UW旗(貴船のご安航を祈る)を手に、小笠原諸島・父島を出航するヨットを見送る山田和子さん
オケラネットの拠点となった父島のKAIZINダイビングサービスのオフィス

さようなら山田和子さん・・・

小笠原諸島父島のKAIZINを拠点に運営されてきたアマチュア無線ネットワーク、オケラネットのネットコントローラー、山田和子さんが10月8日、他界した・・・。

父島から多くのセーラーを支えた和子さん。週に一度の買い物へ行く途中に倒れ、小笠原村診療所で小脳梗塞と診断され、救急ヘリコプターで硫黄島へ。10月5日、自衛隊のジェットに乗り換え、東京都渋谷区の広尾病院へ搬送され救急治療を受けたが、10月8日3時57分、永遠の航海に旅立った。享年74。

セーラーを支えたオケラネット

オケラネットは、〈オケラ〉号によって単独世界一周レースに挑戦した故 多田雄幸さんを支援するために発足した、 アマチュア無線ネットワーク。 現在も、海上移動局のセーフティーネットワークとして数多くのアマチュア無線愛好家の支援と、セーラーを中心とした海を愛する人々に支えられ運用・維持されている。

そのなかで父島の山田和子さんは中心的な役割を果たした。和子さんのQSLカード(交信証明書)ナンバーはJD1 BBH。

KAIZINダイビングサービス、山田和子さんの貴重なQSLカード(交信証明書)
ジャック・マイヨールもKAIZINを訪れた
舵オンラインなどで活躍する海ガールの矢口あやはさん(左)もKAIZINへ。和子さんのお孫さんの作品を見せてもらう

多くのセーラーを支えた和子さん

長距離航海を行う中で、和子さんとの通信に時に助けられ、時に励まされ、または安全航行中に温かい会話をするなど、生存確認の中継だけでなく、さまざまな形でセーラーやボーターを支えた。

葬儀は10月15日10時から、東京都内で近親者のみで行われる予定。お別れ会は10月22日、小笠原諸島の父島で開催される予定だ。

斎場の担当者の話によると「弔電につきまして、ご家族に確実にお渡しするには、小笠原のほうへ葬儀の日までにお送りいただいたほうがよろしいのでは」とのこと(オケラネット公式サイトより)。また故人の遺志により、香典などはご辞退される意向。

心よりご冥福をお祈りいたします。

ヨットで来島したセーラー(竹内裕一郎さん)が島を立つ際に、手作りのレイを首にかける和子さん。離島時、このレイを海に投げると再び父島に帰ってこれる、というおまじないが込められている
2021年に来島した白根英路オーナー(左端)の〈WOODPECK V〉(ベネトウ・ファースト40.7)のメンバーを見送る和子さん(右端)
「お気をつけて~!」(和子さん)
島の移動は自転車で。UW旗を手に事務所へ戻る和子さん
海ガールの矢口あやはさんもレイをかけてもらいました

オケラネット周波数など

  • 交信:毎日 12:20~13:00 JST
  • 周波数:21.437 MHz USB
2023年4月19日、銀座ライオン新宿エルタワー店で開催されたアイボールミーティング(目と目を合わせて実際に会う)の様子。和子さん(中央)も父島から駆けつけた

山田和子さん/Kazuko Yamada

アマチュア無線の海洋セーフティーネットワーク「オケラネット」のネットコントローラー山田和子さん(JD1BBH)。多田雄幸さんが逝去したあとも、オケラネットを存続させ、多くのセーラーの心の支えとなった。

ボニンブルーと表現される小笠原の海の色。山田和子さんのご冥福を心よりお祈りいたします。

(文・写真=中村剛司/舵オンライン編集部)