
【水路を航く】#64/リバークルーズはどんぶらこ!? 桃太郎の街で、戦国の世に思いを馳せる
~岡山県岡山市・旭川~
群雄割拠の戦国時代、中国地方での覇権争いの中心にいた宇喜多直家は、岡山を本拠地と定めて城を築き、周囲を流れる旭川を利用して町を発展させた。
当時造られたその城下町は、現在の中心市街地の原型となっている。
旭川には遊覧船が就航し、“烏城(うじょう)”とも呼ばれる漆黒の城を優雅に眺める船旅が人気を集めている。
令和の街にいながら悠久の歴史を漂うリバークルーズのひと時を味わった。
(トップ画像説明)
丘の上に立つ岡山城を仰ぎ、遊覧船が航行していく。天候穏やかなこの日、フネが通り過ぎた川面にはくっきりと波紋が浮かび、美しい模様を描いていた
◆日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『BoatCLUB』の人気連載「水路を航く」。 舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。
◆第64回は、『BoatCLUB』2024年5月号に掲載された、岡山県の市街地でのんびり楽しむクルーズの風景をお届けする。
(※本記事の取材は2023年の12月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください)
旭川の緩やかな流れに乗る約30分のクルーズでは、岡山後楽園や岡山城の美を堪能できる。岡山駅から乗り場までは徒歩で20分ほど、路面電車を使えば約10分で到着する
■ おかやま旭川遊覧クルーズ TEL:086-201-1601
戦国時代、宇喜多家が本拠とした岡山城。信長の安土城、秀吉の大阪城と同じく黒塗りの下見板で覆われていたことが、遺跡の発掘からわかっている。
当時を模して造られた金の鯱鉾(しゃちほこ)は、城内の窓より間近で見ることができる。当時の建物は戦時中に焼失、昭和に再建されたもので、2022年11月3日に令和の大改修が完了した
創建当時は岡山城本丸に鎮座していた岡山神社。宇喜多直家が岡山城を築くにあたり、現在の地に移転された。毎年本殿横に飾られる干支の大きな絵馬は、神社の名物になっている
江戸時代に6代目の岡山城城主・池田綱政が造った後楽園。当時の姿から大きく変わることなく現存している。水戸の偕楽園、金沢の兼六園と並ぶ、日本三名園の一つ
旭川にはスワンボートと桃型ボートも。どちらも足漕ぎタイプで簡単に操船できる。
桃太郎伝説の残る岡山県では、多くの場所で桃太郎や桃をモチーフにしたオブジェを目にするが、旭川に桃型ボートが浮かぶさまは、大きな桃がドンブラコとおばあさんのところへ流れていく途中のように見えなくもない
窓越しに岡山城が見えるカフェレストラン碧水園(へきすいえん)(左)。揚げきびだんごや、しゃちほこに見立てたエビフライ入りのカレー(右)が人気。桃やスワンの貸しボート受け付けもこちらで行っている
■Café & Restaurant & Boating 碧水園 TEL:086-272-1605
いたるところに桃太郎。後楽園の中州には桃太郎をモチーフにした「水辺のももくん」の像(左)。両脇にサルと犬を従え肩にキジをのせて遠くを眺める岡山駅前の「桃太郎」(右下)。郵便ポストの上には「寝そべった桃太郎」(右上)
(文・写真=山岸重彦/舵社)