威風堂々!プレミアムボートが日本初上陸|アクソパー45XCクロスキャビン

2024.03.25

2014年にアクソパー28が鮮烈なデビューを飾って以来、 世界のマーケットのトレンドセッターとして走り続けるアクソパー(Axopar Boats)(フィンランド)。 近未来的なスタイルは、今や一つのカテゴリーとして確立された感もある。

そんな中で2022年春、満を持して発表されたのが「アクソパー45」だ。 シリーズでは最大のサイズを誇るフラッグシップを紹介していこう。

 

細長い船体に直立気味のステム、角ばったキャビンハウスの左右に通路を備えたウオークアラウンドスタイル、船底に二つの段差を設けたステップトハル、大型の船外機・・・一目でそれとわかる、アクソパーのモデルの外観的な特徴だ。"近未来的"という言葉がぴったりのこのスタイルは、世界のボート業界の大きなトレンドとなり、一つのカテゴリーを生み出したといっても過言ではない。2014年の創業からわずか10年で、アクソパーは世界中のマーケットで広く受け入れられていることは、今さら語るまでもないだろう。

2024年3月現在のラインアップは、22、25、28、37、45の5レンジに加え、先ごろニューモデルの29が発表されたばかり。いずれも船外機仕様で、それぞれのサイズレンジにおいて、上部構造物などが異なるいくつかのバージョンが用意されている。

今回紹介するのは、現在のラインアップでは最大モデルとなるアクソパー45だ。全長13.90m(約45ft)というサイズは、これまでのモデルと比べるとかなり大きい。それでもアクソパーらしさをまったく失うことなくまとめ、例えば船外機仕様であることも一つ。サイズが大きくなったことで、新しい層のユーザーに対する訴求力のある意欲作となっている。 

 

45は、サントップ、クロストップという屋根付きのオープンタイプに加え、キャビンハウスを備えたXCクロスキャビンという、同じハルを使った三つのバリエーションが用意されている。今回紹介するのは、このうちのXCクロスキャビンだ。

「XC」というのは、クロスカントリーというような意味合いを持っているとのことで、クルマでいうところのSUVのようなイメージだろうか。自然の中でアクティブに遊ぶという、アクソパーボートのコンセプトを体現するモデルといえそうだ。

 

取材艇はアフトコクピットに何もない「オープンアフト」という仕様。ほかにハウスの後部にソファを備えた「アフトソファ」、これに加えて両サイドにもベンチシートを用意した「Uソファ」、アフトコクピット中央に大きなサンベッドを備え、床下にはキャビンを設けた「アフトキャビン」という仕様が用意されている。

取材艇のアフトコクピットは、幅約285cm、奥行きが約205cmという広さがあり、釣りをする際にはとても使い勝手がよさそうだ。

 

フォアデッキはくつろぎのエリア。ハウスの前方にサンベイシングスペースが設けられていて、船首部分のベンチと向き合う形で座ることも可能。十分な広さがあるエリアなので、釣りをするにも使い勝手がよいはずだ。

 

また取材艇は、ハウスの屋根の部分にルーフキャリア(オプション)が設けられていたが、これはSUPや自転車などを積むためのもので、本国の公式サイトにはさまざまな写真が掲載されている。

アクソパーの経営者やスタッフたちの多くがアウトドアアクティビティーを日常的に楽しんでいるようで、「ボート+α」の遊びを意図したコンセプトも、この「XC」という名前に込められているのだろう。 

 

ハウス内のレイアウトは、前方に独立したシートが3基(右側がドライバーズシート)、中央に電気式のコンロとシンクを備えたウエットバー、一番後方にコの字形のラウンジソファが設けられている。とにかくウインドー面積が大きいために、ほぼ360度の視界が確保されている。

天井も、ほぼ全面が開閉するようになっているので、自然の風を取り込むこともできるし、何より圧倒的な開放感を感じることができるはずだ。

 

そして、このエリアをさらに楽しむための工夫がもう一つ。フネの前後の中央付近の舷側が、外側に開くようになっているのだ。これを開くとベンチシートが現れる。

アクソパーが「バルコニードア」と呼ぶこの仕掛けによって、停泊中に海側に足を投げ出してくつろいでもいいだろうし、船内のラウンジエリアと一体感を持って語らうこともできる。シーンに応じていろいろなスタイルで使える、とてもユニークなアイデアだといえよう。

 

バウキャビンは、一番前に大人2人が余裕で横になれるベッド、その後ろには左舷側にベンチシートとロッカー(物入れ)、右舷側にはシンクと個室トイレという配置。

入り口付近の天井高は190cmほどあって、まったく窮屈な感じはしない。さすが45ft、このサイズの艇ならではの空間となっている。

 

このバウキャビン中央付近の天井は、ガルウイング式で左右に開くようになっている。船首のラウンジエリアへと、ここからもアクセスすることができるので非常に便利。もちろん、プライバシーが確保された空間となることも見逃せない。 

 

大阪湾・芦屋沖の取材当日(2023年11月)のコンディションは、風速1~2m/s程度。波もなく、フラットで走りやすい海象に恵まれた。

スポーティーで機動性にあふれる走りは、アクソパーの大きな魅力。ともすれば、このサイズのボートとなると、走りの特徴は既存モデルとじゃまったく異なったものとなると想像していたが、実際に乗ってみるとアクソパーらしさが損なわれることはなく、逆に45ftのボートとしては類を見ない個性を感じるボートであることを痛感した。

 

コンパネ周りの各種スイッチ類とは別に、ステアリング周りにトリム調整やスラスター操作などのスイッチが一体化されていて、まるでクルマ感覚で操船することが可能。もっとも、ほとんどトリム操作をしなくても船首が上がるようなこともなく、安定した姿勢でのびやかに走る。

アレッと気付いたときには高速域に入っているのは、ほかのアクソパーでも見られた特徴で、ビギナーでも安心して操船ができると思う。

 

試乗時は2人が乗船、燃料タンクは1/4ほどの残量。マーキュリーのべラード300馬力の3基掛けが生み出す走りは、4,500回転/時で30~33kt、5,700回転/時で46ktという速度を生み出した。

フライブリッジもなく、ロープロファイルなフォルムを持つこともあって、旋回時も安定しており、きびきびとした動きでステアリングの動作に反応する。それでいて姉妹艇とは一味違う、ゆとりある走りを楽しめるのも45の大きな特徴だろう。

操船していて楽しい、乗っていて楽しい──そんな乗り物としての魅力にあふれるアクソパーのボート。現代的なデザインに加えて、誰でも容易にスポーティーな走りが楽しめ、いろいろな目的で使えるマルチな性格を持つとあっては、世界のマーケットで人気を集めることもうなずける。

大型ボートになっても、その魅力はまったく損なわれることはなく、このサイズだから実現したアイデアも満載で、とても完成度の高い一艇といえるだろう。

 

(文=舵社/安藤 健 写真=松本和久)

 


【SPEC】
●全長:13.90m ●全幅:4.11m ●喫水:1.0m ●船体重量(エンジンなし):7,000kg ●駆動方式:船外機 ●エンジン(試乗艇):マーキュリー・べラード300(300PS/220.6kW)×3 ●燃料タンク:1,390L ●価格:問い合わせ

(問い合わせ)
オカザキヨット
(横浜)TEL: 045-770-0502
(西宮)TEL: 0798-32-0202
http://okazaki.yachts.co.jp/

 

YouTubeチャンネル「Kazi Movie」/アクソパー45XCクロスキャビンの紹介動画もチェック!

 

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