2015年から始まった海のポスターコンテスト「うみぽす」は、今年で第10回目を迎え、多数の応募作が集まった。入賞作品の発表は、来たる11月11日(月)18時から、Youtubeのうみぽす公式チャンネルで配信される。
この「うみぽす」から生まれた全国の高校生による「うみぽす甲子園」が、熱い戦いを繰り広げているのでご紹介しよう。
「うみぽす甲子園」は、海のポスターを制作するだけでなく、作ったポスターの背景にある海の環境問題等、社会が抱える現状を学び、その解決策などを発案して、予選から決勝までの活動も含めて、広く世の中へ発信するプレゼンテーション(5分間)をして競い合うもので、第3回目となる今年は全国から225チーム(39校/25都道府県)がエントリーした。
全国から決勝大会につめかける高校生や引率の先生たち(昨年大会より)
大会のコンセプトは
「あなたが次の誰かを動かす。『2人め』を生み出せる『1人め』になろう!」
というもので、審査基準は次の6項目となっている。
① 発想するチカラ(テーマ設定・課題解決の企画力)
・テーマ設定に独自性がある
② 表現するチカラ(ポスター等のメッセージ力)
・見る人を動かすアイデアやメッセージ性がある
③ 発信するチカラ(ポスター、公式ブログ、SNS 他)
・広報に独自性や計画性がある
④ 協力するチカラ(協力者、理解者を巻き込む力)
・周囲の助力を得て活動を広げる力がある
⑤ 想像を超えるチカラ(驚きや独創性のある展開)
・発見を与えたり、人を惹きつける力がある
⑥ 訴求するチカラ(プレゼンの納得度・説得力)
・時間内にメッセージし共鳴共感を得られた
昨年、準グランプリを獲得した「うおゑん」(立命館高等学校)チームのプレゼンの模様
225チームの中から審査の結果、選出されて決勝へ進んだファイナリストは次にあげる11チーム( 「 」内はテーマ)。
■小樽水産高校 海洋漁業科(北海道小樽水産高等学校)
「生産者が発信する海洋プラスチックエコラベルプロジェクト」
■ゆうわ(神奈川県 英理女子学院高等学校)
「海と人のずっと続く幸せとは?」
■焼津水産高校ダイビング部(静岡県立焼津水産高校)
「ダイビングを通して海ゴミ問題を解決」
■四日市高校八稜星 SJK(三重県立四日市高等学校)
「伊勢の奇跡~アコヤガイとクロチョウガイの 美しき調和~」
■Suito Action Project(大阪府立水都国際高等学校)
「アクセサリーで学ぶ海洋汚染」
■Kumano サポーターズリーダー(和歌山県立熊野高等学校)
「麦わらストローで守る未来のきれいな海」
■Splash whale Tori-nishi(鳥取県立鳥取西高等学校)
「クジラが教えてくれること(海洋ゴミ・海洋汚染)」
■近大福山 里海連合《サイエンス・オブ・エンパイア》
(広島県 近畿大学附属広島高等学校 福山校)
「瀬戸内海を、海の学校に」
■英数学館高校 白石踊チーム(広島県 英数学館高等学校)
「800 年の伝統をみんなで踊り、平和を祈る!」
■TOKUSHIMA 雪花菜工房×藻藍部(徳島県立小松島西高等学校)
「私たち藍の子がアイゴ(藍子)で海を豊かにするプロジェクト」
■はやて@魚の魅力を広めたい高校生(東京都立西高等学校)
「『命を頂くこと』魚食の普及・未利用魚の利活用」
それぞれのチームのこれまでの活動や、決勝に向けたテーマ説明などはウエブサイトで見ることができる。
決勝大会は来たる11月3日、千葉県船橋市にある「セミナーハウス クロス・ウェーブ船橋」にて9時10分から開催される。もちろん、大会の模様はYoutubeうみぽす公式チャンネルでも配信されるので視聴できる。海のポスターにかける高校生たちの熱い活動や情熱的なメッセージを拝聴してみようではないか。
プレゼン会場の廊下には決勝チームが制作したポスターがずらり(昨年大会より)
なお、「うみぽす甲子園」は一般社団法人海洋連盟が主催し、日本財団と舵社が共催しているが、このイベントを通じて新しいプロジェクトを始めた企業もある。
それは日本サニパック株式会社で、高校生によるゴミ拾い活動に高品質のゴミ袋を無償提供する「地球をキレイにする高校生応援プロジェクト」というもので、これまでの「うみぽす甲子園」というイベントそのものを高く評価した同社が、今年から応援を申し出たもので、高校生たちの活動が実を結んだ好例となっている。今後もこのような企業が続々と手を挙げてくれることを期待したい。
うみぽす甲子園 2023グランプリ受賞した猪原さんからのエール!
上の動画は昨年のグランプリ受賞チーム、近畿大学附属広島高等学校 福山校の代表、猪原桃也さんの「うみぽす甲子園」への応募を呼びかけるメッセージ。同校の後輩チームは昨年に続き、今年も決勝大会まで勝ち残っており、2連覇がかかり注目されている。
昨年グランプリの近畿大学附属広島高等学校 福山校「近大福山地引網(じびきあみ)大隊サイエンス・オブ・エンパイア」チーム。「ギョギョれ! 若者!」をキャッチコピーに、若者の漁業離れを防ぐため、漁業の楽しさを伝えることの重要性を訴えた
(文・写真=田久保雅己)