【水路を航く】#18/兵庫県・新西宮ヨットハーバー

2022.06.16

日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。 舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。

 第18回は、『ボート倶楽部』2020年6月号に掲載された、兵庫県・新西宮ヨットハーバーを取り上げる。
※本記事の取材は2020年3月に実施しました。

 


 

水路を抜けて六甲アイランドへ

阪神タイガースの本拠地で、高校球児の憧れの場所「阪神甲子園球場」があるのは、大阪ではなく兵庫県西宮市。その西宮にある新西宮ヨットハーバーは、じつに収容隻数600隻、関西最大級のマリーナであり、近隣の大学のヨット部が活動場所にしていることもあって、いつも活気にあふれている。

1995年に完成したこのマリーナの周辺には、埋立地によって作られた人工島が多く、それに伴った水路がいくつか存在している。この水路を巡ると、人工島を結ぶ大きな橋や自衛隊の大型船、巨大なフェリーなどを見ながら、クルージングを楽しむことができるのだ。

新西宮ヨットハーバーで特に印象的なのは、夏の晴れた日。 午後になると必ずといっていいほど南からの風、シーブリーズが吹く。この心地よく吹く風が、ディンギーからセーリングクルーザーまで、多くのセーラーたちを満足させている。そして、そんな晴れた日の日没直後には、夕日の残照が広がる空と、遠くに見える街明かりが絶景をつくるのだ。

 

(トップ画像説明)
大型商業施設や住居などの海上都市機能をもつ六甲アイランドは、写真の左側にある。大きな人工島には、阪神高速道路の六甲アイランド大橋(手前)と六甲アイランド線が通る鉄道橋(奥)が架かっている。奥に見えているのは六甲の山並み

 

新西宮ヨットハーバーからボートで南東方向へ向かうと、15~20分で大阪の南港エリアへ到着する。海だと直線で行かれるため、思いのほか近い 

 

夕日が沈み、桟橋のライトがともった新西宮ヨットハーバー。上空には夕闇が迫っているが、水平線近くにはまだオレンジ色が残る。遠くに六甲アイランドの明かりが見える
新西宮ヨットハーバー 兵庫県西宮市西宮浜4-16-1 TEL:0798-33-0651

 

クラブハウス内にはマリン用品の専門店が並ぶ。「マーメイドギャラリー」では、海洋冒険家の堀江謙一さんが、サンフランシスコから西宮まで航海した際の、〈ミニマーメイド号〉も展示されている

 

撮影当日、船体に描かれた大きな太陽マークが目印のフェリー〈さんふらわあ〉が、神戸港に接岸中だった。神戸を夜に出航し、翌朝、大分に到着する。神戸側は六甲アイランドに乗り場がある

 

福の神のえびす様をまつる西宮神社(左)は、毎年1月10日にその年の福男を決めるレースでおなじみ。近所の灘で造られた銘柄の酒樽(右)がたくさん奉納されていた 

 

阪神電鉄 甲子園駅の前にある阪神甲子園球場。昔は壁面がツタで覆われていたが、現在はすっきりとしている。阪神高速道路があるため、正面から全体像を見ることは困難 

 

六甲アイランド内に店舗を構えるマリン用品の総合ショップ「トップウォータータックルズ」。
大きなトローリングチェアなど、さまざまなマリン用品をそろえており、店に行くだけで楽しめる
トップウォータータックルズ 兵庫県神戸市東灘区向洋町中6-9 神戸ファッションマート3S-14 TEL:078-862-3182

 

(文・写真=舵社/山岸重彦)

 

※本記事は、『BoatCLUB』2020年6月号に掲載された記事を一部抜粋したものです。最新刊およびバックナンバーもぜひご覧ください。なお、この記事の情報は、誌面掲載当時のものです。

 


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