カヤックフィッシング入門講座/#02

2022.04.14

大海原にカヤックで漕ぎ出して、自分で魚を見つけ、自分で釣る。安全面も、釣れるも釣れないも、すべてが自分の責任。それがカヤックフィッシングです。
「このカヤックフィッシング入門講座」は、カヤックフィッシングのビギナーに向けて、有益な情報やノウハウをお届けしていきます。

2回目となる今回は、「パドル選びとアクセサリー類について」です。

 

(文=赤澤克哉 写真=赤澤克哉、舵社/宮崎克彦)

 

前回、この講座で「カヤックとPFDの選び方」について解説しました。
カヤックとPFD(Personal Flotation Device/ライフジャケット)が揃ったら、あとはパドルがあれば、とりあえずは漕ぎ出せますよね。

 

フィッシングカヤックの
パドルの選び方

まずパドルの長さですが、だいたい215センチ~240センチぐらいから選びます。これは艇の幅、体格、座位置の高さ、ブレード長などで、最適な長さは変化します。
目安として、漕いだときに「ブレードが水に完全に入るパドルの中で一番短いもの」を選ぶともっとも効率がよくなります。

 


僕がこれまで使ってきたパドル達の一部。グラス、ウッド、ナイロン、カーボン・・・それぞれによさがありました。釣りザオ同様、趣味の道具なのでいろいろなモデルを試していく楽しみがあります。

 

マイパドルの最初の1本を選ぶのは、なかなかむずかしいですよね。
参考として、艇幅が広め&座位置高めのカヤックなら230センチ、艇幅狭め&座位置低めなら220センチを選んでみるとよいと思います。

 


パドルは、必ずしも価格が高いものがベストというわけでなく、カヤックアングラーのスタイルによって、いいパドルの定義は変わります。
牡蠣殻を突くようなシーンが多い人なら、丈夫なアルミシャフト+ナイロンブレードのモデルが適していることもありますし、柔らかい漕ぎ味が好きな人にはグラスパドルがしっくりくるでしょう。
また、軽量で回転数を上げやすいカーボンモデルが最高という人もいます。
今後、カヤックフィッシングを続けていくなかで、コレだ! という1本を探してみてください。その過程もまた楽しいのですよ。

 


なお、カヤックフィッシングでは、釣りの最中はサオを持つので、手からパドルが離れます。1本しかないパドルを流出するといきなり航行不能に陥りますので、釣りの最中だけはパドルを写真のような「リーシュ」に繋いでおくと安心です

 


また、できれば、海上でパドルが壊れたりするなどのアクシデントも考慮し、スペアパドルを用意しておくと安心です。
スペアパドルは、必ず座席から手が届くところに置いておきましょう。

 

万一に備えてPFDに
入れておきたい装備類


カヤック用PFDのポケットは、再乗艇の妨げにならないようにマチが狭くなっています。そのポケットに入れておくべき最低限のアイテムがあります。
それは「防水ケースに入れた携帯電話」「ホイッスル」「レスキューナイフ」です(レスキューナイフはの表側のナイフホルダーに装着する場合もあります)

カヤックに携帯電話を置いておくと、落水してカヤックが流されたときに通信手段を失います。これは絶望的な状況です。携帯電話をPFD側に装備していれば、118番(海上での緊急通報用電話番号)に電話がかけられ、命が助かる確率が一気に上がります。
次にホイッスルですが、海上では大声をあげてもなかなか声が通りません。なにかあったとき、他のカヤックや船に気づいてもらえるよう、ホイッスルは身に着けておきましょう。
最後にレスキューナイフ。カヤックフィッシングに限らず、荷物をつなぐリーシュ類はなるべく使わないのがベター。しかし、パドルリーシュやシーアンカーのロープなど最低限のものはどうしても存在します。カヤックがひっくり返ってロープ類が体に絡まってしまったとき、手元にレスキューナイフがあれば切断して危機的状況を打開できる可能性が高まります。

 

フラッグは必須装備品
カヤックカートはあると便利


そのほかの装備品やアクセサリー類としては、フラッグは必須の装備品です。
カヤックは水に浮かぶと20センチぐらいしか水面から出ませんので、他船舶からの視認性アップのために海では必ずフラッグを装備するようにしましょう。
また、離着岸する際、砂地であっても長期間に渡ってカヤックを引きずり続けていると摩耗してしまいます。なるべくカヤックカートを使って水辺ギリギリまで運んであげましょう。出艇後のカートは、そのままカヤックに積載すればOKです。

 

※本記事は『カヌーワールド』VOL.23の連載「カヤックフィッシング虎の穴」から抜粋したものです。併せてバックナンバーもぜひご覧ください。



(著者プロフィール)
赤澤克哉(ホエール)
千葉県市川市のカヤックフィッシングショップ「kayak55.com」スタッフ。カヤックから釣れる魚種ならなんでもねらう。子育て奮闘中のアラフィフカヤックアングラー。JSPA(日本セーフティパドリング協会)シットオンアドバンストインストラクター。Bluestormフィールドテスター、Palmフィールドテスター。

■ kayak55.com
千葉県市川市北方町4-2094
TEL:047-711-7640
http://www.kayak55.com/

 


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