新発想の船外機ボート|パーカー・モナコ110

2023.06.29

このところ日本でもすっかりおなじみとなったボートブランドが、ポーランドのパーカー(Parker Polad)。小~中型の船外機モデルをラインアップし、特にパイロットハウスの付いたオールパーパスモデルが人気を集めている。全長7~8メートル台のモデルでも、船中泊も可能な居住空間を備えるなど、コストパフォーマンスの高さも大きなポイントだ。

そのパーカーが、2018年にリリースしたフラッグシップモデルが「パーカー・モナコ110(Parker Monaco 110)」だ。待望の日本1号艇に試乗する機会を得たので、じっくりと紹介していくことにしよう。

 

 

これまでのラインアップとは一線を画す、斬新なスタイルが特徴的。全長11.7メートルというサイズは、パーカーでは最大となるが、こちらのモデルも船外機仕様となっている。

写真を見てもわかるように、船外機の上のカバーにあたるスペースをサンベッドとして活用。ハウスの周囲や屋根の部分の大きな窓が、いかにも開放的なボートであることを感じさせる。

これまでのパーカーとは全く異なるモナコ110だが、デザイナーにはトニー・カストロ(Tony Castro)を起用。セールとパワーとを問わず、スーパーヨットやカスタムヨットも数多く手掛けているカストロだけに、そういった世界で培ってきたエッセンスを存分に盛り込み、現代的かつ高級感にあふれる一艇が誕生した。

 

 

試乗艇のパワーユニットは、マーキュリー・ベラード300(300HP/224kW)の2基掛け。オプションで、最大で350馬力の2基掛けまで対応している。

東京湾でおこなった試乗時の最高速度は約38ノット。特筆すべきは旋回性能で、ステアリングを少し切っただけでも船尾が流れるような形で敏感に反応する。低速であれば問題ないが、独特な操船感覚は少し慣れが必要かもしれない。

船外機上部にカバーが付いているせいか、操船中の静粛性も印象的だった。

 

通常のレイアウトでのアフトコクピット。船外機仕様ということもあって、床下にたくさんの収納スペースを備えているのがうれしい

 

後部座席の背もたれを倒すと、サンベッドをフルサイズで使うことができる。大人二人が横になっても全然余裕のスペースが広がる

 

船外機をチルトアップするときは、シート全体を前方に動かし、サンベッドの部分を少し上に上げればOK。ドライブの汚れを心配することなく、安心して海上係留することができる

 

ハウス後部のドアと窓を全開にしたところ。船内とシームレスでつながった開放的な空間が現れる。アフトコクピット全体を覆うイーブス(ひさし)が付いているのだが、その大半がサンルーフ(スモーク張りのガラス製)となっているのも珍しい。まぶしいのでは?とも思ったが、ちょうどいい感じの日よけになっていて、とてもいい感じだった

 

左右の通路は、右舷側のほうが若干広く(最大幅は約38センチ)、こちらが主通路となっている。操船席脇のスライドドアからのアクセスが可能なほか、アフトコクピットの右舷側にはボーディングゲートを備えている。また、この通路の床下にも大容量の収納スペースを備えていて、フェンダーや係留ロープの収納場所として便利

 

船首エリアにクッションを敷けば、こちらにも大きなサンベッドが展開される。中央のクッションを外すだけで、船首のマスターステートルームに光が採り込まれる

 

とにかく明るく、視界も抜群のデッキハウス。右舷側は前方から操船席、大きなギャレーという構成。ギャレーの反対側(左舷側)にL字形のシートとテーブルが備わっている。とても居心地のよいリビングエリアだ

 

船首側から後方を見たところ。ドアと窓を全開にすることで、スイートルームとテラスとでもいうような空間が広がる

 

テーブルを下げて、シートの背もたれのクッションを敷き詰めると、バースとして活用することが可能。天井高も十分な高さがあるが、パーカーのボートはすべて、190センチの人が快適に過ごせるような人間工学に基づいて設計されている

 

大型で、いかにも使い勝手がよさそうなギャレー設備。左からヒーター(軽油を使用)、カウンター、ギャレーという構成。下の段の中央はレンジ類の設置スペース、ハウス最後部には冷蔵庫が備わっている。船内のリビングエリアとアフトコクピットの中央にあるので、調理しながら会話に参加することもできるし、飲食物をサーブするにも便利なレイアウトだ

 

操船席周りは、スタイリッシュにまとめられている。大きなスライドドアがあるので、ドライバーが係留作業を手伝う際にも具合がいい

 

ロワーデッキの船首エリアには、マスターステートルームが設けられている。フラッグシップの名にふさわしい、高級感あふれる仕上がりとなっている。左右両側の大きな窓も特徴的だ

 

ミジップのゲストルーム。長さ約193センチ×幅約158センチのダブルサイズのベッドを備える。出入り口(写真手前)のスペースにはソファもあって、ゆっくりとくつろげる空間になっている

 

ゲストルームの入り口の反対側(右舷側)には、トイレ&シャワールームが設けられている。シャワーとトイレは、透明のアクリル製のドアできちんと仕切られている。トイレはTecma製の全自動式

 

 

楽しいボート遊びが想像できるモデルに仕上がった、パーカー・モナコ110。船外機艇のメリットを存分に生かしている点も見逃せない。小型艇からのステップアップにもいいし、もちろんエントリーモデルとしての適性も高い。今後のモナコシリーズのラインアップの拡充に期待したい。

 

(文=舵社/安藤 健 写真=松本和久 協力=横浜ベイサイドマリーナ)

 

月刊『Kazi』2023年8月号(7/5発売)に詳細記事を掲載

 


PARKER MONACO 110

●全長:11.7m
●ハル長:11.1m
●全幅:3.65m
●喫水:0.48m
●艇体重量:6,400kg
●燃料搭載量:700L(オプションで300L追加可)
●清水搭載量:200L
●エンジン:マーキュリー・ベラード300(300HP/224kW)×2 

(問い合わせ)
オカザキヨット
TEL: 045-770-0502(横浜)/0798-32-0202(西宮)
http://okazaki.yachts.co.jp/

 

舵社公式YouTubeチャンネル「Kazi Movie」の紹介動画もご覧ください!

 


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