
月刊『BoatCLUB』で連載中の「突撃! マリーナレポート」は、全国のマリーナを巡り、その特徴や素晴らしさを読者諸氏にお伝えする連載。舵オンラインでも、その一部をご紹介しよう!!
今回紹介するのは沖縄県国頭郡今帰仁村の湧川マリーナ。
※掲載情報は、『BoatCLUB』2025年11月号掲載当時(2025年10月)のものです。
沖縄県国頭郡今帰仁村
(トップ写真説明)
観光地として有名な沖縄県の古宇利島の南から続く水路を南下するとある、こぢんまりとした湧川マリーナは、沖縄本島の北部に位置し、閉鎖性の高い内海に面したマリーナだ
抜群のロケーション
湧川マリーナの創立は1974年。現在、管理運営しているマリンランドが引き継いだのは約8年前だという。
「もともとうちが全部やっていたら、もっといろいろ整備していたと思うんですけど、以前からのお客さんも入っているし、フネもほかへ移せないから、なかなか大規模な整備ができなくて。本当に自然な形でやらせてもらっています」
と話してくれたのは、マリンランドの高田三生さん。たしかに湧川マリーナは、地面は土だし、1階建ての事務所と簡単な整備場があるだけ、上下架はクルマ1台が通れるくらいの幅のスロープでと、比較的小規模なマリーナだ。だけど、なんだか、それがいいのだ。
目の前には島に囲まれた羽地内海と呼ばれる内海が広がっていて、浅瀬や小さな無人島が点在しており穏やかで緑豊か。干潟は鳥獣保護区に指定されているから鳥の声も聞こえてくる。北に延びる水路を進めば、沖縄県内でも有数の観光地、古宇利大橋と古宇利島が見えてきて、ザ・沖縄な海が広がる。ロケーションが抜群にいいマリーナなのだ。その景観を気に入ってボートを置くことを決めたオーナーもいるというのもうなずける。
古宇利島を過ぎれば外洋で、夏場は浅場で沖縄県魚でもあるグルクン(タカサゴ)がねらえ、それ以外の季節は深場で沖縄三大高級魚であるアカマチ(ハマダイ)がねらえる。この二つの釣りが、湧川マリーナのオーナーには人気なのだそう。
ほかに夏場であれば、目の前の内海の穏やかな海面を生かして、トーイングを楽しむオーナーもいるのだという。
かわいらしい外観の事務所はすっきりとしており、ちょっとおしゃべりしていくには最適のスペース
事務所に隣接した工場は、船外機のテストができる水槽が備わる(50馬力程度まで)
安心のサポート体制
湧川マリーナを見渡すと置かれているのは比較的小型のボートばかり。大きくてもヤマハのYFR-27程度だ。
「内海も水路も浅いことと、スロープで上下架することもあって、基本的に受け入れは27フィート以下くらいの船外機艇だけです。シャフト船はなかなか難しくて。大潮の干潮になると、スロープから50メートルくらいまでは完全に干上がるんですよ」
というが、干上がったときには潮干狩りを楽しめたりもするそうだから、それも楽しそうだ。
ボートを置いているオーナーのほとんどは県内在住で、人口の多い南部や中部が多い。一部、県外の方もいて、なかには関東に別の大きなボートを持ち、湧川マリーナには小型のボートを置いている、という方もいるそうだ。そうした遠方のオーナーの場合は、毎回帰るときに台風対策をしてもらっているという。この穏やかな内海に面していれば、ある程度、台風の影響を抑えられるのではないかと思うが大事に備えるに越したことはない。
さらに、マリンランドは県内に7カ所の拠点を持つ整備・販売会社なので、ベテランメカニックも多く、広い工場も所有しているため、自艇を安心して置くこともできる。ということで、遊びにロケーションにサポートに三方よしなマリーナなのである。
沖縄県内のマリーナはほとんどがいっぱいで置く場所がないと聞くが、湧川マリーナはまだあと少しだけならば置けるという。その艇置料金も安価(27フィートクラスで15,000円/月)なので、検討してみてもいいのでは。一度行ったら、そのロケーションに惹かれるはず。
マリーナを出て北に延びる水路を行くと、本部半島と屋我地島を結ぶワルミ大橋(写真手前)が架かる。写真は水路をワルミ大橋の北側から撮影。湧川マリーナは正面の小さな島の右奥(西側)にある
水路を抜ければ、古宇利大橋と古宇利島が見えてくる。その先は釣りが楽しめる外洋が広がっている
(文=茂木春菜/『BoatCLUB』編集部、写真=山岸重彦/舵社)