木造艇マニアが集まった／ユーエムアイの展示会
2022.08.30プレジャーボートの販売、修理、とりわけチークデッキの施工、チーク材や関連用品、艤装品の輸入販売、木工用品のデザイン・制作などで定評のあるUMI premium株式会社（本社：大阪市）の展示会が、7月30日～31日の2日間、徳島県鳴門市にある工房＆ショップ「ユーエムアイWest株式会社・チーク工房谷口」で開催された。
工房＆ショップは徳島空港からクルマでおよそ25分、鳴門大橋南端近くの海岸通りに面している。工房とショップは別棟になっており、工房内は、大きな作業場の他に塗装専用の部屋、そして関連用品を加工する機械室に分かれている。海側にある駐車スペースの一角にはレストア中のボートが置かれていた。目の前を通る海岸道路の向こう側には、美しい青い海が広がっている。
広々とした工房内。あらゆる木工作業に対応できる工具類が整っている
一定の温度・湿度が保たれる空調システムが施されている塗装室
ショップ内に設けられた展示スペースには、昭和62年（1987年）に同社を創業した谷口亮一さんが35年間にわたり手がけてきた、さまざまな作品が展示された。鏡面仕上げのファイティングチェア、ロッドスタンド、椅子、テーブル、ワインクーラーなど、ひとつひとつ丁寧に仕上げられた美術品と言っても過言ではない美しい木工品がずらりと並んでいる。
もちろん展示品はその場で購入することもできるのだが、その価格を聞くと驚くほど安い。谷口さんによると「私が創ったものですが、いつまでも私が持っているよりも、それぞれの作品の良さを分かっていただける方にお分けできればと、企画しました。まあ、今回の展示会は私の集大成ですね」。
ショップ内にはユーエムアイWest株式会社が、これまで長年にわたり手掛けてきたさまざまな美しい木工アイテムが展示されていた
工房＆ショップ前の船台にあったボートは、船齢30年のヤマハPC26のレストアを昨年9月に工房で依頼を受け、最後の仕上げ中だったが、展示会開催時は完成に近い状態で来場者にも披露された。
レストア作業はオーナーの希望に沿い、バウデッキ、アフトデッキ、トランサムステップ、キャビンドアはもちろんのこと、船内のメインキャビン、バウバースなどすべて無垢のチーク材やローズウッドを使用して施され、艤装品も世界のスーパーヨットに使用されているアリテックス社のムアリングクリートを採用するなど、妥協のない高級感のある仕上がりに来場者はため息をついていた。
レストア作業をほぼ終えて展示されていたヤマハPC26。この後、8月末に完成、無事オーナーのもとへ納艇された
全国には谷口さんの匠の技や作品のファンも多く、会場には、千葉県からクルマで駆けつけたマイヨットのデッキをチーク加工しているオーナー、マイボートの船内の棚の製作を谷口さんに依頼して、東京夢の島マリーナからクルージングがてらボートで回航してきたオーナーなど、各地から多くの人が会場に訪れた。
大阪から回航してきた〈ベラドンナⅢ〉（写真中央・タシバ36）。右のグレーのボートは東京夢の島マリーナから、オーナーの長嶋弘幸さんがシングルハンドで回航してきたフィンランド製のタルガ37。この後も瀬戸内海クルーズを続けるという。写真の奥に係留されているのは130フィートのスーパーヨット〈ロイヤルオーク〉。この船のチークデッキも、ユーエムアイWest株式会社が施工した
愛艇〈ARGO〉(ナウティキャット42)のチークデッキをセルフ・レストアしている米田雅信さんは、この日のためにクルマで千葉県から駆けつけ、谷口さん（右）にチーク材を貼るときの注意点を熱心に学んでいた
展示会にはこうした全国各地のボート・ヨットのオーナーだけでなく、地元の名士や、業界から岡崎造船の岡崎英範社長、トップウォーターの青沼 徹社長などが招かれ、2日目の午後には鳴門大橋を見渡せる高級リゾート「ホテル リッジ」のキュイジーヌレストラン「カリフォルニア テーブル」を貸し切り、バイオリンのライブ演奏を聴きながらのアフタヌーンティー・パーティーが催され、2日間の展示会は無事終了した。
（文・写真＝田久保雅己）
（問い合わせ）
●UMI premium株式会社
〒541-0052 大阪市中央区安土町1-4-5-601
●ユーエムアイWest株式会社・チーク工房谷口
〒772-0053徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字黒山118-262
http://www.umiyacht.com/
あわせて読みたい!
●エントリーユーザー大歓迎！｜はじめよう海。乗ってみようボート。
