【水路を航く】#15/三重県四日市市② 四日市港

2022.02.22

日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。 第15回は、『ボート倶楽部』2021年1月号に掲載された、三重県四日市市② 四日市港を取り上げる。

※本記事の取材は2020年8月に実施しました。

 


 

工場群が織り成す景色 ~コンビナートの昼と夜~

幕末から明治初期にかけて、商業港として栄えた四日市港。明治の終わりには、開港場に指定され輸入港としても発展した。昭和に入ると大規模な石油化学コンビナートが建てられ、国内でも有数の工業港となった。湾岸エリアの埋め立て地にある工業地帯は、昼夜問わず工場が稼働している。夜には、工場から漏れ出る明かりが、ひときわ美しい景色をつくり出す。

写真を趣味にしている人にとって、工場夜景は格好の被写体だ。揺れるボート上では、思い通りに撮影することが難しく、きれいな夜景は、陸上からのほうが断然撮りやすい。四日市港ポートビル14階にある展望展示室からは、工場地帯の壮観な景色が見渡せる。地上90メートルから周囲360度が見渡せるうえ、三脚を立てて撮影することもできる。

一方、フネで港湾地帯を巡るのも楽しい。昼間は、幾何学的に見える工場群や、煙突からあふれ出る白い煙が、日が落ちると、夕闇に映える工場の明かりが見る人を楽しませる。工場が多く立ち、運河が幾筋も走る四日市港では、昼も夜もクルーズを堪能することができる。

 

(トップ画像説明)
四日市・いなばポートラインを下から撮影。奥に、コンテナターミナルや霞コンビナートが見える。夕闇が降りる前、ほんの少しだけ浮かび上がる景色だ

 

四日市港ポートビルから北を望む。空気が澄んで、晴れ渡ったこの日は、名古屋駅周辺のビル群も見ることができた

 

日本夜景遺産にも認定されている、うみてらす14(フォーティーン)から見える工場夜景。展望展示室は平日は17時まで、土日祝日は21時まで開館している
※訪れる際は、最新の開館時間をご確認ください(うみてらす14のウェブサイトはコチラ

 

四日市港周辺を熟知したフィッシングガイド「クラブカイト」代表の栗田竜男さん。工場地帯のチャータークルーズも請け負う。フネからだと、工場施設を近くから見ることができる
クラブカイト TEL:090-8544-4820

 

四日市港ポートビルの高さは100メートルと、三重県で一番高い。13階までは港湾施設関連のオフィスが入っている。13階と14階の間は18メートルの吹き抜け構造になっている
■四日市港ポートビル TEL:059-366-7006

 

穏やかな海面の運河でウェイクボードを楽しんでいる人たちがいた。四日市港ポートビルの展望展示室から望遠レンズで撮影

 

双眼鏡で楽しそうに遠くを眺める家族連れ。展望展示室に設置されている双眼鏡はなんと無料

 

うみてらす14と名付けられた四日市港ポートビルの展望展示室には、四日市港の全貌がわかる大きな模型が展示してある

 

さまざまなスポーツ施設がある霞ヶ浦緑地公園から見た工場夜景。夜間でも駐車場が利用できるので、じっくりと工場夜景を撮影したい人にオススメの場所

 

アメフトやサッカー、テニスなど多くのスポーツができる四日市ドーム。ドーム前の運河には釣り人の姿も

 

(文・写真=舵社/山岸重彦)

 

※本記事は、『BoatCLUB』2021年1月号に掲載された記事を一部抜粋したものです。最新刊およびバックナンバーもぜひご覧ください。なお、この記事の情報は、誌面掲載当時のものです。

 


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