アニオールズカップ2022|学生クルーザーヨットの王者は神戸大学

2022.03.13

セーリングクルーザーで活動する大学クラブが集まる「日本学生外洋帆走連盟」。
現在、全国9校が加盟し、それぞれがレースから外洋航海まで、各校がバラエティーに富んだ活動を行っている。

そんななか、毎年3月に、同連盟が主催しているのが「アニオールズカップ(ANIORU’S CUP:外洋学連杯)」という大会だ。

この大会は通常の学生のレースとは、少々変わった特徴を持っている。それは、大人たちによって運営される大会に学生選手が参加するというものではなく、選手はもちろんのこと、企画・準備・運営にいたるまで、そのほとんどすべてが学生たちによって行われているということにある。これは、外洋クルーザーで海に出るという本質的な部分にも通じるように感じる。

2020年、2021年と、コロナ禍で中止を余儀なくされた同大会だが、今年は初めて場所を三河みとマリーナに移し、同マリーナのJ/24をチャーター。3月12日(土)、13日(日)の2日間、2019年以来3年ぶりの大会開催にこぎつけた。

 

(文・写真=舵オンライン編集部)

 

大会には、前回覇者の神戸大学を筆頭に、東京大学、慶応大学、防衛大学校の4校がエントリー(※防衛大はコロナ禍での学校の方針により参加取りやめ)。これ以外に、関東外洋学連合同チーム、そして一昨年に大会に参加できなかった神戸大学OBチームの2チームがオープン参加。

3月12日(土)の初日。予想よりも早く風が上がりはじめ、強風コンディションを含むバラエティーあふれる風のなか、5レースを実施。初日は、神戸大学が1ポイント差で東京大学に辛くも先行し、最終日を迎えることとなった。

 

東京大学(右)と神戸大学(左)は、毎レース毎レース、それぞれの意地をかけてバチバチに火花を散らす

 

三河みとマリーナでは、この大会の前週にU26学生マッチが開催されたばかり。2週にわたって学生セーラーのイベントが行われたというわけだ。「3月の三河みと=学生キールボート」というのが、新たなスタンダードとして定着していったら面白いと思う

 

大会最終日は、前日とは一転して超微風コンディション。神戸大学(手前/緑)は、スタートや前半戦でミスをしても、最終レグまでに確実にリカバーしてくるしぶとさが目についた

 

神戸大学が盤石の勝利。アニオールズカップ伝統の舵輪は、前回大会(2019年)に続いて神戸大学の手に

【神戸大学メンバー】
スキッパー:太田陸久(3年)
トリマー:大津優介(3年)
タクティシャン:片岡真子(3年)
ピットマン:山田美桜(1年)
マストマン:山下拓海(1年)
バウマン:芝本秀太(2年)

 

 

【ANIORU'S CUP 2022|最終成績】

1位:神戸大学(1-2-2-1-1-1-2-1:9点)
2位:東京大学(2-1-1-2-2-2-1-2:11点)
3位:慶応大学(3-3-3-3-RET-3-3-3:21点)

●日本学生外洋帆走連盟
https://aniorugakurenn.wixsite.com/website

 

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