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ヨットレース
ヴァンデ・グローブ開幕から4週間/白石艇に再びトラブル!

2020.12.07

■〈DMG Mori Global One〉に再びトラブル

単独無寄港世界一周レース「ヴァンデ・グローブ」は、スタートから4週間が経過。レース艇団は、世界一周のメインステージといえる高緯度海域、寒風吹きすさぶサザンオーシャンで奮闘している。

白石康次郎が乗る〈DMG Mori Global One〉は、11月14日にメインセール上部を大破、その後1週間かけて、カーボンパーツやバテンの製作なども伴う大掛かりな補修を行い、戦線に復帰。レース艇団を追走していたが、12月4日の未明、船の先端のバウスプリットにあるヘッドセールのタック部分の破損が発覚。この箇所はセールの三つの端のうちの一つを固定する重要な部分で、白石は発覚当時に展開していた大きなヘッドセール(FR0)を1時間かけて回収した。

その後、ショアチームと相談しながら解決策を検討、補修作業に入ったとSNSで報告されたが、続報は入っていない。レース公式サイトの衛星トラッキングを見ると、周囲のレース艇よりも遅いスピードで航行している様子で、海の状況をみながら修理を続行していると思われる。

アジア人初のヴァンデ・グローブ完走を目指す白石の健闘を祈りつつ、続報を待ちたい。

 

12月4日に破損が発覚したヘッドセールのタック部分(写真は破損前の状態)。

photo by Kojiro Shiraishi / DMG Mori Global One

 

トラブルの3日前には、快適なセーリングを報告する動画をアップしていた白石だが、再びトラブル対処に追われることになった。

photo by Kojiro Shiraishi / DMG Mori Global One

 

■〈PRB〉の遭難と救出劇

サザンオーシャンに入ってから未確認浮遊物との衝突事故が増え、スタートした33艇のうちリタイア艇は5艇となった。その中には、有力な優勝候補だったアレックス・トムソンの〈HUGO BOSS〉、女性として最多出場を誇るサマンサ・デイビーズの〈Initiatives Coeur〉も含まれる。

11月30日にケビン・エスコフィエが乗る〈PRB〉が大波の中で大破、ケビンはライフラフトで漂流し、後続艇の〈Yes We Cam!〉のジャン・ルカムが救助した。その後、〈Yes We Cam!〉は2人乗りの状態でレースを続行。ここまでは前回のレポートでお伝えした。

その後、12月6日に〈Yes We Cam!〉はフランス海軍のフリゲート艦と合流。ケビンは海中に飛び込んで、フリゲート艦から降ろされたレスキューボートに無事に救助された。

 

ケビンは命の恩人であるルカムに手を振って健闘を祈り、ルカムは再び「単独」の世界一周レースへと復帰した。

photo by Marine Nationale / Défense

 

ケビン・エスコフィエの救助にあたったフランス海軍のフリゲート艦。

photo by Paul-David Cottais / Marine Nationale / Défense

 

■トップ争いは……

現在、フリートの先頭を走ってインド洋の南側を走っているのは、シャルリー・ダランの〈APIVIA〉。追走しているのは、一時はトップに立っていたトマ・ルイヤンの〈LinkedOut〉だ。〈LinkedOut〉は左舷のフォイルに数カ所の亀裂が入る重大なトラブルが発生、フォイルの先端から2mを切断して戦線に復帰している。

スタートして1カ月が経過したヴァンデ・グローブは、いよいよ中盤戦。サザンオーシャンでの事故が、これ以上増えないといいのだが。

 

1週間以上トップをキープしているシャルリー・ダランの〈APIVIA〉。写真はレース前のトレーニング時のもの。

photo by Jean-Marie Liot / Alea / Disobey / Apivia

 

フォイルの先端を切り落とす大がかりな補修を行ったトマ・ルイヤンの〈LinkedOut〉。

photo by Thomas Ruyant / LinkedOut

 

12月6日21時(UTC)の状況。マップ下の紺色の濃い部分は、レース主催者が設定した「アイスリミット」。この海域は流氷に衝突するリスクが高いため、航行が禁止されている。

 

(文=Kazi編集部/中島 淳)

 

●Vendée Globe公式サイト
https://www.vendeeglobe.org/en
●レースのトラッキングサイト(現在位置)
https://www.vendeeglobe.org/en/tracking-map


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