戦後の船舶に刻まれた4桁の英数字|SCAJAP番号標示船の写真展示が開催中

2025.06.24

神奈川県横浜市にある日本丸メモリアルパーク内の横浜みなと博物館にて、「~占領期の日本船〜 SCAJAP番号標示船写真」の展示が行われている。SCAJAP(スカジャップ)とは日本商船管理局(Shipping Control Authority for JAPanese Merchant Marine) のことで、1945年の敗戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が日本占領下で設置した機関だ。SCAJAPは、総トン数100t以上の鋼船である日本船舶を管理するために、登録番号である英数字四つの「SCAJAP番号」を舷側に標示して運航許可を得ることを義務付けた。

(タイトル写真:舷側に「S025」のSCAJAP番号を刻んだ、貨物船〈浙東丸[せっとうまる]〉)

 

今回公開されているのは、そんな戦後の海運界のリアルな姿を象徴するような貴重な写真データの数々。写真とその裏面を含めた約3,000点の画像データと、それを印刷製本した資料集が展示される。GHQに占領されていた当時の日本に思いを巡らせることは、戦後の日本を支えた船の姿について考えるよいきっかけとなるだろう。

今年は終戦から80年の節目の年。本展示は、この節目を機に横浜みなと博物館が所蔵する太平洋戦争関係の資料データなどを公開する企画の前半部で、会期は8月11日(月・祝)まで。後半部は終戦の日である8月15日(金)から、「重要文化財帆船日本丸 日本語記載の航海日誌」の資料公開が予定されている。

今年の夏は例年以上に、かつての戦争、そして戦後の日本について皆で考える、有意義な季節になるかもしれない。

 

N054 練習船〈日本丸〉。舷側にある四つの数字がSCAJAP番号。先頭1桁は英字、下3桁は数字が付けられた

 

X119 油槽船〈せりあ丸〉。タンカーは船名に関係なく頭文字には英字の「X」が付けられた

 

T255 貨物船〈第二東西丸〉。旧海軍の運貨船で、横浜にて撮影されたもの

 

占領期の日本戦~ SCAJAP番号標示船写真
■会期:5月31日(土)~8月11日(月・祝)
■会場:横浜みなと博物館 ロビー(無料ゾーン)
■開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
■休館日:月曜日(祝日にあたる場合は開館、翌日休館)
■入室料:無料
※資料集、デジタルデータが公開されている横浜みなと博物館ライブラリーの入室には、横浜みなと博物館常設展示室の入館券(一般500円、65歳以上400円、小・中・高校生200円)またはライブラリーのみの利用料1日1人100円が必要。

 

●日本丸メモリアルパーク/公式ホームページ
https://www.nippon-maru.or.jp/

 

(文=有賀航平/Kazi編集部、写真提供=帆船日本丸記念財団)

 



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