絶品釣果料理⑤/マコガレイのタタキとかば焼き

2023.01.20

月刊『BoatCLUB』の奇数月号では、元料理人の釣り人Mr.ツリックが釣果料理を披露しています。舵オンラインでも、絶品料理のレシピをご紹介します。

※本レシピは月刊『BoatCLUB』2022年3月号に掲載。最新号もよろしくお願いします!


マコガレイのタタキ
(味玉とワンレンゲで)

半熟の味玉にタタキをトッピングしたワンスプーン料理。味玉は、カレイを煮て残った煮汁にひと晩漬けて作る。したがって本来ならば、煮付けを作った翌日のメニューだ。今回は前夜に別の魚の煮汁で作った、いわゆる差し替え。

【材料】
●刺身用に切ったカレイ 半身
●卵 2個
●ネギ 少々
●大葉 1枚
●しょうが 適量
●みょうが 適量
●マヨネーズ 適量
●みそ 少々
●わさび、ゆずポン酢 お好みで
●カレイの煮汁

 

①オイラの半熟卵は、室温に戻さず冷蔵庫から熱湯へ直接入れて7分半。卵の丸いほうにピンホールを開けておけば、ゆで上がってすぐに殻をむくことができる。あと、ゆで始めから3分間は転がしていると黄身が真ん中になる

 

②トッピングのタタキを作る。カレイを五枚におろして、皮を引いたら、包丁で粗くたたいて、ネギ、大葉、しょうが、みょうが、お好みでゆずなどのみじん切りを加える。マヨネーズ、みそ、わさび、ゆずポン酢などで味付けをする

 

③①の半熟ゆで卵は、マコガレイを煮たあとの煮汁にひと晩漬けて味玉にする。味玉というと、ラーメンにのっているチャーシュー風味のモノを思い浮かべるが、ほんのりまろやかな煮魚テイストもオツなモノですゾ

 

④黄身がとろりと流れる半熟ゆで卵は包丁では切りにくい。ラーメン屋でも釣りイトで切っている。フロロの2号がいいかな。両端に輪を作り、一方をどこかに引っ掛けた状態でラインを張り、手に持った卵をスライドさせる

 


マコガレイのかば焼き

当初の予定では、薄味のだし汁でさっと煮含める煮浸しを作る予定であったが、手に取ったのはなぜか白だしではなくしょうゆとざらめ。当然、味が濃くなり煮浸しとはほど遠いものになってしまった。ならばしようがない。カレイの揚げ煮に着地点の変更だ。よくある話ですナ。しかし、煮詰まって出来上がったのはおいしいカレイのかば焼きでした。

【材料】
●乾燥春雨 お好みで
●カレイの背身 半身
●かたくり粉 適量
●揚げ油
●しょうゆ 50ml
●酒 50ml
●みりん 50ml
●ざらめ 大さじ2

 

①まずは、盛り付け用に乾燥春雨をそのまま揚げる。特に揚げ春雨がなくてはダメということはない。白髪ネギ、針しょうがや大葉などのあしらいだけでもヨイ。ただ、煮汁を吸った揚げ春雨はおいしいのです

 

②カレイはウロコを取り、頭を落としてから五枚おろしにする。皮はそのまま残すため、皮が白い裏側の背身を使うと仕上がりの見た目がヨロシイ。五枚おろしは側線の部分から切り開けば、腹骨もエンガワもキレイに取れる

 

③おろした切り身は、皮の部分を塩でこすり洗いをしてから、よく洗い流しておく。その後、揚げたときに丸まらないよう皮の表面に軽く隠し包丁を入れる。やはり、切り身はある程度の大きさがあったほうがウマイですナ

 

④いつものように塩水に数分間漬けて、臭みを取りつつ身を締める。そして、水気をていねいに拭き取ってからかたくり粉を薄くまぶして揚げるワケですが、揚げ色をこんがりキツネ色にしたければ、小麦粉に替えると色が付く

 

⑤多めの揚げ油をフライパンに入れ、菜箸を入れるとブクブクと小さな泡が出てくるくらいの温度にまで温める。一度にたくさん入れると、油の温度が下がるので、少量ずつ揚げるようにする

 

⑥じっくり揚げて水分を抜いたら、フライパンにしょうゆ、酒、みりん各50ミリリットルに、ざらめ大さじ2を混ぜたタレを入れ、アルミホイルで落としぶたをするか、レードルで煮汁をかけまわして、タレが煮詰まれば完成です

 

【親父の小言】

カレイの姿揚げは、中骨を切り取って身と別にじっくり二度揚げするなどして、骨の揚げ時間を長くすれば、骨も肉のある姿のほうも一緒においしく食べられる。開き方は、ウロコを取ってから、頭を付けたまま五枚おろしの要領で、裏表両面の側線から切り開いてエンガワに沿って止めるように包丁を入れる。今度は中骨をハサミで頭と切り離し、背ビレと腹ビレにつながる軟骨をそれぞれ切り進み、最後に尾ビレと切り離せばOKです。

 

神奈川県横須賀でカレイをねらった釣行記事はコチラ

 

須藤恭介(すとう・きょうすけ)

愛称、Mr.ツリック。長年、月刊『ボート倶楽部』の筆者として活躍。現在、同誌に連載中の「孤高の釣り人Mr.ツリックの ふらっと貸しボートに乗りにきた」では、釣りだけでなく、釣果料理も披露している。 

 

(文=須藤恭介[Mr.ツリック] 写真=『BoatCLUB』編集部)


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