カヤックフィッシング入門講座|#01

2022.02.14

大海原にカヤックで漕ぎ出して、自分で魚を見つけ、自分で釣る。安全面も、釣れるも釣れないも、すべてが自分の責任。それがカヤックフィッシングです。
「カヤックフィッシング入門講座」は、カヤックフィッシングのビギナーに向けて、有益な情報やノウハウをお届けしていきます。
初回となる今回は、「カヤック、PFD選びについて」です。

 

(文・写真=赤澤克哉)

 


カヤックフィッシングを始めようと思い立ったとき、最初に考えるのが「どんなカヤックを買おうかな?」ということでしょう。妄想を膨らませてカヤックを選ぶ・・・これはたまらなく楽しい時間ですよね。
ただフィッシングカヤックは、大きさもデザインも千差万別。どのモデルを選ぶかはアングラーのスタイル次第。どれが一番とは言えません。
ですから、まずは自分のやりたい釣りをイメージし、それに適した特性を持つカヤックをチョイスすることが重要になってきます。 

 

タイプ別カヤックの特徴

■ファルトボート


保管場所を取らないというだけではなく、電車や飛行機で運べたり、離島の宿泊先に宅急便などで送ったりなど、“カヤックフィッシング旅”も楽しめるファルトボート。組み立てる手間はあり、準備と撤収には少し時間はかかります(写真はフジタカヌー・アルピナ2 430EX)。 

 

■レクリエーショナルカヤック


淡水のバス釣りの愛用者が多いタイプ。魚探なし、ロッド1本でシンプルに楽しむスタイルにマッチします。海での使用はオススメしません(写真はエモーションカヤック・グライド)。 

 

■シットオントップカヤック(手漕ぎ)


シットオントップカヤックは、文字通り「艇の上に座る」タイプのカヤック。中空ボディのリジットタイプで、デッキ内に水が溜まらないようにスカッパーホールという水抜き穴が多数設置されていいます。
広く平面が多いオープンデッキには、ロッドホルダーや魚探をスッキリと艤装でき、後部ラゲッジにはクーラーも設置可能。まさにフィッシングカヤックの王道と言えるタイプです。
また、沈しても船体自体は沈まないので、セルフレスキューも比較的容易。初心者でも扱いやすいすが、その分、事故も急増しています。パドリングや再乗艇の練習はやはり必須です(写真はバイキングカヤック・忍)。

 

■ シットオントップカヤック(足漕ぎ)


誰でも巡航速度を維持しやすく、水中動力なので向かい風にも比較的強いのが特徴。また、ロッドを持って釣りをしながら足で操船ができるのが最大のメリットと言えるでしょう。
ただし、座位置が高く、細かい方向転換は苦手なので、大荒れのときや追い波を受けた際は意外に脆いということも頭に入れておきましょう(写真はオールドタウン・プレデターPDL)

 

■ライフジャケットは必須アイテム

次はライフジャケットについてです。
カヤックはどんなに安定性を謳っているモデルでも常に落水する可能性がある乗り物です。PFD(Personal Flotation Device/ライフジャケット)の装着は絶対、絶対、絶対、必須です。
では、どんなPFDを選べばよいのか? やはりカヤック用として販売されているモデルを推奨します。それは「パドリングがしやすく」「万が一の落水時にも泳ぎやすく」「再乗艇しやすい」からです。
上の写真は、カヤックフィッシング用のPFD。背面下部の浮力体がカットされハイバックシートとの干渉が少なく漕ぎやすくなっています。フロントのポケットは、近年、大型化する携帯電話に対応するため、マチは狭いものの面積が大きくなっています(写真はパーム Kola Angler)。

 

カヤックとPFDが揃ったら、あとはパドルがあればとりあえずは漕ぎ出せます。次回は、パドル選びとその他のアクセサリー類についてご紹介しますね。

 

※本記事は『カヌーワールド』VOL.23の連載「カヤックフィッシング虎の穴」から抜粋したものです。併せてバックナンバーもぜひご覧ください。

 

(著者プロフィール)
赤澤克哉(ホエール)
千葉県市川市のカヤックフィッシングショップ「kayak55.com」スタッフ。カヤックから釣れる魚種ならなんでもねらう。子育て奮闘中のアラフィフカヤックアングラー。JSCA(日本セーフティカヌーイング協会)シットオンアドバンストインストラクター。Bluestormフィールドテスター、Palmフィールドテスター。

■ kayak55.com
千葉県市川市北方町4-2094
TEL:047-711-7640
http://www.kayak55.com/ 

 


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