1993年に始まった、ダブルハンドによる大西洋横断レース「トランザット・ジャック・ヴァーブル(Transat Jacques Vabre)」の第15回大会が、11月7日にスタートした。15~20ktの北西風が吹くなか、4クラス79艇が出場。内訳はモノハルのクラス40が45艇、IMOCA60が22艇、トライマランのオーシャン50が7艇、ULTIMEが5艇となっている。フランスのル・アーブルをスタートし、カリブ海に浮かぶマルティニーク島を目指している。
最多の45艇が出場するクラス40。フランスを含めて11カ国のセーラーが集った
クラス40には、日本から鈴木晶友さんが〈MILAI〉で出場中だ。相棒は、来年スタートのダブルハンド世界一周レース「グローブ40(Globe40)」に一緒に出場するアン・ボージさん。最新のクラス40は第4世代に分類され、バウの形状が丸みを持つスコウタイプだ。まさにトランザット・ジャック・ヴァーブルのような大西洋横断レースで、リーチングやダウンウインドでの性能を重視した船型となっている。〈MILAI〉は第2世代艇で、その性能やスキッパーの顔ぶれから、現実的に考えて19位を目標にしていると鈴木さん。3週間ほどでフィニッシュする予定という。
IMOCA60には、ヴァンデ・グローブ2020-2021を沸かせたセーラーの多くも出場。左がバンジャマン・デュトル、右がダミアン・セギャン。今回は2人で〈GROUPE APICIL〉として参加
全長32m、全幅23mのモンスタートライマラン、ULTIME
コース図。クラス40は4,600マイル、オーシャン50とIMOCA60は5,800マイル、ULTIMは7,500マイルを走る
チーム〈MILAI〉は、スタート前の5日にオンライン交流会を実施。レースビレッジから生放送を行い、艇の細部を紹介したり、参加者からの質問に答えたりした。また、ゲストとしてDMG MORIセーリングチームの白石康次郎さんも登場。ジャパンツアーのため日本にいるので今大会には不参加だが、〈MILAI〉にエールを送りつつ、「2年後のトランザット・ジャック・ヴァーブルには出るつもり」と語った。なお交流会の様子は次のYouTubeでご覧いただける。
トランザットジャックヴァーブル2021
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(文=森口史奈/Kazi編集部 写真=Jean-Marie Liot / Alea&Vincent Curutchet / Alea)
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