知床の“漂着ゴミ運搬船”調達プロジェクト

2022.04.21

NPO法人 知床自然学校が、今年の夏にビーチクリーンツアー「知床岬シーカヤックエコアドベンチャーツアー」を計6回企画。それに伴い、来年以降も使える自前のゴミ運搬船を調達するためのプロジェクトを、クラウドファンディング「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」にてスタートさせた。期間は4月30日(土)まで。

 

(文=CANOE WORLD編集部/星野 淳 写真提供=アットプレス)

 

ご存じのように、知床半島先端部には道路がない。しかも世界自然遺産に登録されている同フィールドは動力船での上陸も禁止。環境保全の面からは素晴らしいことではあるが、現在、“海洋漂着ゴミ”もまた手つかずの状態で保全されてしまっているのだ。

 


知床半島先端部の海洋漂着ゴミの現状。

 

この海洋漂着ゴミを処理するには、上陸が認められている非動力のシーカヤックを使って回収し、そのゴミを動力船に積み渡して持ち帰るのが唯一の方法となっている。

この「知床の自然を海洋漂着ゴミから守りたい!」との想いで企画されたのが、前述の知床岬シーカヤックエコアドベンチャーツアーなのである。
ただ、漂着ゴミ回収船(喫水の浅い磯船)を毎日チャーターとなると莫大な費用が必要で、それをツアー参加費で賄うことは到底不可能だ。
そこで来年以降も使える自前の磯船を調達するための、クラウドファンディングが展開されたというわけだ。

 


漂着ゴミの運搬船には、喫水の浅い中古の磯船を修繕し、新品の70馬力エンジンを装着する予定。

 

ところで、回収した漂着ゴミのその後はどうなるのか。 今回に関しては、まず「海洋プラスチック」と「漂着漁網」に重きをおいてアップサイクルしていくとのこと。

 


回収したプラスチックは→選別→粉砕→加工→トレーやアクセサリーへの製品化→販売という形がとられる。
また、浮き玉などのプラスチック漁具はリサイクル販売、 漂着廃漁網の刺し網は→選別→洗浄→加工→鞄などの布製品へ→販売というスタイルとなるそうだ。
なお収益は、製品化費用や回収費用、次のエコツアー継続費用に回される。そしてゴミをアップサイクルで資源とし、最終的には漂着ゴミをゼロにするのが目標となっている。

 


海洋プラスチックをアップサイクルしたトレー。

 

■プロジェクトの概要

・プロジェクト名: 世界自然遺産知床の海洋漂着ゴミを運搬する船が欲しい!
・期間:2022年3月24日~4月30日
・URL: https://camp-fire.jp/projects/view/554249
・目標額:300万円

 

(問)NPO法人 知床自然学校(知床岩尾別ユースホステル内)
TEL: 0152-24-2311
Mail: iwaobetus@sirius.ocn.ne.jp
http://www.shiretoko-guide.com/ 

 


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