ちびっ子たちが、ミラー級ディンギーを造る!

2021.05.24

子どもたちの手でヨットを造り、そのヨットでセーリングの練習をする。  

そんなの楽しいに決まっている! ちびっ子たちが作るヨットは、イギリス生まれのディンギー「ミラー級」。1960年代にイギリスで爆発的にヒットした、自作ディンギーキットである。

コンセプトは「お父さんと子どもが週末に一緒に造れるディンギー。自宅の庭で造れるスループで1~5人乗り」というもの。もう、心に湧くのはワクワクだけだ。  

このすばらしいカリキュラムを組んだのは、一般社団法人 日本海洋アカデミー ジュニアヨットクラブ。シーボニアマリーナなどを運営するリビエラリゾートを拠点に展開する、まったく新しいスタイルのジュニアヨットクラブである。  

イギリスから届いたばかりのミラー級キットの建造過程を取材した。

(トップ写真:photo by Riviera)

 

 

photo by Shigehiko Yamagishi / Kazi

普段はオープンスキフで練習する、日本海洋アカデミー ジュニアヨットクラブ。早くミラー級でも練習したい! 

 

 

photo by Shigehiko Yamagishi / Kazi

子どもたちのミラー級建造を手伝うのは、フィリップ・ピーティーさん。美しき帆船〈シナーラ〉のレストアにも関わる。「さあ、みんなでミラー級ディンギーを造ろう!」 

 

 

photo by Shigehiko Yamagishi / Kazi

まずは、ミラー級の動画を見て完成をイメージする。全長3.3mのスループだ 

 

 

photo by Shigehiko Yamagishi / Kazi

普段オープンスキフで練習するちびっ子たちが初めて目にするスピネーカー。でっかいな~~! 

 

 

photo by Shigehiko Yamagishi / Kazi

シーボニアマリーナのヤードスペースで作業開始。まずはブルーシートを広げます

 

 

photo by Shigehiko Yamagishi / Kazi

これがミラー級ディンギーの自作キット。コンパクトにまとめられ、すべてのパーツが収納されている 

 

 

Illustration by International Mirror Class

ミラー級の展開図。スクエアバウでチャインの利いた美しい船型。よい走りが期待できそう♪

●全長:3.3m ●全幅:1.4m ●喫水:0.59m ●総重量:60kg ●材質:マリン合板5~6mm

 

 

photo by Shigehiko Yamagishi / Kazi

キットを広げるぞー! バラバラになったヨットのパーツに、興味津々のちびっ子たち

 

 

photo by Shigehiko Yamagishi / Kazi

最初の作業は、部品の確認。部品リストをチェックする子と、部品に名称を記入する子に分かれる。チームを組んでトライ

 

 

photo by Shigehiko Yamagishi / Kazi

パーツ名称は基本的に英語。「Aft Bottom Panel」と書き込んだ。船尾部分の船底なのだ

 

 

photo by Riviera
ステッチ&グルー工法で船板を接合していく。接合部分にシールを貼って補強。慣れてくると作業スピードもアップ

 

 

photo by Riviera

ついに完成! みんなで造ったミラー級ディンギーにまずはあいさつします。よろしくお願いします! 

 

 

photo by Riviera

進水式の様子。テープカットに緊張するちびっ子たち

 

 

photo by Riviera

みんなが造ったミラー級ディンギーが小網代湾をセーリング! 感動の瞬間です。一生懸命がんばって造ったヨットで、これからいっぱい練習しようね 

 

 

photo by Shigehiko Yamagishi / Kazi

ミラー級制作に携わったジュニアヨットクラブのちびっ子たち。最高の笑顔です


 

日本海洋アカデミー ジュニアヨットクラブのミラー級建造プロジェクトは無事終了。

これからは、このミラー級ディンギーも練習艇の1艇として大活躍します。 自分たちで造ったヨットゆえ、その構造も、どこか壊れやすくてどこが頑丈かも、全部分かった愛着ある1艇。

きっとミラー級に乗るときには、いつも以上にヨットをいたわった操船をすることでしょう。ヨットのことがもっともっと好きになったことでしょう。そして、自分で造ったヨットでセーリングした記憶は、大人になってもずっとずっと大切な思い出になるでしょう。  

まるでアーサー・ランサムの『ツバメ号とアマゾン号』みたいなドキドキのプログラム。まぶしい子どもたちの笑顔が、日本の海に響き渡りますように!

 

(文=Kazi編集部/中村剛司、写真=リビエラリゾート、舵社/山岸重彦)

※月刊『Kazi』2021年3月号にも関連記事掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ

 

一般社団法人 日本海洋アカデミー ジュニアヨットクラブ

現在、2021年秋のメンバーを募集中

●期間:9~12月の16日間。スケジュールはコチラ 

●費用:1人32,000円

●店員:20人

●参加資格:小学1年生~中学3年生。心身ともに健康である方

 


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