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2020全日本インカレ2日目/雨の激闘4レース

2020.11.02

大会2日目となる11月2日の和歌山は朝から雨。しかし、海上は470級のトラピーズがハーフバランスになる程度の軽~中風というコンディションで、この日は470級/スナイプ級ともにそれぞれ4レースが行われた。昨日の第1レースと合わせて、これで全5レースが消化されたこととなり、シリーズの趨勢もおぼろげながら固まってきた。

前日の第1レースで56艇(72艇中)ものDNFを出した470級では、唯一3艇全てがフィニッシュして首位に立った慶應義塾がこの日も手堅く走って首位を堅持。1番艇から3番艇までの順位差が少なく、レース毎のポイントのバラツキも少ないという、まさにインカレの戦い方の教科書のような走りでクラスV2へと着実にコマを進めている印象だ。

470級でこの日一番目立った活躍を見せたのが関西学院大学。10月初旬に行われた関西インカレでは前人未踏の総合14連覇を、両級優勝の完全Vで成し遂げたにとどまらず、両クラスに出場した全6艇が全てが個別成績で全て上位3位を独占するという夢のような「究極の完全優勝」という形で達成してみせた関西学院。この日の470級のレースではその実力の片鱗を見せ、第3レース終了時点では慶應義塾を逆転して首位に立ったものの、つづく第4・5レースにその勢いを持ち込むことができず、この日の暫定成績は2位の早稲田に16点差の3位にとどまった。明日の最終日、2レース以上が行われ、今日の前半のような走りを再現できれば5年ぶりの優勝に十分手が届く位置に着けていることは間違いない。

首位の慶應義塾を34点差で追う早稲田は、この日の1本目となる第2レースで今シリーズ最少失点となる14点を叩き出し、首位に10点差まで詰め寄ったのだが、続く第3レースでは144点という全24チーム中20位となる大失点。手堅いレース運びが信条の早稲田には珍しい崩れ方をみせた。「右海面で勝負して好成績だった第2レースのイメージを引きずってしまい、風のないエリアに3艇とも突っ込んでしまったようです」と分析するのは早稲田の関口監督。このレースでは首位の慶應義塾も失点118点と崩れるなど、風読みが極めて難しいコンディションだったようだ。

昨日の第1レースで1-2-3フィニッシュで早稲田大学がダントツの首位に立ったスナイプ級では、この日も早稲田の3艇が走りまくり、一度も首位を明け渡すことなく2位以下との差を広げ、2年ぶりのクラス優勝に事実上の王手をかけた。逆転優勝の可能性を僅かながら残しているのは69点差で2位に着けている日本大学。一方3位争いは熾烈で、3位の鹿屋体育大学を3点差で慶應義塾大学が追う展開。最終日が今日のようなガスティーなコンディションとなるなら、7位につけた東京工業大学あたりまでが逆転3位の可能性を残しているといえそうだ。

総合では、早稲田大学が暫定成績ながら2位の日本大学に114点差をつけての独走状態。以下、慶應義塾大学、同志社大学、中央大学と続く。普通なら「勝負あり」とすべき点差ではあるが、強風が予想される最終日は2レース以上が行われる可能性があり、今日の470級第3レースのようなことも起こりえる海面なだけに、最後まで闘う姿勢を持ちつつ可能性を追求することができたチームに勝利の女神の微笑みは投げかけられる。

 

470級が九州インカレで予選落ちしスナイプ級のみでのエントリーとなった鹿屋体育大学。最終日を前に3位につけた。

 

第2・3レースで連続トップフィニッシュを決めた関西学院大学の藤原達人(ヘルムスマン)。関西学院は第3レースを終えた時点で慶應を逆転して首位に立ったのだが……。

 

2011年大会でのスナイプ級6位以来、入賞から遠ざかっている福岡大学だが、今大会は最終日を前に470級8位、スナイプ級9位につけるなど古豪復活の兆しをみせている。

 

初日に続き首位を堅持する470級ディフェンディングチャンピオンの慶應義塾大学。クラスV2に一歩一歩近づいている印象だ。

 

第2レースでトップフィニッシュを決めた早稲田大学の蜂須賀晋之介(ヘルムスマン)。早稲田のスナイプは続く第3レースでも谷川隆治(ヘルムスマン)がトップフィニッシュ。圧倒的なレベルの高さだ。

 

スナイプ級のみでの参加となっている東京工業大学だが、最終日を前にクラス7位につける健闘ぶりをみせている。

 

雨の中リーチングレグを走る同志社大学の2艇。470級で4位につけ、総合でも4番手につけている。

 

早稲田のスナイプを牽引する松尾虎太郎。高校・大学の先輩でもある小泉颯作(トヨタ自動車東日本)のクルーとして470級での経験も多く、懐の深いセーラーだ。

 

松本健司新監督の新体制で臨む1年目。チームロゴも一新された日本大学。総合で早稲田を追う。

 

(文・写真=松本和久)

 

◆470級・上位暫定成績[2日目終了時点]

 

◆スナイプ級・上位暫定成績[2日目終了時点]

暫定成績と速報サイト

 

第85回 全日本学生ヨット選手権
■2020.11.1~3
■和歌山セーリングセンター

 

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