速報| 2024年パリ五輪外洋種目はカイトに変更

2021.06.10

パリオリンピックのセーリング競技の種目について、新たな動きがあった。

 

6月10日(日本時間6月11日未明)、ワールドセーリング(WS:国際セーリング連盟)は、2024年パリ五輪のセーリング競技の種目の一部の変更について発表した。

これによると、男女混合外洋ダブルス(種目名:Mixed Two Person Keelboat Offshore Event)と男女混合カイトボーディングの2種目に代わり、男子カイトボーディングと女子カイトボーディングの2種目を採用することについて、IOCから承認の通知があったという。同日にスイスのローザンヌで行われていた、IOCの理事会での決定を受けてのもの。

※WSのニュース(https://www.sailing.org/news/91028.php#.YMKfwfn7RPY

 

かねて目玉種目として、男女混合ペアによるキールボートの外洋ロングレースがパリ五輪から実施される予定だった。国際外洋ダブルス協会も発足するなど、世界的にその機運は醸成されてきた。しかし、安全面の観点から、外洋ロングレースは見直しが進んだ。事の経緯は、こちらの記事「どうなる?! パリ五輪外洋ダブルス種目」をご覧いただきたい。

 

外洋の代替種目の候補としては、①1人乗り種目の男女混合のカイトボーディングを男女別に、②2人乗りの男女混合470級を男女別に、という2案があった。

 


2021年470級世界選手権(ポルトガル・ヴィラモウラ)から男女混合クラスが新設され、パリ五輪を意識した若いチームが20艇参加した
photo by Uros Kekus Kleva

 

日本にとっては、インカレの制式艇でもある470級は学生層が厚く、競技人口も多い。470級オリンピアンも、大学ヨット部で乗り込んだ経験と基礎をもとに五輪で活躍してきた。男女別々の470級は東京五輪を最後になくなり、パリ五輪からは男女混合種目となっていた。これが男女別になれば、その分、五輪日本代表になれるチャンスも増えるということ。日本としては470級が男女別種目で復活、というのが理想的といえるだろう。

しかし、結局、カイトボーディングが男女別の2種目となることで決着がついた。

五輪のキールボート種目自体は、2012年ロンドン五輪を最後に実施されていない。パリ五輪で3大会ぶりのキールボート種目の復活、さらには外洋ロングレースの新設と話題性も充分で、かつ外洋ロングレースが超人気のフランスでは、非常に注目度が高かったと思われる。残念な結果と言う他ない。

 

(文=森口史奈/Kazi編集部)


ヨットレース

ヨットレース の記事をもっと読む