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ヨットレース
ヴァンデ・グローブ中盤戦/白石康次郎は順調なセーリング

2020.12.21

■トップ集団は三つ巴で折り返し

単独無寄港世界一周レース「ヴァンデ・グローブ」は、スタートから43日が経過(2020年12月21日)。すでにリタイアした6艇を除く27艇のレース艇団は、世界一周のメインステージといえる高緯度海域、サザンオーシャンを東に進んでいる。

トップ争いは、トマ・ルイヤンの〈LinkedOut〉、シャルリー・ダランの〈APIVIA〉、ヤニック・ベスタの〈Maître CoQ IV〉の三つ巴状態で、最新の状況では〈Maître CoQ IV〉がトップに立っている。3艇の現在位置はニュージーランドの南方だ。

 

12月21日現在トップに立っている〈Maître CoQ IV〉。トップから13位までの艇が、航海距離で世界一周の半分を通過し、いよいよ後半戦に突入した。
Photo by Yannick Bestaven / Maitre Coq IV

 

■〈DMG Mori Global One〉の姉妹艇

最後尾から猛烈な追い上げを見せているのが、〈CHARAL〉(ジェレミ・ベユー)。ラダーとリグのトラブルでスタート地に引き返して大修理を行い、実質9日遅れで再スタートを切った後、およそ1カ月走って12月21日現在、走っている27艇中21位まで順位を上げてきている。

白石康次郎の〈DMG Mori Global One〉と〈CHARAL〉は、同じモールド(型)から生まれた姉妹艇で、同じ船型を持つ。建造中には、両チームのショアクルーたちは情報交換を行っていたというが、フォイルやラダー、船内構造などは大きく違っている。

〈CHARAL〉は積極的に軽量化に取り組み、有力な優勝候補艇と呼ばれるスピードを得るに至ったが、白石は、もっとも重要な目標を完走と位置付けて、当初から頑丈な造りを目指し、予選レース終了後にもカーボンの補強を大幅に増やしている。総重量も数百kg単位で違っている。

 

11月8日のスタート後の〈CHARAL〉。
Photo by Jean-Louis Carli / Alea 

 

白石の〈DMG Mori Global One〉は、11月14日にメインセール上部を大破していて、その後、実に1週間をかけて補修作業を行って戦線に復帰。セールは破れた部分を重ねて貼り合わせる方法であったため、常にワンポイントリーフ(縮帆)をした状態になっているようだ。
photo by Kojiro Shiraishi / DMG Mori Global One 

 

〈CHARAL〉と〈DMG Mori Global One〉。同じ船型を持つ2艇が、それぞれのビッグトラブルを乗り越え、現在アフリカ大陸南東沖のサザンオーシャンで並走している。白石は12月19日の艇上からの動画レポートで、〈CHARAL〉に触れている。

「最近は大変よく走っています。(修理した)メインセールもがんばっています。なかなか〈CHARAL〉と同じスピードでは走れないんですが、船もしっかり走っています。本当にありがたいなあと思います」

その後も〈DMG Mori Global One〉は順調に走っているようで、24時間平均スピードで16ktを超えている。

「昨日から30kt前後の風が吹いて、海が荒れています。まあ、いいスピードで走っています。けどね、右側のフォイルがすごくうるさいんですよね。その騒音と、かぶる波がすごいです。あと振動で(船内で)何度も吹っ飛ばされています。どこかにつかまっていないと。ちょっと危ない感じですね。大変なことになっています」(12月20日の動画レポートから抜粋)

そう話しながらも、白石の表情は明るく、エネルギーに満ちているように見える。12月21日現在の順位は27艇中22位(参加33艇すでに6艇がリタイア)で、世界一周全航程の40%を走ったところだ。先は長い。

 

(文=Kazi編集部/中島 淳)

 

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