海洋散骨という選択肢|佐島マリーナの特別プラン

2022.08.01

自分が亡くなったときには、遺骨は海に撒いてほしい・・・特にヨットやボート、海を愛する人たちには、そんな思いを持っている人も少なくないだろう。いわゆる「海洋散骨」というものだが、コロナ禍で大勢の人が集まっての葬儀がしにくかったり、墓じまいをするケースが増えてくるなど、昨今、大きな注目を集めている。

とはいえ、海洋散骨に対して、なんとなくのイメージを持ってはいるけれども、実際にどういった手続きを踏んだらいいのか? 法律などのルールはあるのか? あるいはどれくらいの費用がかかるのか?など、さまざまな疑問があるだろう。

海洋散骨には法的な基準がないため、全国海洋散骨船協会日本海洋散骨協会といった団体があり、加盟各社がルールとマナーを守った上で営業を行っている。今回は、そういった数あるサービスのなかから、佐島マリーナ(神奈川県)と海洋記念葬業者のシーセレモニーが協力して提供しているオリジナルプランを紹介していくことにしよう。湘南という抜群のロケーションを活かし、プライベート感覚で利用できるとあって、現在大きな注目を集めている。

 

プランで使用されるのは、トヨタ・ポーナム28V(全長9.14メートル)。一般的に海洋散骨サービスは乗り合い船のような形がとられていることが多いが、こちらのプランは完全な貸し切り制(定員10名)。家族や親しい友人だけで、大切な人の旅立ちの日を過ごすことが可能になっている。

 

記念葬当日は、佐島マリーナから出航し、陸地から一定の距離を離した水深100メートル以上あるエリアまで向かう。ボートには、船長のほか、進行を務めるスタッフが乗船する。帰港までの時間は約90分。

 

パウダー状に加工された遺骨は、環境に配慮した水溶性の袋に収められている。これを順に海に納めていく。

 

散骨に続いて、献花、献酒が行われる。船の上には穏やかな空気が流れている。

 

セレモニーの最後には、ポイントを中心にボートが円を描くようにゆっくりと走り、スタッフによって鐘が8回鳴らされる(八点鐘)なか、黙とうが捧げられる。

 

「散骨は、まだまだ理解されていない部分も多くあります。よく誤解されるのが、遺灰(遺骨)のすべてを海に撒かなければならないかというもの。これについては、実際は一部を撒くこともできるので、例えば家族と一緒のお墓に入れてあげられなくて寂しいのではないかといった心配も不要なんです」(シーセレモニー 島田 快さん)

 

葬儀というのは、どうしてもつらく悲しいものでもある。しかし、こちらのサービスは、そんな一日に対する新しいスタンダードを提案するものでもある。

「セレモニーが終わったら、周辺をクルーズしてからマリーナに戻り、レストランで食事を楽しんでいただくことも可能です。旅立ちの日が新たな記念日になるので、例えば毎年こちらに来ていただき、クルーズがてらに散骨したポイントにボートで行くということもできます。お墓参りではありませんが、ホテルも備えているので、故人を思い出しながら楽しい時間を過ごしていただけたらとも思います」(佐島マリーナ 山口直樹さん)

 

海に還る─そんなスタイルは、これからますます要注目。きっと家族にとって特別な一日になるはずだ。

 

(文=舵社/安藤 健 写真=松本和久)

 

◎佐島マリーナの海洋記念葬プラン

●定員:10名まで(貸し切り)
●乗船場所:佐島マリーナ(神奈川県横須賀市佐島3-7-4)
https://www.sajimamarina.com/
●運行エリア:相模湾佐島沖
●時間:約90分
●料金:165,000円(土日祝日は198,000円)
※献花追加、献酒追加ほかオプションあり
※ご遺骨はパウダー状にする必要があります(要別途費用)

(問)シーセレモニー/東京都知事登録 旅行業第2-6879号保有
TEL: 03-6809-6447
https://sea-ceremony.com/

 


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