全日本インカレ初日/日大、早稲田、慶應が上位

2021.11.04

■愛知県の蒲郡でインカレ開幕

第86回全日本学生ヨット選手権大会(全日本インカレ)が、11月3~7日の日程で、豊田自動織機海洋ヨットハーバー(愛知県蒲郡市)で開催されている。

11月3日に計測が行われ、11月4日からは、いよいよレースが始まった。以前は、この時期の蒲郡は冬型の気圧配置による北西の強風が吹くことが多かったのだが、ここ最近は温暖化の影響か、蒲郡らしい強風の日は減っているようだ。

それでも、ヨットレースを行うには十分な北寄りの風が吹いた初日、全国の予選を勝ち抜いた各クラス24校、全144艇が三河湾を所狭しと走り回った。

 

秋らしい雲が広がった初日だったが、蒲郡らしい強風は吹かなかった。

 

■470級は日大がリード

470級では、3レース中2回のトップフィニッシュを決めた本多祐基/狩野弁慶が引っ張る日本大学が首位に立ち、それを30点差で早稲田が追う展開。3位には、同じく関東水域の中央大学がつけている。優勝候補の一角とみられた同志社大学は、第2レースで2艇がUFDとなり大きく後退。

 

第2マークに1、2位でアプローチする日本大学の小柳/久保田(手前)と本多/狩野。

 

第2上マークにトップでアプローチする日本大学の小柳/久保田。2位で続く僚艇の中山/池田をサムアップで激励。

 

470級第2レースで2艇がUFDとなってしまった同志社大学。カットレースのないインカレでは大きな痛手だ。

 

初日の3レースで2-4-8位と走った早稲田大学の倉橋/松本。首位を走る日本大学をぴったり追走。

 

■スナイプ級は早慶の争い

スナイプ級は、レース展開だけを見ているとシングルを連発する早稲田がダントツかと思われたのだが、3艇が手堅くまとめた慶應義塾大学が、早稲田をわずか1点差で抑えて首位に立った。地味でも堅実なスコアメイキングこそインカレのセオリー。ここ近年、全日本インカレで優勝争いに加わってきた慶應だが、ここにきてその戦いぶりが洗練されてきた。

3位につけたのは、今回スナイプ級のみの出場となった九州の福岡大学。3艇がシングル前半でまとめていた幻の第3レースが途中でキャンセルとなり、精神的な痛手は大きかったと思われるのだが、仕切り直しで行われた第3レースでも手堅い走りを見せた。

 

わずか1点差で早稲田を抑えて首位に立った慶應義塾大学。石川/宮内は10-8-2位と走ってチームに貢献。

 

今大会はスナイプ級だけの参加となった福岡大学だが、初日を終えて3位の好位置に付けた。写真は折田広大/矢野竜大。

 

第1、2レースで不調だった早稲田大学の服部/芝崎に替わり第3レースに出場した大久保/河合(左手前)。この起用にこたえて見事にトップフィニッシュ。

 

■総合では早稲田が抜け出す

総合では両クラス2位につけた早稲田大学が早くも独走態勢。クラス優勝を狙わない早稲田にとってはまさに注文通りの展開となっている。それを45点差で追うのが日大。日大のお家芸であるスナイプが復調すれば、久しぶりの総合優勝もあり得る展開だ。

 

スナイプ級の第3レースが終わったのは16時。夕日の中、ハーバーへと向かうレース艇。

 


初日終了時点の暫定成績

■470級総合成績
1位 日本大学
2位 早稲田大学
3位 中央大学
4位 関西学院大学
5位 慶應義塾大学
6位 同志社大学

■スナイプ級総合成績
1位 慶應義塾大学
2位 早稲田大学
3位 福岡大学
4位 同志社大学
5位 日本大学
6位 明治大学

大会公式ウェブサイト成績表

 

(文・写真=松本和久)

 

『舵オンライン』ではインカレの大会期間中の4日間、現地からレポートを配信するほか、12月3日発売予定の『Kazi』1月号では、より詳しい全日本インカレの考察記事を掲載させていただく予定です。(編集部)

 


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