IBI NEWS|グループベネトウとボルボ・ペンタがハイブリッドボートを開発中

2023.06.26

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今回は、2023年6月19日付けで配信されたニュースの中から、グループベネトウとボルボ・ペンタのコラボレーションによる、ハイブリッドボートの開発に関するニュースをお届けしよう。(舵オンライン編集部)

 


ボルボ・ペンタとグループ・ベネトウは、スウェーデンのイェーテボリにあるボルボ・ペンタの試験機関にメディアを招き、新たなハイブリッド・エレクトリックソリューションを搭載したコンセプトボートの発表会を開催した。

ボルボ・ペンタの新しいハイブリッドソリューションが搭載されたのは、ジャノーのNC37。従来のディーゼルエンジンであるボルボ・ペンタD4-320×2基に加え、60kWの電気モーターを2基備えている。

ドライブモードは「パワー(ディーゼルエンジン)」、「エレクトリック」に加えて、この二つのパワーユニットを組み合わせた「ハイブリッド」の三つ。独自に開発された「ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI:Human Machine Interface)」を備えており、ドライブモードをシームレスに切り替えることができる。

搭載されたバッテリーは8モジュールで、合計67kWh。このソリューションのメリットの一つは、電動モーターのみを搭載しているわけではないので、バッテリーの充電をディーゼルエンジンで行えることだ。航行中は最大20kW、係留中や停船中は最大60kWの充電が可能となっている。

 

 

「この取り組みは、私たちにとって、まさに学びの旅です。私たちはテクノロジーを十分に理解していますが、時間的な要素も含めて、マーケットに適合するものを見つけることが重要です」
と、ボルボ・ペンタのマリンビジネス担当責任者であるヨハン・インデン(Johan Inden)氏は話す。

「2014年に、私たちはハイブリッドエンジンを搭載した最初のボートを建造し、実際に走らせました。このシステムを展開していくにあたって、これから4,000人弱のディーラーをトレーニングする予定です」(インデン氏)

開発は、ボルボ・ペンタとグループベネトウとの共同作業となる。最終的な完成品がマーケットに投入されるまでには、まだ時間がかかるだろう。

 

「グループベネトウは、ボルボ・ペンタと長きにわたって協力関係を築いてきました。このパートナーシップは、単なるテクノロジーの開発にとどまるものではありません。新たな挑戦を受け入れ、顧客の体験に革命を起こそうという野心を共有するということなのです」
と、グループベネトウのパワー&モーターヨット部門の副責任者であるエリック・ストロンバーグ(Erik Stromberg)氏は述べている。

 

ボルボ・ペンタのヨハン・インデン氏(左)と、グループベネトウのエリック・ストロンバーグ氏(右)

 

「おそらく2025年から2027年にかけて、市販モデルがマーケットに投入されるでしょう。ボルボ・ペンタがマーケットにおいて非常に優れていることの一つは、圧倒的な規模でビジネスを展開していることです。よく訓練されたディーラー・ネットワークを展開しており、すぐに顧客の要望に対応できるような体制を構築しています。そのためには、少し時間がかかることを受け入れなければなりません。数百、あるいはそれ以上の数の製品が必要となるでしょうから、仕方ないことだといえるでしょう」(ストロンバーグ氏)

 

ジャノーNC37(写真は現行のモデル)

 

ハイブリッドシステムを搭載したジャノーNC37は、このシステムの長所をすべて示すために、十分な実力を発揮してくれた。ストロンバーグ氏によれば、他のタイプのボートにも、このソリューションが採用される可能性があるという。

「最大16~18ノットの速度でゆっくり進むモータートローラーは、このソリューションを搭載するには最適なタイプの一つだといえるでしょう。また、ほかにはカタマラン(双胴艇)も適しており、トローラー同様に、あっという間に普及していくのではないかと思われます。これらのタイプのボートであれば、2種類のパワーユニットとバッテリーを設置するためのスペースも十分備えています」(ストロンバーグ氏)

「実際にユーザーと話してみると、陸電ケーブルを使わず、オンデマンドで電気が供給されるということが、このハイブリッドシステムの重要な特徴だといいます。彼らは、そのためには新たなコストがかかっても問題ないと言っています」(ストロンバーグ氏)

 

(文= Lars-Åke Redéen /IBI 翻訳・補足=舵社/安藤 健)

 



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