッシュしました。
まさかの逆転劇
フィニッシュ時点では2位でしたが、1位の艇がセーリング禁止エリアに侵入していたため、2時間のペナルティーを受けました。われわれも彼らが完全に禁止エリア内に入っているのを認識していました。
その結果、最終リザルトは1位。
今シーズン最後のレースを、自身初の優勝で終えることができました。
そして、アジア人が優勝したのは、クラスミニの歴史上初めてです!もちろん、ポールと力を合わせての結果です。ハイレベルなデュオがそろうなか、同型艇での戦いを制することが出来たことを誇らしく思います。
このレースでの勝利は私にとっては重要な経験であり、レースを通して多くを学ぶことが出来ました。
引き続き、地に足をつけて、焦らず一歩ずつ前進していきたいです。

コースはコンカルノーをスタートして、イル・ディー沖を回航し戻る約310マイル
高原奈穂さんのリザルト詳細
- セールナンバー:JPN 998
- 艇名:Seven x Seven(セブン・バイ・セブン)〈Seven x Seven〉
- 選手名: Naho TAKAHARA (F) / Paul COUSIN (H) [高原奈穂/ポール・クザン]
- 到着時刻: 2026年9月19日 15:19:39
- 実走時間:2日 53分39秒
(文・写真=高原奈穂 写真= Lizzart Production / Duo Concarneau 2026)
text & photos by Naho Takahara, photos by Lizzart Production / Duo Concarneau 2026
高原奈穂/Naho Takahara
1999 年4 月13 日、兵庫県神戸市生まれの会社員。慶應クルージングクラブでは、部員1 人の状態を立て直し、初の女性キャプテンを務めた。2022年以降、外洋ダブルス日本選手権を3連覇。SolaQuiwaの語源は空際。空際(くうさい)とは、空と地面の接地点。大海原の向こうと、自分の限界への好奇心を重ねた。〈Seven × Seven〉スキッパー。クラスミニ6.50でアジア人初の優勝の栄誉に輝く。






















