ZMYCの混成チーム
1987年に前タイ国王の60歳の誕生日を記念して開催されたキングスカップも、2024年で36回目を迎えました。今大会に、逗子マリーナヨットクラブ(ZMYC)から〈Tiburon〉(サローナ37、高橋敏男オーナー)と〈Luminous〉(ベネトウ・ファースト34.7、田中佳世乃オーナー)の2チームが、混成チーム〈Luminous Tiburon〉を結成して参加しました。
チーム〈Luminous Tiburon〉
現地の艇を借りる「ベアボート・チャーター・クラス」に、日本人コーディネーター落合健二さんの愛艇ヤマハ34Sで参戦。レースは5日間で10レースを予定し、そのうち9レースを実施しました。
クルーは最大で8人。混成なので全員は乗れないため、1人最大3日間ずつ交代です。その分2日間は休憩でき、丘の上から本部船の無線を聞きながら観戦したり、ゴルフをしたり離島のツアーも楽しむことができました。
上下(かみしも)から島周りまで50近くのコースが設定され、事前にマップやゲートの位置が共有されます。全8クラス(IRCからマルチハルまで)のコースは当日の風向、風速により、レース前に無線で知らされる仕組みです。
〈Luminous Tiburon〉は、全9レースのうち1位8回、2位1回で、中国チーム、台湾チームを抑えて、クラス優勝!
風待ちでスタートが2時間遅れるようなこともありましたが、風向、風速に合わせて、本部がクラスごとに細かくコースを設定。とても手際が良く、カウントダウンやリコールもしっかりと無線アナウンスがあり、スムーズな運営でした
5日目の最終日は国王(右端)と王女がTP52に乗艇し、王女はヘルムを担当していました。トロフィーは厳戒態勢の中、入賞艇の代表のみが部屋に通され、国王より直接授与されました
©36th Phuket Kings Cup Regatta
これからキングスカップに出たい方へ
レース公示、帆走指示書、無線を含め、レース運営は全て英語で行われるため、GPSとVHFは必須です。コースは本部船にも掲示されますが、無線で直前のコースチェンジもあり、コースナンバーや予告信号の時間を聞き取る英語力があると良いでしょう。無線の聞き直しや質問も受け付けてくれます。抗議で審問になると、それなりの英語力が必要になりますが、通訳の同席は許可されます。
レース期間中、艇は海上係留となり、クルーはビーチからロングテール(後ろに見える渡船)に乗り込み、往復とも運んでもらいます。腰まで浸かる覚悟で乗りましょう
レース前の開催期間中の天気予報は雨でしたが、降ることはなく、雨季から乾季へ切り替わる時期で、暑すぎることもなく快適でした。
レース後はビーチに面したレストランでタイ料理とビールを楽しみました。パーティーと表彰式があるので飲み過ぎ、食べ過ぎに加えて、氷にも要注意。お腹の調子にも気を付けましょう。
滞在はビーチ沿いのホテル(少し高め)も良いですが、徒歩10分でコテージのようなところもあります。格安ですが広く清潔で、日頃デッキやキャビンでも眠れるセーラーには全く問題ないでしょう。
物価が安く、治安は比較的良く、気候も良い。LCCを使えば、時間は掛かりますが航空券も安いです。IRCのチャーター費はお高めですが、クルージング艇であれば、ある程度の人数を集めれば、参戦のハードルは高くありません。
朝起きてレース、戻ってランチ、夜はパーティーと、ひとつの目的のために短期集中で集団生活をする。チームの結束を高める良い機会となるでしょう
36th Phuket Kings Cup Regatta
2024.12.2~12.6 タイ・プーケット
(レポート・写真=〈Luminous Tiburon〉チーム レース写真=キングスカップ)